徒然草 貧しとは驕りとは

徒然草 貧しとは驕りとは

徒然草で、吉田兼好は、「四つの事、求め得ざるを貧しとす。四つの外は驕りとす。」と書いている。

人の身に、止むことを得ずしていとなむ所、第一に食ふ物、第二に着る物、第三に居る所なり。人間の大事、この三つには過ぎず。飢えず、寒からず、風雨におかされずして、不安なく過ごすを楽とす。ただし、人皆病あり。病におかされぬれば、その愁い忍びがたし。医療を忘るべからず。薬を加え四つの事、求め得ざるを貧しとす。この四つ欠けざるを富めりとす。この四つの外を求め営むを驕りとす。