国家破産対策
国家破産で資産防衛 橘玲
1.日本の現状
1)国家予算(24年) 112兆円 社会保障費37兆、国債費27兆、地方交付税17兆、防衛費7兆
2)社会保障費 年間合計140兆円 年金56兆、医療費47兆、福祉他(介護11兆等)23兆
3)日本借金 1300兆円(1人当たり1000万円)、個人金融資産 2000兆円(1人当たり1600万円)
4)65歳日本人の平均総資産 合計6000万円 金融1500万円、年金3000万円(月額16万円を割り戻し)、不動産1500万円
5)住宅ローン変動金利(3000万円のケース) 金利1%返済月10万円、3%13万円、5%16万円(1.5倍)、10%26万円
6)預貯金政府保証 1000万円までの元本と利息は政府が保証する
2.国家破産
国家破産とは日本政府が国債のデフォルト(債務不履行、利払い・元本返済不能)を宣告し、IMFの管理下に入る。
1)財政破綻の経済現象
①円安インフレ高金利が進行し、国家債務の膨張が止まらなくなる。国債利払い費用が急騰し支払い困難に。
②金利が急騰し社会経済が大混乱する。企業は資金繰り不能、倒産多発。失業率10%若者20%。賃料が上がらない不動産は価格下落。大不況で株価大暴落。個人は金利上昇で住宅ローン支払い負荷の人が自己破産。家賃の払えない老人がホームレスになる。
2)最終ステージ
財政健全化の方法は、税収を上げるか支出を減らす。社会保障費の年金減額や医療介護保険の引き上げは限度がある。富裕層に対する所得税、金融所得課税、贈与・相続税課税増額。
国民の2000兆円の金融資産を差し押さえ、国家債務1500兆円と相殺。国家は通貨発行権と暴力装置(軍隊、警察)を持つので可能。
一部国民は、日本国の非居住者になり国外脱出。現在の金融テクノロジー時代では、逃亡キャピタルフライトが可能。
3.対応策
1)資産運用
①現在の日本では壊滅的な国家破産のリスクは最小である。大不況程度の状態であれば、普通預金こそが最強の資産運用になる。理由は簡単確実。大不況では現金が最強。金利上昇すれば、普通預金の金利もそれに応じてあがる。デフレがあっても実質金利はプラス。
②大規模な円安では外貨預金も。手数料の安いネット銀行が良い。外貨手数料(1回)1ドル=1円、証券会社の外貨MMF 1ドル=50銭、ネット銀行1ドル=10銭(海外送金できず)。
4.老年生活対応策
①生涯現役 たとえわずかでも、働いて毎月収入を得る。株式配当もよいが年間2%程度では大資金がないとお楽しみレベル。老人には低く買って高く売る差益株価投資はリスクが大きすぎる。
②家族による支え合い。2親等以内の親族は家族である。困った人がいたら、一族の資産を有効に活用する。特に住宅別荘は使う価値が高い。
③節約家計費。1人暮らしの家計費は平均16万円。住居と食費各3万5000円、交通通信費と教養娯楽費各2万円、光熱水道費1万円。自分でやって節約する。