戦前の日本人

戦前の日本人

(日本人が知らない日本人 伊勢雅臣)

 1.建国記念の日2月11日

日本書紀に、紀元前660年2月11日に、初代天皇神武天皇が橿原に都を作る時、建国の抱負を述べられた。「謹んで皇位につき、人民が安寧に暮らせるようにつとめる。国家をまとめて、都をつくり、天地四方の人々が、八紘(あめのした)に住む者すべてが、一つの宇(いえ)で仲良く暮らせるのは、素晴らしいことではないか」人民を大御宝とし、その安寧を国家の目的としたのだ。日本人は、誠実さと努力と仲の良さで、社会と家庭を古代から運営してきた。この大和の理想は江戸時代には、相当部分実現されていた。

2.1850年黒船から1905年日露戦争勝利までの55年間ー近代化により世界5大国へ

1853年米国ペリーの黒舟が来て、日本はこの時代の近代世界システム(植民地主義と白人至上人種差別主義)に立ち向かうことになった。1841年中国香港はイギリスの植民地になっていた。1868年明治維新で、日本は近代化に急進した。不平等条約などあったが、日清、日露戦争に勝利して、不平等条約を解消した。1895年台湾割譲、1910年日韓併合、大日本帝国は世界の5大国になった。

3.1910年から1945年(太平洋戦争敗戦)までの35年間ー大成功の慢心により欧米に敗戦

大日本帝国憲法の権限のあいまいさにより、大成功の慢心により、軍部が自組織拡大に走るようになった。1931年満州事変が起き、1932年満州国建国。1937年日中戦争が起き、膠着状態になる。3国同盟などを経て、1941年12月太平洋戦争に突入。石油確保のため、東南アジア(42年インドネシア、マレーシア、ビルマなど)からオランダ、イギリス、フランスを追い払った。1945年長崎、広島の原爆もあり、8月無条件降伏した。有色人種のユダヤ人はアウシュヴィッツ虐殺、日本人は原爆被爆を受けた。一方、日本の戦いに勇気を得て、第2次大戦後、欧米の植民地であった東南アジアの国々を始め植民地各国は、植民地主義と白人至上人種差別主義を否定し、独立国になった。