日本の国難ー高住宅価格少子化
日本の国難 中原圭介
低成長・低物価の経済を金融緩和で押し上げる政策が、新規事業でなく、投資家たちの傲慢さを生み出し、株式・債権と不動産バブルを作り出した。また、原油価格の高騰により、ガソリン、電気、食料といった生活必需品の物価上昇が起きた。アメリカは格差が拡大し、3人に1人が貧困層および予備軍になった。トランプ大統領が誕生するまでになった。
1.世界金融危機の再来ー借金バブルの破裂
リーマンショック時を上回るアメリカ人のローン、膨張・破裂する中国の民間債務、世界中で膨れ上がる借金バブルの解消のため、アメリカ、中国、世界各国が不況に陥る。
2.日本経済の病ー少子化
少子化により、生産年齢人口・消費市場の縮小、社会保障への影響、労働市場の縮小によりGDPの縮小になる。とりわけ若く優秀な世代の東京圏への一極集中が、生活コスト(住宅)の高さ、長時間労働のため、結婚率の低下、晩婚化、出生率低下を招いた。生涯未婚率も男性3割、女性2割になっている。地方が魅力的な雇用を提供できないことが東京一極集中に結びついている。これは大企業、中央官庁、メディアなどが東京一極集中のメリットを受けている事。更に、日本の銀行が土地のない企業へお金を貸すノウハウがないために担保土地主義を採用しており、国際業務自己資本比率8%以上のBIS規格のため、大都市過密政策を採り、土地値段を下げさせないからである。加えて、自動車と同じく不動産もグローバル価格になっている。国際リート資金が日本の都市部不動産に流入しているのだ。築40年マンション問題(法定耐用50年、寿命70年、修繕積立金・管理費の高騰、2035年250万世帯減少・築40年250万戸に、30年内関東大地震70%)もリスクになる。滅びの道を歩いている。
3.日本の雇用減少
AIを活用した自動化は工場、オフィス、荷物仕分け、レジ係に及ぶ。また、士(さむらい)業と呼ばれる税理士なども代替可能になってゆく。IT,AI企業は利益は多いが雇用は少ない。格差を拡大させる。
4.日本の可処分所得、実質賃金の減少
可処分所得は所得税、消費税および年金・介護保険料の増加により増えない。実質賃金は円安による資源輸入インフレにより、実質所得が減少する。
おわりに
1800年後半イギリスの産業革命により生活必需品の物価が下がり、生活が便利になった。これに対して、IT技術革新では、良質な雇用を生むことができない。低賃金労働者が増え、実質賃金の伸びが小さい。生産性は上がるが良質な雇用は減る。失業問題が起きる。ポピュリズム政治、国家財政危機、大不況、大戦争を起こす可能性も出ている。