中国不動産バブル崩壊と世界への影響

中国不動産バブル崩壊と世界への影響

中田敦彦のYouTube大学 中田敦彦

1.中国不動産バブルの崩壊

1)土地不動産バブル

1996年 恒大集団(エバーグランデ)

ハイ・レバレッジ(てこ)戦略  小資金で無限増殖 バブルへ

・土地担保融資

・建設費かけ売り・青田売り

・広告拡大・多角経営

地方政府も土地使用権売りで、歳入の3,4割の収入を得る

2)政府の規制

・2017年 (個人向け)デ・レバレッジ(てこ)政策  家保有件数の制限

・2020年 (企業向け)3レッドライン  融資制限

        ①負債比率90%以下②純資産比率100%以下③短期負債を上回る現金

     (銀行向け)不動産融資総量規制  日本のバブル時と同じ

      Tierー1(大都市)エリア 値段高騰・年収の50倍に(世界基準は5倍以内)投機で超バブルに

・2021年 恒大集団 債務超過、債務不履行=借金の利子支払いが滞る

3)米国破産法申請

・2023年 恒大集団 米破産法15条申請(アメリカの資産を売却分割しないように申請)    8月 碧桂園(カントリーガーデン)も申請

中国不動産企業(土地開発デベロッパー)のNo1とNo2が米破産法15条申請で、金詰りバブル崩壊が明白になる

4)中国バブル崩壊

・GDP世界規模米国25%、中国18%、日本4%

・米国の貿易総額に占める中国の状況 2022年 中国の割合11%になり、2005年並みに低下(最高は2018年21%)

・輸出工業地帯 上海、香港、深圳、東莞など 工場閉鎖、仕事なし、不況、ゴーストタウン EV不況、不動産不況、ゼロコロナ・サプライシェーン混乱

2.世界への影響

1)リーマンショックのようにはならない

投資したのは国内の中国人であるので、世界への影響は少ない。

日本のバブルに似ている。(負債返却に12年、デフレ脱却に30年。)

中国は共産党国家であり、データも何も不透明、どうなるかは分からない。

2)公的資金(税金)投入の政府方針

中国政府は積極的には助けない。ただし、つぶさない。

不動産業界を調整したい。中国不動産は現在、年収の50倍、しかし、民衆の自宅保有の需要はある。世界標準の年収の5倍、今の値段の10分の1にすれば売れる。不動産は住むためのもので、投機のためのものではない。共同冨有。

3)中国と今後どう付き合うか。

4デの内のデ・リスキング(リスクなし)で付き合う。依存を減らしながら、関係を減らす。

4デ= デ・リスキング=リスクをなくす、デ・カップリング=カップルをやめる、デフレ=物価・給料が下がる、デ・レバレッジ=借り入れ・てこをやらない。

4)日本への影響 貿易総額における割合 1位 中国 20%(輸出19%、輸入21%)、2位米国 14%  中国の不況、デフレ化により日中貿易は低下する

日本は内需国で、GDPにおける貿易比率は16%(輸出17%、輸入15%)で、20%×16%=3%程度の影響しかなく、大きな問題はない。