公家の文化と武士の文化

公家の文化と武士の文化

(専修大教授 山田健太)

「うわべだけを大切にする行動様式」京都人がいけず(意地悪)と言われる理由だ。ストレートな感情表現ではなく婉曲的な表現で、相手の立場を傷つけずに、無用な争いを避ける知恵である。恰好をつける関係性を保つためである。敵味方をはっきりさせるのではない、本音を抑えて建前を大切にする「うわべの付き合い」が世渡りの基本になる。

一方、武士の文化は、行動の文化である。武士は無口で実直、誠実、うそはつかない、不言実行、武士に二言はない文化、責任は金ではなく、命であがなう文化、終生をかける文化である。だから、意思を表す場面で多く無言になる。

立場により人間の行動様式は変わっている。