株式投資はギャンブルである

(株で金持ちになる方法 橘玲)

①株式投資はギャンブルである

将棋はギャンブルではないが、宝くじはギャンブルである。宝くじの当たる確率は50%(胴元の取り分が50%)であるから。株式投資でプロが運営するアクティブファンドは、株式指数のインデックスファンドより配当が低い。プロが分析しても、勝てないのが株式投資である。トレーディングを続けると、負ける確率の方が高くなる。

②株式投資のメリットは、銀行金利より高い配当金と上昇相場の時の値上がり益が期待できることである。

③暴落こそが投資の最大のチャンスである。実力株が安く買えるから。

④株式投資は上昇相場でやり、個人投資家は下降相場では休むべきである(プロはファンドのため、休めない)。個人投資家がプロのファンドマネージャーより有利な条件は、下降相場で休めることと、引かれ玉になっても半年以上長く持ち続けることができることである。

⑤株は世につれ、時につれ

株式は1~2年で見直す必要がある(時には1~2か月も有り得るが)。時代の流れで、儲けている業種が変わることがあるから。また、同じ業種でも儲かる企業と儲からない企業に分かれることがあるから。

⑥株式投資は個別株投資(リスク大、リターン大)と、平均株価に連動するインデックス投資(リスク小、リターン小)がある。バフェット流の個別株式のファンダメンタル(本質価値)を見て、値上がりを待つほうが儲けは大きい。

 

⑦去年は上昇相場であったが、今年2021年はBOX圏相場になりそうである。年初の日経平均は27,200円であった。「プレジデント」の今年の相場予測は27,000円。世界銀行の今年の日本の成長率予測は2.5%(昨年は▲5%)である。上値は限定的である。グロース(成長)株とバリュー(割安)株の繰り返し、ゼロサムゲームになりそうだ。孫子の勝算なきは戦うなかれで、今年は株式に入れ込む必要はない。しかし、債券は国債金利0.05%、銀行金利0.001%であり、一方、東証1部平均配当率は2.6%であるので、今年の株式は配当狙いで保持することになりそうである。

 

個人がお金を得る方法

1.親から相続する

①会社 豊田家のトヨタ自動車㈱など

②相続資本 現金、株式・債券、不動産

2.お金を自分で獲得する

1)自分で働いてお金を得る

①教育で資格を取る(医者、弁護士、1流大学卒で1流企業に入社など)

②会社設立し事業経営

2)金融資産、不動産に稼いでもらう

①金融商品は債券と株式しかない、配当利子収入

②不動産賃貸し業 借家、駐車場など

3)お金の貯蓄方法

①銀行の普通預金、定期預金で現金貯蓄・決済業務をする

②株式、債券、不動産の形で資産を残す

③年金(厚生年金、国民年金、企業年金、個人年金)で老後生活費を準備する

④保険(国民健康保険、介護保険、火災保険、生命保険、自動車保険など)で事故に備える

 

 

バイデン・トリプルブルー

米国政治はバイデン大統領、上下議会とも民主党が議決多数派を占めるトリプル・ブルー(民主党カラー)になりそうだ。100日間3か月は、大型財政政策で景気回復・リフレ(適度なインフレ)を狙う。新大統領ご祝儀相場で、過去8割以上が株価を上げている。ダウも400ドルの大幅高になった。金利上昇で米財務証券利率は1%になった。財政悪化で、104円のドル安になっている。日経平均は1月8日、1990年バブル時以来、30年ぶりに終値で28000円を回復した。電気、銀行のバリュー株が上がった。

一方、バイデン大統領は増税を公約した。①法人税21%→28%②法人ミニマム税実施③ハイテク国際企業の海外増税である。長期的にはインフレ、金利上昇、ドル安円高、企業増税は、株式市場に逆風である。

 

紙幣無限印刷対策はリアルアセットしかない

(お金の流れで読む日本と世界の未来 ジム・ロジャーズ)

