自殺ーこころの病気対応医院の増加
大河の一滴 五木寛之 +インターネット資料
日本人の死因の病気原因の1位はガン、2位は心臓、3位は脳血管である。死因にはもう1つ社会的要因による自殺がある。優良な職がない、過労、生活苦、不安、不眠、うつ病、育児介護疲れ、いじめ孤立の結果の自殺である。55歳以降は病気原因の死因が1,2,3位を占めるが、15歳から40歳までの25年間は、自殺が1位を占め、10-14歳、40-50歳は2位を占める。55歳以下の日本人の死因は自殺が1,2位占めて多いのだ。
日本の自殺者数は、1998年に前年比で35%増加して一挙に3万人を超え、その後10年間にわたり3万人以上のレベルであった。10年間に30万人が死んだわけである。その後、減少し、昨年2022年は22,000人であった。その4倍の88,000人が自殺を試みた人と推測される。自殺を考えた人はその10倍の88万人いると推測される。一方、2022年の交通事故死者数は3,200人であった。一時は1万人を超え、交通戦争と言われていた交通事故者数の約7倍も死んでいて、心の戦死者と言っていい。
自殺の55%は無職者である。7割が男性。仕事がない、経済・生活問題が自殺の原因・動機の主力になっている。優良な職がない、過労、生活苦、育児介護疲れ、いじめ孤立、不安、不眠、うつ病、その結果の自殺という追い込められるパターンがあるのが自殺である。社会の努力で、避けることができる死である。失業者、労働者、自営業者、主婦など無職者、学生などが対象である。
日本人の死因第1位の自殺に対して、社会はどう対応しているか。一つに、精神科心療内科クリニックの増加がある。2000年から2014年までの15年間で、2,000施設から4,000施設と2倍に増加している。診療所全体に占める割合は4%になっている。精神科、心療内科医師は2016年で全国に16,500人、医師総数の5%である。 精神科はこころの病気全般、心療内科は軽度の精神科疾患を取り扱う。精神医療は看護師、心理士(精神療法士)とのチーム医療で進められる。こころの病気の分類は、気分障害(うつ)、不安障害、統合失調症、認知症、その他(神経発達障害、睡眠障害など)に分けられる。こころの病気を患う人は増加しており、外来患者数は2015年には400万人になっている。精神科心療内科クリニックは21世紀の時代を代表する職業である。