国際平和の5要件
(日本はこの先どうなるのか 高橋洋一)
アメリカの国際関係論において、ラセットとオニール教授の国際平和の5要件がある。戦争リスクが減少する分析である。( )内はリスク減少%である。
①強国と同盟関係を持つ(40%)②防衛力(相対的な軍事力)(36%)③民主主義(33%)④経済的依存関係(43%)⑤国際的組織への加盟(24%)
この要件で、日本が戦後77年平和であったこと、戦前アメリカとの戦争に突入してしまったことが、分析できる。
1.戦後日本の平和 ①アメリカと日米安保条約締結②東西冷戦時で勢力均衡が平和をもたらした③民主主義国で戦争を回避する世論が強い④貿易立国であった⑤国際連合、IMF、WTOなど加盟、平和理論を実践してきた。
2.戦前日本のアメリカとの戦争突入 ①最強国家でない日独伊三国同盟②軍事力は強力であったが、工業生産高がメリカの10分の1であった③立憲君主制の民主主義で程度が低い④当時の日本の最大貿易相手国はアメリカだった。⑤国際連盟を脱退 の状態であった。国際平和の要件で①相対的な軍事力②経済的依存関係のみあるだけで、国際平和の5要件のバランスが大きく崩れていたため、日本はアメリカとの戦争に突入してしまったのである。
3.現代の中国を見ると、①最強国家でないロシアとの弱い同盟②軍事力は強力であるが、半導体などの先端技術が弱い③共産党独裁国家④アメリカ、日本の最大の貿易相手国と対立⑤国際連合に加盟しているが、アメリカ、欧州と対立している。
4.現在のロシアは、①中国との弱い同盟②軍事力は強力だが、EUと対立③プーチンと旧KGBの独走④アメリカ、日本、EUと経済分離⑤国際連合に加盟しているが、アメリカ、欧州と対立している。