通貨混乱やインフレから身を守るには、リアルアセット(実物資産)を持つしか方法はない。ドイツでは、第1次大戦後、ひどいインフレが起きた。その時生き残ったのは、不動産や株に投資をしていた人だった。それは時代が変わっても同じことである。

ここ10年でお金の流れはずいぶんと変わった。日銀は無制限に紙幣を印刷すると言った。金融緩和が進めばリアルアセットに資金が流れ込む。これは、歴史を通して変わらぬ真実だ。いまは世界的に見て、金融セクターから、実際にモノを作り出す産業へのシフトが起きている。世界中が紙幣を刷りに刷っているいまこそ、リアルアセットを持つべきである。

 

老人が病気にならない食べ方・生き方

(50歳からの病気にならない食べ方・生き方 石原結實)

1.免疫力(白血球)を高める→腹八分と高体温

免疫力とは病気を免れる力をいい、血液の中で自由に動き回っている白血球の力である。白血球は血液の中に栄養素があるときは、それを食べる。一方、空腹で栄養素が少ない時は、ばい菌やがん細胞を食べる。白血球は暖かいところでは活発化する。体が温まると免疫力が上がる。野生の動物は、病気やけがをすると①熱を出す②エサを食べない、で何万年も治してきた。病気を防ぐ治す方法は①食べ過ぎない=腹八分目②体を温める=ウオーキングをして、下半身に発熱機関の筋肉をつけるの2点に集約される。

2.老人の食べ方=腹八分目

歯の形に合った食事にする。人間の歯は①前歯8本25%=野菜果実用②犬歯4本15%=肉用③臼歯20本60%=穀物用。このとうりの比率で食べるのが、健康に良い。そして、白血球を活性化し免疫力を増すように、腹八分目がいい。十分食べると、血液が胃腸に集まり、脳や体の血流が少なくなり、眠気の襲われ、体がだるくなる。塩は体を温め、水分は体を冷やす。適量がいい。人間の体は、冷えすぎると水分を捨て、体を温める。寝冷え→下痢、かぜ→鼻水、夜間冷える→頻尿。

3.老人の生き方→ウオーキングで下半身の筋肉をつけ、血流・白血球を増し、免疫力を強化する

筋肉こそ健康の源、老化は下半身の衰えから始まる。筋肉は体重の45%、全筋肉の70%以上が下半身(でん部尻筋、太もも筋肉)にある。熱の40%が筋肉から発生している。筋肉は人体最大の発熱機関。体温が1℃下がると、免疫力は30%低下する。体重を支えていた足、腰、尻の筋肉が、支えきれなくなると、腰痛や膝関節症になる。下半身の筋肉量低下は、下半身の血流低下。膀胱、陰茎、前立腺への血流が少なくなり、血液不足、白血球不足で、病気が発生する。老人になると、下半身の血液は行き場がなくなり、上半身に移動して、脳に溢れ、脳梗塞になる。高血圧も心筋梗塞もそうだ。下半身の筋肉が少ないと、筋肉が十分に糖を消化できず、高血糖状態を招き、糖尿病になる。下半身の筋肉を強化するには、ウオーキングが一番手軽でいい。歩く平均スピードは1分間80m。これより遅いと転倒の確率が4倍になる。下半身筋肉を動かさずして、老人の健康なし。

 

複式簿記は利益計算のために出来た

(会計のルールはこの3つしかない 石川淳一、松本武洋)

大航海時代、1回こっきりで、現金精算の航海事業の利益は、単式簿記(収入<売上>-費用<出資金、仕入れ、給与、家賃>=収益<利益>)で計算できた。そして、出資者と航海者は利益を分割できた。うまくいくようになり、毎年航海事業をするようになった時、数年にわたる費用(船、車、建物、現預金)が出るようになると、毎年の利益を確定し、分配するために、いずれ費用で出るが、目に見える形のある、有形資産(費用)の貸借対照表(B/S)が発生した。船を大金で購入して1年で償却したら赤字になる。6年使えるものとして、6分割して減価償却すれば、1年の利益が正確に出る。シートの真ん中で線を引き、左側にいずれ費用で出ていく有形の資産(船、車、建物、現預金)を書き、右側にいずれ返金しなければいけない証書等で有形なお金(負債・借入金と純資産=資本金と利益)、この左右は同金額であるので、バランスシート(B/S)という。そのとき目に見える物の残高を集計したものである。一方、損益計算書(P/L、プロフィットロス)は収益ー費用=利益で、過去1年の形のないバーチャルのお金の流れ(売上ー販売費・一般管理費=損失)の計算書である。

