政府、民間、個人経済体の理想形
(消費税は下げられる 森永拓郎)
1.政府は国の必要資金を調達するため、政府紙幣を発行するか、国債を発行し日銀引き受けにするか(国債を日銀が買い取る方式も)の2方式でお金を調達する。通貨発行益として、政府の手元に入る。太平洋戦争の時は、GDPの8倍(今でいうと、500兆円×8=4000兆円)の戦時国債を出し、敗戦したので、無価値になり、ハイパーインフレで消滅した。現在は、1200兆円の国債を出しているが、700兆円を日銀が買い保有している。自国通貨建ての国債は破綻しないこともあり、日本国の財政は、1990年のバブル崩壊処理対応に国債大量発行の借金を処理し終えた。今後は、変動相場制の中で、物価目標(2%くらい)を掲げ、上限を設けて国債を発行することになろう。
2.民間銀行も信用創造で、お金を作り出せる。過去、1929年の米国株式世界大恐慌や、1990年日本不動産バブル崩壊や、10年に1回程度起きているリーマンショック級景気崩壊は、民間銀行の異常なバブル形成によるものである。政府財政よりも民間金融機関の取り締まりの方が、より現実的な課題になる。恐慌破綻が起きたら、政府はヘリコプターマネーで、国債でお金を出して、世の中にばらまき、処理するしかない。
3.個人経済体の理想形は、政府や民間金融機関とは違う。入るを計って、出ずるを制す。現金(定期月収、キャッシュ、貯金)と資産(住居、車、家電)を確保することだ。収入が最大に重要だ。この体制さえ出来れば、安楽に生活が送れる。無借金経営が理想になる。