第2産業革命ー頭脳労働の支援
(V字回復する世界経済 武者陵司)
第1次産業革命は、今から200年前(1800年)に蒸気機関などの発明によって、動力が普及し、人間の筋肉労働が機械に置き換えられた時代である。
現在(2000年)、第2次産業革命ー人間の頭脳を、機械が代替・支援する時代に入った。コンピュータやスマホなどを使い人工知能AI・ロボット・ICTなど色々な機械システムが人間の頭脳労働を代替しつつある。翻訳・経済予測・検査・自動運転・経理処理・販売予測などなど。
新しい分野の仕事は、我々を成功に導く。マイクロソフト、アップル、グーグル、アマゾンなど新価値創造力の高い会社が創業され、まったく新しいビジネスだ。また、インターネットを介した無限情報空間が、ビジネス・生活の発展に寄与している。電子商取引は便宜とコスト削減を可能にした。これらの分野の仕事に就くことは大成功の秘訣だ。
この他に、機械が人間の筋肉労働と頭脳労働を代替すると、人間は新しい仕事を見つける。それは、人生を楽しむ分野の仕事である。衣食住情報技術エンターテインメント芸術スポーツ宗教健康長寿の楽しみをサポートする新仕事だ。これからは、このような仕事の創造・起業が望まれる。ただし、100年に1度のコロナウイルス・パンデミックが起きた。人的交流遮断が長く続き、グローバル規模で経済社会活動が急速に収縮している。特に、エンターテインメント、外食、旅行といった、人的な接触を必要とする産業は壊滅状態になった。敵がウイルスという自然物であるため、解決はワクチンの開発か、自然感染により全ての人が免疫を獲得しないとダメで、長期の時間がかかるリスクがある。食事健康長寿といった最低限の生活が長引き、長期不況のリスクを考慮しなくてはならない。
日本の第2次産業革命での起業創業者
①リクルート(就職情報)の江副浩正
現在、総合情報産業で株式時価総額7兆円、国内10位である。彼は1956年、東京大学新聞でアルバイトを始めた。1960年池田勇人内閣の所得倍増計画が閣議決定。「大学新聞広告社」を創業。各大学に求人広告を載せる会社を作った。正に、情報はお金の元・勝負の軍師である。初期のダイエー中内功、トヨタグループなど顧客を開拓した。情報をお金に変える企業を次々創業。1969年リクルートブックに誌名変更。1971年現リクルートミュニケーションズ設立。1974年リクルートコスモス設立。1975年中途採用の就職情報創刊。1976年住宅情報創刊。1979年トラバーユ創刊。アルバイト情報誌フロムエー創刊。1987年リクルートは米株式ネット売買システムの独占販売権を得た。カウンターパートはジェフ・ベソス(後のアマゾン創業者)、1989年平成元年リクルート事件で逮捕。江副は物でない情報を初めて金と認め、金をつくり出した人物だ。
②ソフトバンク(インターネット)の孫正義
1973年高校中退し渡米し語学学校入学、77年カリフォルニア大学バークレー校入学、78年自動翻訳機を共同開発。シャープと2000万円で契約。1981年日本ソフトバンクを設立。1996年Yahoo!Japan設立。2006年ボーダフォン買収、携帯事業に参入、08年米アップルのiPhoneを独占販売。2015年インターネット会社に加え、先端IT企業に投資する投資会社のソフトバンクグループ㈱設立。資本金2300億円、売上高5兆円、従業員8万人