 

小豆あんこの歴史

(あんこの本 姜・かん 尚美)

鎌倉時代、宋の禅僧が伝えた点心(羊羹と饅頭)がルーツ。1日2食時代のおやつ感覚。宋では肉を餡としたものであったが、肉食禁止の禅宗の手前、小豆・あずき(日本では6000年前の縄文時代から栽培されていた)などを使って作った。砂糖入りの甘いあんこは、江戸時代、徳川吉宗が砂糖の国産化を進め、甘いあんこが庶民に普及した。吉宗は安倍川餅が好きだった。以後、色々なあんこの菓子技術が開発された。(関東用語を使用)粒あん、こしあん。上生菓子用に練り切り=こしあん+餅+砂糖を蒸さずに練る。しるこ=粒あんの汁気あり。ぼた餅(春分)、おはぎ(秋分)。その他色々なお菓子=練り羊羹、まんじゅう、大福もち、もなか、どらやき、きんつば、桜餅、柏餅、あんころ餅等。

作家もあんこが好きだった。夏目漱石は練り羊羹。向田邦子は水羊羹。芥川龍之介は下戸だったので、近くのしるこ屋がなくなったとき嘆いた。また、老人があんこが好きなのは訳がある。脂肪分解能力が低下するので、エネルギー即効性のある炭水化物・小豆のデンプンと砂糖=あんこ菓子を求める。小豆の栄養が老化防止に役立つ。ポリヘノール、食物繊維が多い。脳は体の20%のエネルギーを消費するが、ブドウ糖のみで対応する。ブドウ糖を作るデンプン・砂糖の燃焼を助けるビタミンB1が多いので、老人の脳によい。利尿作用のサポニンが多い。色々と老化防止に役立つ。

 

新型コロナは公衆衛生と経済のバランスが難しい

昨年2020年からの新型コロナウイルス・パンデミックは、超経済損失を世界に与えている。2020年は7300万人感染し160万人(2%)死亡した。100年前の1918年のスペイン風邪が、前例教訓となる。1918年8月から1920年7月まで3年間流行した。鳥由来のA型インフルエンザであった。世界人口の3分の1、5億人が感染し、約3000万人(6%)が死亡した。特徴は老人ばかりでなく、25歳~34歳の若者の死亡が多かった。類似のインフルエンザ免疫が無かったためとも、言われている。アメリカのスペイン風邪の経験は、公衆衛生的介入が有効であったと分かった事だ。①検疫②隔離③学校閉鎖④集会禁止⑤うがい手洗いの個人消毒を徹底的にやった州は、患者と死者の数が半数であった。要するに集会禁止の徹底をすれば、患者と死者は半減するという事だ。新型コロナの昨年の死者は160万人ではなく、80万人で済んだという事だ。しかし、集会禁止の公衆衛生を徹底すると、健康危機は半減するが、経済危機、食料危機、住宅危機、政治危機を引き起こす。昨年の日本の自殺者数は21000人、前年より1000人位増えた。今年は更に増加する予想だ。一方、ビル・ゲイツは100年前と比べて、医学が急速に発展し、免疫ワクチン接種が今年半ば以降、世界に普及し、パンデミックは2年位で終息すると言っている。ウイルス疫病は、人から人へうつる病気であり、集会禁止と経済確保の難しいバランスを取る必要がある世界流行病である。

 

中国海洋進出と日本東シナ海国防

(中日新聞記事)

