
貧乏国ニッポン
貧乏国ニッポン 加谷珪一
2000年のG7で、日本は1人当たりGDPが39千ドルで最も豊かな国であった。米国は36千ドル、フランスは23千ドルであった。2023年の日本は35千ドルで、最も貧しい国になってしまった。米国は80千ドルで23年間で2.2倍に増えた。フランスは44千ドルで1,9倍になった。日本は少子高齢化で労働力不足とも言われている。
2000年の円相場は110円/ドル、2023年は140円/ドルであった。為替レートは購買力平価で決まる。円の価値が落ちている。グローバルに価格が決まる自動車は、2000年で150万円位が2023年には300万円、倍近くに価格アップしている。東京のマンション価格も、5000万円が1億円と2倍近くにアップ。外食費もワンコインが1000円近くの2倍になっている。また、今年2025年の米価格も以前の10kg4千円から8千円の倍額になっている。
日本の初任給はグローバル水準の半分位である。また、日本株式会社は20年働いて昇給ゼロである。日本企業の競争力が下がり、経済成長が出来ていないことが、最大の原因である。日本人が閉鎖された日本に住んでいれば、大きな問題はない。しかし、輸入品なしでは、成立しない商品も多いし、石油や米の肥料なども必要品である。輸入品の物価上昇と労働者の昇給が難しい所から、生活水準が年々低下している。
個人の対策としては、江戸時代のように近場生活で、中古品を修理して低コストで暮らすしかない時代になった。