円安日本貧乏化と世界の借金限界に

円安日本貧乏化と世界の借金限界に

YouTube 石原順

1.円安日本窮乏化

コロナパンデミックでサービス業救済・ウクライナ戦争によるグローバルインフレで、世界インフレ率は2022年8%、2023年6%と高インフレになった。アメリカのインフレ率2022年8%で2023年の金利は5%になった。現在金利は米国、英国4%、独2.5%、日本1%である。日本はアメリカとの金利差が3%もあり、運用のため、円売りドル買いで円安になっている。バフェットの株投資など円キャリートレード20兆ドル(3200兆円)も、円を借りてドルで投資している。

円は円安になり160円/ドルになった。日本は貧乏になった。世界物価の株(日経4万円)、土地(東京マンション1億円)、車両価格、電気ガス代など高騰している。庶民は苦しくなっている。円の発行も止まらない。月に5兆円の国債買いを続行している。

農林中金(外国債4割)は2025/3月決算で、米国債買いで2500億円の損失と1.2兆円の増資の必要性で、米国債10兆円売りを表明、他の地銀なども同様で円高要因になる。円の将来は、200円と120円の2方向がある。

2.世界の借金は限界か、世界不況になるか

IMFは2024年末の世界GDPを先進国マイナス2%、中国を含む新興国マイナス6%と予測している、日本は0%くらいだが、世界はすでに不況に入っている。米国の状況を見てゆこう。英国など欧州も米国とほぼ同じ状況。米国の負債34兆ドル(5400兆円)。コロナパンデミックで11兆ドル(全体の1/3)増えた。米国国債は日本しか買わない。政治的に作られた日本の低金利で。BRICSプラスが強力になってドルを買わない。原油取引をドルで買うペテロダラー(現在世界の6割占める)も米国とサウジの約束期間が過ぎてサウジはドルに固定しなくなった。米国は2023年過去最大の23兆ドル(3600兆円)の赤字。インフレで金利は下げられない。米国利払いは1兆ドル(160億円)を超える。借金の限界が来ている。米国・欧州は大不況になる。大統領選挙後、11月以降、リーマンショック後15年に亘って続いた異常低金時代が終わり、米国株式は下げる可能性が大きい。