1.2021年(令和3年)1月20日、米国民主党バイデン大統領が就任した。新政権の中国海洋進出への対応策が、明らかになりつつある。日本政府は軍拡・海洋進出を進める中国に対して、日米同盟で対抗するのが、外交・安全保障の基本としている。昨年11月のバイデン・菅首相の電話協議で、沖縄県・尖閣諸島が日米安全保障上、米国の防衛義務対象であることを確認している。

2.1月22日、中国全人代・常務委員会は、中国が一方的に領有権を主張する東シナ海、南シナ海で、同国海上警備局公船は武器使用および外国船舶の強制検査が可能との海上警備法を成立させた。中国海上警備局の1000t以上の船は130艘で、日本の海上保安庁の66艘の2倍保有している。実効支配の動きを強化している。

3.米上院は22日、黒人初のオースティン国防長官を承認した。「アジアが焦点。中国はわれわれの最も重要な挑戦だ。資源を集中し、中国や他の侵略者を抑止し続ける」と強調している。

4.バイデン米政権は23日、中国の軍事圧力に対し、台湾との関係を強化し深めることを明言した。米国務省は、中国が台湾に軍事、外交、経済で圧力を続けていると非難した。インド太平洋地域の平和と安全のため、台湾の自衛能力維持を支援すると強調した。

5.24日、岸信夫防衛相はロイド・オースティン国防長官と電話会談した。「沖縄県・尖閣諸島は米国による防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象だ」と確認した。「力を背景とした一方的な現状変更の試みに反対する。法の支配に基ずく自由で開かれた海洋秩序が重要である」も確認した。

6.陸上自衛隊と米海兵隊が、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、陸自の離島防衛部隊「水陸機動団=現状2400人態勢・23年度3連隊のうちの1つ」を常駐させることで、2015年に合意していたことが日米関係者の証言で分かった。日米両政府は1996年、沖縄県宜野湾ぎのわん市の米軍普天間飛行場を日本に返還するとで合意している。

 

株式投資の出口戦略を考えよ

(YouTube 上岡正明)

現在の株式相場は完全にバブルである。昔のジュリアナ東京のダンスパーティの状態だ。3段階下げた低位株が爆上げしている。日産がEVを材料に3か月で300円から500円に、ENEOSが石油価格上昇と高配当を材料に半月で360円が430円に、JUKIが悪材料の出尽くしで1日で10%上昇などあらゆる低位株が上げてきた。株雑誌は3万円相場を予測して売り出している。ラストダンスの予兆で、バブルの出口が近づいている。「バブルは、はじけて初めて、バブルと分かる グリーンスパンFRB議長」。ダンス音楽は鳴っていても、いつダンスを止めるか、考える時期が来た。登り100日、下げ10日、株価は元の古巣に帰る。

バブル出口戦略の考え方は、鉄則1.早く乗って、早く降りる 鉄則2.他人が儲かっている間に、踊ることから、勇気をもって降りる、である。出口戦略の時期は、バイデン大統領が200兆円を投入する3月半ばまでの期間の2月、3月調整が1つある。出口時期を3パターン位に準備する必要がある。コロナのワクチン接種開始の6月頃もある。9月には衆院選挙もある。

 

東京オリンピックは開催される

(YouTube 高橋洋一チャンネル)

東京オリンピックは開催される。ただし、ミニマムラインは、無観客でテレビ放送のみ。IOCの立場からやらないという選択肢はない。IOCは4年に1ぺんのオリンピック収入で食っている。収入は、テレビ放映と観客入場料である。7月下旬の開催で、選手がワクチンを打てばよい。集団免疫は、人口の6割が抗体を持てばいい。3,4月に「入場制限して、無観客以上(無観客又は入場制限して)でやります」という。今も無観客で国内大会をやっている。マスコミも報道している。オリンピックをやらないという手はない。テレビ局は放映した方がよいに決まっている。WHOはオリンピックをやる団体ではない。現在は不安感情を煽るアオリがないと、マスコミは視聴率を稼げない。大変だ大変だと騒ぐものがないと、やっていけない状況になっている。

