
日本3度目の敗戦を迎えて
三度目の日本 堺屋太一
今の日本は3度目の敗戦状態にある。バブル経済崩壊後の30年(ソ連冷戦時代の終焉とグローバル経済の到来)は無成長になった。G7での日本の1人当たり所得は1位から7位に転落した。アメリカのGAFAMデジタルIT技術、中国企業の圧倒的な台頭でビジネスモデルの転換をせまられている。今の日本人の楽しみは、パソコン・スマホと100均ショップだ。官僚は日本を5つの方針で政策立案している。①東京一極集中②流通の効率化③持ち家主義④正社員終身雇用⑤就職、結婚、住宅、年金の規格人生であり、その結果、日本は夢も冒険心も湧かない低欲望社会になった。その結果、①少子高齢化②地方行政の破綻③大不況④米中冷戦、EU分裂、北朝鮮など国際情勢混乱で日本崩壊状態となった。敗戦とはそれまでの美意識と倫理観が否定されることだ。私たちは一刻も早く三度目の日本を創らねばならない。
近代日本にとって、第1の敗戦はは幕藩体制の崩壊、第2の敗戦は太平洋戦争の敗戦だった。しかし日本はその都度立ち上がり、1度目の日本は「強い日本」(明治政府による富国強兵と殖産興業)、2度目の日本は「豊かな日本」(戦後の経済成長)を目指し達成してきた。3度目の日本は、何を目指すべきなのか?
人類は18世紀以降、産業革命により大変革を遂げ、人口も80億人になった。第1次産業革命(18世紀、蒸気機関による工場の機械化)、第2次産業革命(20世紀初頭、石油、電力を用いた大量生産)、第3次産業革命(1980年代、デジタル技術、パソコン・スマホ、インターネット、新ソフト開発)、第4次産業革命(2030年以降、機械が人間の仕事を肩代わりする。ロボット、人工知能AI、モノのインターネットIoTなど)。堺屋太一は、日本の三度目の日本は、第4次産業革命を成し遂げることだと言っている。