神と宗教
なぜ全人類は神と宗教を持っているのか。なぜ宗教が生まれたのか。なぜ宗教はなくならないのか。昔から神など目には見えない何かをうやまう文化があった。旧石器時代2万年前のオーストラリアに女性像があったことや日本の1万3000年前の縄文時代に土器が使われだし、後期に土偶が見つかっていることから、人類は自然災害や飢え、病気や生と死など説明のつかない現象を神・自然が起こしたと考えた。人々は神・自然を崇敬し、祈りをささげ、儀式を行って、神・自然の怒りを鎮めようとした。定住生活が始まり、集団で同じ神を信仰するようになった。これが宗教(信仰に伴う制度)になった。宗教の役割は、①救いをもたらす。神は幸福をもたらすという希望を人々に与えた。②説明をもたらす。自然災害や生と死などの未知の現象を、神の意志によるとした。③秩序をもたらす。神・宗教の戒律(人を殺してはいけない。他人の物を盗んではいけない。など)は現在の法律のように扱われ、民衆をまとめた。
宗教の4形態 ①精霊信仰 霊を崇敬する宗教。自然の精霊、祖霊など。②多神教 神は霊より上位の存在。信仰することで人々に恩恵をもたらす。神は複数いる。③一神教 エジプト新王国のアメンホテプ4世と神アメンを信仰する神官との軋轢から、王は神官の多神教を禁じ、アトン神のみを信仰する世界初の一神教にした。アメンホテプ4世とモーゼの活躍時期が同じことから、アトン神はユダヤ教の唯一神ヤハウェと同じとする考えがある。④神や霊への信仰がない宗教 先駆者の教えを受け継ぐ宗教。仏教のブッタ、禅、儒教の孔子など、自己研鑽・勉強を重ねて真理を体得する宗教。