 

高速仕事術ー株式投資家

(高速仕事術 上岡正明)

1.上岡正明は高速で仕事をすることで、現代のスピードにマッチし、多様な分野で成功を収めている。①富裕者=一生食うのに困らない現金、株、不動産、会社を保有②PR販促支援コンサルティング会社経営③株式投資家④不動産投資家⑤ユーテューバー⑥学歴MBA取得大学講師など40歳強で、その道のプロになっている。私は①一生食うのに困らない②有限会社運営③学歴などは確保しているが、株式投資家、不動産投資家にはなっていない。とりあえず、高速仕事術で株式投資家のプロになることを目指したい。

2.脳科学によると、何歳になっても、チャレンジすることで、その分野の脳細胞が増加することが、証明された。3日、3か月、3年間、仕事を高速で回すことで、短期間でプロになれるという。現代は10年とか言っていてはだめだ。トライ&エラー改善でプロのアウトプットが出せるようになる。現代のトレンドについて行ける。①output(すぐやる)②成功失敗の結果出る→inputする③改善するのサイクルを早く回す。

3.高速回転がいい理由 サイコロで1を出す確率は6分の1、6回振れば1が出る可能性大。だから、高速で仕事をこなしてゆくことが、成功の秘訣になる。ビジネスには、運などない。

4.アウトプットは3つの選択肢に絞って即実行する。直観アイデア、論理アイデア、逆張りアイデア。やる、やめる、休止待機する。選択肢が多いと決められない、遅くなる。

5.たくさんではなく、ひとつの目標に行動を集約して達成する。3日でその道を名乗り、3か月でキャリアになり、3年でプロになる。フォーカス力である。1日の内、人間が集中できる時間は、90分が3回程度である。90分3回セット仕事術が有効である。

6.伝える技術、話し方。話し方は単なる技術で、才能は必要ない。人に伝えたければ「結論から話す構成技術」に尽きる。会話・プレゼンの唯一の技術。1.①(ポイント)結論②(メリット)相手のメリットをいう③(リーズン)理由④(エグザンプル)具体例⑤(ポイント)結論の繰り返しで絞める。この構成のみで、他はやらなくていい。2.人のこころを動かすには、「パッション」を伝えることである。

 

中国共産主義居直りの波紋

(YouTube 高橋洋一)

 中国習近平主席が、自国の国家形態は共産主義であるとハッキリ打ち出してきた。チベット、ウイグル、香港、南シナ海・東シナ海領海、アリババ自由締め付けなどである。自由主義国は、中国の自由化への移行を期待してきたが、習近平主席はハッキリと否定し、共産主義の堅持を主張して居直った。自由主義国はこれから中国と距離を置く冷戦対応をせざるを得なくなるだろう。

共産主義とは何か?①生産手段は国が持つ。私有は許さない。(資本主義は生産手段は私有財産=土地、会社、株式は個人が持つ)②共産主義は人民独裁で選挙がない、習近平は永世皇帝になってしまう、権力と金が集中して腐敗が進む。③経済活動の自由がない、個人の自由がない、私有財産がなく民主主義がない。言論の自由がない、不自由な体制である。

中国へ進出した日本企業は、年間の稼ぎは出来ても、投下資本・生産手段・工場土地・株式のオ-ナーではなく、企業の売却市場がなく、資本規制があり、国営株式市場で株式は売れない。年間5%の利益があっても、回収に20年かかる。共産国に投資はいけないは、常識である。

経団連、日経新聞などが、中国はいい国とフォローしてきたが、いまや中国進出は巨大なリスクになってきた。大企業はサラリーマンが多く、先輩が着手した中国事業をそのまま続けている。自分が役員の時代に業績が上がればよいと考えている。中小企業のオーナー社長は中国の会社では、金は出してもオーナーになれないと知り慎重姿勢である。2020年昨年の補正予算で、日本に帰ってきたら、補助金を出すことにした。

