戦略なき対米従属から脱却せよ
(パンとサーカス 島田雅彦)
安倍晋三元首相の銃撃事件が起きた。政権の腐敗が進み、一方で貧困・格差が拡大し、社会不満・不安が広がってきた。山上容疑者は右翼的な考えの持ち主であった。日本では、戦前、愛国右翼が売国右翼を討つという形で行なわれてきた。ただ、今の右翼は利権が第1であるが。政権与党が最大の反日組織・旧統一教会と癒着していたことは、大きな裏切りであった。戦後エリート層は反共思想と対米従属であった。しかし、かっては戦略があり、日本国憲法を盾に、完全従属しなくてすんできた。しかし、今は法外な戦費負担、人的貢献など、米国本位の要求を拒否出来なくなってきた。ロシアのウクライナ侵攻で分かったことは、米国は親米国に武器は提供してくれるが、部隊を展開しなくなったということである。仮に台湾有事になっても、米国は正面から中国と戦うことは避け、日本に代理戦争をさせるように仕向けるだろう。攻撃の口実を与えないためにも、憲法の原則に立ち返るしか、戦争回避の方法はない。