高速道路料金の定額化をやるべきだ
(地域格差の正体 栗岡完爾)
この本はすごい。正直に現実の事態を分析している。3年に及ぶコロナ禍による不況・財政悪化の、強烈な対応策を示している。
高速道路は鉄道と違い、道しかコストがかからず、距離が伸びても、金はそうかからない。道路は世界中、無料が原則である。日本は高速道路料金がべらぼうに高く、その結果、英独の半分くらいしか利用されてない。料金をどこまで行っても800円定額制(現在でも平均800円位しか利用されてない)にすれば、利用者は現在の倍になる。すると、現在、疲弊している地域が活性化される。物流のコストが安くなり、地方に企業が立地でき、就職先ができる。東北から農産物を運ぶより中国から輸入した方が安いという矛盾は起こらない。日本人は旅行が世界一好きだ。日本人がドイツ人並みに国内旅行したら、年間GDPが80兆円も増える。インバウンド時代は過ぎた。コロナ不況を脱出するには、高速道路定額化による、物流費の低減、国内旅行の増大しか具体策はない。現状のままだと、コロナ対応に莫大な財政資金を使い、しかも、具体的な活性化策はなく、深刻化する財政悪化を見ているだけだ。
この考え方が重要だ。既存の利益団体に遠慮し、現状の改善変更をしない政治家や国家行政公務員が、日本経済の停滞をまねき、2020年1人当たりGDPが世界24位と、発展途上国並みにしてきた。断じて先進国ではない。幕末、明治維新のときのように、思い切った合理性を追求しないと、日本は経済悪化による少子化により、亡国になる。