 

節分、立春、初午

節分は2月2、3、4日位、立春は2月3、4、5日位、初午(はつうま)は2月の最初の午(うま)の日である。節分は旧暦の大晦日、24節気の立春は春の始まり、1年の始まりの日(旧暦の1月1日は朔つまり新月の日になるように調整されているので異なることが多い。また、日本の気象庁では3-5月が春、6-8月が夏、9-11月が秋、12-2月が冬としている)、初午は穀物・田の神様が稲荷山に降臨した午の日にちなみ、稲荷神社の祭日。今年2021年は、節分2月2日、立春2月3日、初午は2月3日で立春と重なる。

節分は平安時代から年越しの魔除けとして、ヒイラギの尖った葉といわしの臭いは鬼が嫌がるので、門口に飾った。「鬼は外、福は内」である。今は節分いわし丸干しを食べて無病息災を願っている。あと、鬼払い豆まきもある。福は内では、1930年頃から大阪鮓商組合が販促目的で、「節分の日に、恵方に願い事を思い、無言で福巻きずしを、丸かじりする」恵方巻を売り出した。2000年頃からコンビニが恵方巻の大キャンペーンをし、全国に広まった。恵方とは歳徳人・年神様の存する方位を恵方という。陰陽道では、年神様の存する方位(恵方)は東西南北と移動する。今年2021年は南である。

立春は24節気の1年の始まりの日で、新年の生命力や幸運を与える年神様にお祈りをする。立春大福やよもぎ(うぐいす)餅等の生菓子を食べて幸福を祈願する習慣がある。

初午・稲荷神社の祭日は、新年の豊作・商売繁盛を願う祭りである。稲荷神のお使いはキツネとなっている。これは、田の神様は稲刈りが終わると、山に登って山の神になり、春になると山から下りて、田の神になると考えられてきた。キツネは山から下り、田んぼのネズミを食べ、秋になると山に帰ることから、稲荷神の使いであると考えられた。像として神社の入り口に置かれ、口に米蔵の鍵や稲穂、巻物、玉等をくわえている。キツネの好物はネズミであるが、殺生はタブーとされたので、大豆からできた油揚げを備えるようになった。やがて、油揚げに稲荷神のおかげでもたらされた米(酢飯)を詰めて、稲荷ずしとして、お供えし、いただくようになった。

 

株価下降トレンドのきっかけ

(プレジデント 2021年2月12日号)

プレジデントの2月12日号は「コロナ後の爆上げに備えよ」というキャッチであった。しかし、中の記事には、株価下降トレンドのキッカケの記事が多くあった。

1.竹中平蔵

①今、日銀と政府は、新型コロナ経済危機対応で、大幅な金融緩和、財政出動を行なって、株価は資産バブルになっている。ワクチンにより、感染状況が落ち着いてくれば、政策変更を段階的に行う。株価は下降トレンドになる。

②バイデン政権になって、中国が台湾に武力を含む干渉をすると、株価に強い影響が及ぶ。

③今年は、企業の過剰債務と金融機関の不良債権が露呈する。かっての産業再生機構のような組織が必要になる。

④現在のインフルエンザ特別措置法では、政府は経済社会をコントロールする強い権限はない。宣言によって感染者数を減少させることは難しい。

2.猫組長 コロナを収めるには、中国、ベトナム、シンガポールのような暴力的な規制が必要である。コロナ軽視派は根本的に間違っている。

3.渡瀬裕哉(ワシントン在住アドバイザー)減税、規制廃止、米軍再建に反対のバイデン政権は、来年2022年中間選挙がターニングポイント。今年はいつ株式市場から撤退するかが勝敗の分かれ目。

4.今年のトレンド 

①村上世彰 会社四季報で割安株、高配当株を見つける。東京都心の不動産は安い。

②竹中平蔵 デジタル(DXデジタル変化、リモートワーク、5G6G、キャッシュレス)、再生可能エネルギー(風力、水素)、EV(電気自動車)

