400万円未満45%、100均資本主義
(中日新聞)
2020年日本国民の所得額は400万円未満の世帯が45%、1000万円未満40%、1000万円以上10%。25年前1995年所得中央値550万円から440万円へ2割減。中間層が貧しくなっている。日本の社会保障制度は救貧と防貧である。防貧は年金、医療、介護、雇用、労災などの社会保険である。高齢、失業、傷病などの費用を社会全体で分担する仕組みである。年金は04年に、保険料を一定の所で固定し、この財源で支払う。必要な額ではなく、払える額に変わった。少子化に伴う人口減少と経済停滞が原因である。
コロナがとどめとなって、マイナス成長になった新自由主義に対して、給料が上がらない中、生活を豊かにしたいニーズに応えた100均新資本主義が、日本人の生活様式を変えている。他人に頼るのではなく、自分の頭で考えて満足できる生活を目指す。人は人、自分は自分という考え方で、多様性を受け入れる。何でもありで知恵と工夫を武器に生活してゆく。そんな100均資本主義が、新自由主義に代わる新しい資本主義になってきた。
考えてみれば、土地も資源も技術もない日本が、そう世界的に豊かであるはずがない。戦前は日清戦争の巨額な賠償金で戦争の味をしめ、満州進出まで行ってしまった。戦後は冷戦体制で、1980年代のバブルまで行った。世界市場競争になれば、現状がいい所かもしれない。昔の貧しい日本の面が出るのも、必然かもしれない。