5.魔法のカレンダー リート、投資法人の個別決算で夢の毎月配当。ローリスクで年利5%ゲット。

 

3万円超え後の株取引

(YouTube 上岡正明)

2月15日、日経株価が30年ぶり(1990年)に3万円を超えた。NYダウも31000ドル超え。FRB、ECB、日銀の世界3極銀行が、コロナ克服で金融緩和策を取っている。日経株価は5-6合目まで来ている。3万2-3000円(1割アップ)位までか。その後BOX相場か。大統領選後1年は株価は堅調。米国マネーサプライは200兆ドル追加される。これから、循環相場×テーマ株の波が起こる。これからの実施事項は、①審美眼を磨き勉強する②ほったらかしは技術向上ゼロ③節約して種銭を準備するである。

 

和して同ぜず。共生文明の日本

(世界をあっと言わせた日本人 黄文雄)

サムエル・ハンチントンは、「文明の衝突」で、世界8大文明を言っています。西欧、東欧正教、ラテンアメリカ、ヒンズー民族階級、アフリカ、イスラム、中華、日本です。中華は華夷の別があり、夷は華の同化の対象になる。孫文も清帝国の遺産を継承するため、五族共和=満、蒙、漢、回(ウイグル)、蔵(チベット)の大中華主義に転向した。しかし、これは、少数民族の中華への同化政策に他ならなかった。

日本は聖徳太子の「和を以て貴しとなす」をはじめ、民族の呼称も「大和」です。その思想は共生です。和の思想は山紫水明の日本の風土から生まれたものです。それは、絶対的イデオロギーへの同化より、多面的な価値を許す共存共栄を願う精神です。1個人の思いやりが和の社会を作り、さらに外来の思想や文化をも受け入れる、神仏習合に象徴される共生の文明を作り出したのです。

 

国際社会の一員が日本の道

(これまでの百年これからの百年 長谷川慶太郎)

これまでの百年は、江戸末期、明治の近代文明を吸収し「国際社会の一員」を目指した日露戦争までと、アジアに植民地拡大を求め孤立化した軍国国粋主義の第2次世界大戦敗戦までと、敗戦後高度成長1990年バブル頂点までと、ソ連崩壊後グローバル時代での低成長時代までの4区間に分かれる。百年間の現在の日本の遺産は、敗戦による「差別のない平等社会志向」と核兵器をアメリカに依存した「軽武装国家」(軍事力はアメリカ、ロシア、中国、インドに次いで5位)になり、民間技術研究開発投資をし、輸出大国になり、「貯蓄大国・資金供給大国」になったことである。これからの百年・21世紀は核の均衡の下で、「平和と安定とデフレの時代」になる。これからの百年で日本が志向する方向は、孤立化路線を避け「国際社会の一員」の地位を占め、核を背景とした日米安保条約のもと、ドル基軸通貨体制の下に、日米経済を中心に(2020年GDP米25%、日6%、中国16%、独5%、インド、英、仏3%、伊2%)、「経済成長が出来るか」どうかを第1判断基準に生きるしかない。「共産党の一党独裁体制」と「第2次大戦後の領土拡張政策」は「平和と安定とデフレの時代」には存在しえない。今後、隣国の混乱状態に対しては、中国のような大国には、世界戦争を覚悟せねばならないので、自衛力だけは保持して、「ただ黙って関与せず、事態を静観する姿勢」を守ることが基本方針になる。ただし、「国際社会の一員としての共同行動」は当然必要になる。

 

高速7割仕事術

ドラゴンボールの7割の力での「かめはめ波」、これは人間がエネルギーを出し切り戦いに負けることを避ける戦法だ。「高速」仕事術は1サイクルを短くすることによる、判断ミスを最小にする戦術だ。老境に入ってきて、体力・知力の縮小が明確になった今、仕事は高速・7割で実行する。最小の力で最大の結果を引き出す戦術だ。常に最速で反省し、最新・最強・最コスパの判断・技術・機械を採用することが、老人の戦いに勝つ戦法だ。

 

老人は疲れてはいけない

70歳を過ぎた老人は疲れてはいけない。若い頃では疲れると、各自のキャパシティが上がり能力が増強される。しかし、老人になるとキャパシティは低下傾向にあるので、疲れは体力減少につながり、病気の原因になる。疲れる仕事をしたら、機械化などでその仕事を改善・改良しなければいけない。そうしないと、その老人は病気になり、関係者全員が不幸になる。

 

現実を視よ

(現実を視よ ファーストリテイリング会長社長 柳井正 2012年10月)

柳井正はすごい。真実だ。実行しなけりゃ死ぬ。

1.成長しないと即死する

・1992年から20年後の炭鉱宇部市と上海との差

・企業は止まったら一瞬で時代から取り残され、衰弱して死ぬ。

・貧困は夢と希望を奪う

2.いまやアジア(中国、東南アジア)はゴールドラッシュ

・重要なのは、職人気質ではなく、商人気質

・ウィナー・テイクス・オール

3.資本主義の精神

・燃えるような情熱

・顧客にすばらしい価値を提供し、社会をもっと住みやすい世界に変える

・ホリエモンは虚業だから、資本主義の精神とは違う

・儲けない限り、稼がない限り、人生を楽しまない限り、成長はない

4.競争に勝てる人材

・挑戦して失敗し、そこで色々なことを学び、再び挑戦する、これが成長のサイクル

・人より多く失敗すればするほど、より早く成長する

・正常であれば、必ず成長する

・志を持って生きよ

5.現実を穴の開くほど直視せよ

・起こっていることは、すべて正しい

・需要はあるものではなく、作り出すものである

・売れる商品は世界中どこでも売れる

・優れた技術、情報、人材を求めて、フットワークが軽くないと、変化の速いグローバル・マーケットで、勝ち続けてゆくことはできない

・日本は何もない国、一生懸命商売して稼ぐ以外に生きてゆく道はない

・日本政府は大増税と公共サービスのカットで暗くなる。コストカット、IT化、合理化をするしか道はない

 

 

人生を楽しめ

先回のブログで柳井正さんの「稼がない限り、人生を楽しまない限り、成長はない」の言葉で、人生を楽しむことと成長の関係が、今一つピンと来なかった。成長の大きな部分は新技術であると思う。人生を楽しむこととは、人類がより快適な生活を楽しむことを意味する。すなわち、人生を楽しめば、より快適な技術が人間生活に普及することだ。人生を楽しむことは、個人のエゴではなく、人類の進歩に寄与することになる。

人生を楽しむ事とは何か。飲み打つ買うドラッグは健康に悪い。衣食住情報技術の分野で新技術の快適性を楽しむことになると思う。最新の機能的衣服、最新の便利でおいしい食事・形式、最新の温かい機能的な住宅・庭、最新のIT・書物・映像・旅行、最新の医療技術・移動手段など。個人としても、このような最新の技術を、積極的に楽しむ生活態度が、個人のエゴでなく、人類の進歩・成長のために、推奨されることだと理解した。

 

老人は中食を活用せよ

人生の3大支出は住宅(利子込み6,000万円)、教育費(1人4,000万円)、100年老後である。100年老後は貯蓄、退職金、公的年金、企業個人年金、長く働くことで対応する。老後とは、体が動かなくなることだ。対応策は新技術の活用、他力依存である。

老人の食事は持ち帰り弁当、総菜の中食の活用がポイントになる。外食ほど高くなく、内食より労力が少なくてすむ。しかも、カロリー制限のある老人に適している。中食は外部で調理されたものを、家庭で食べる食事である。スーパー、コンビニの総菜原料(シャケ、鶏肉、コロッケ、ハンバーグ、マーボー・カレー・インスタント食品)を指す。2017年で、内食が35兆円(50%)、中食10兆円(15%)、外食25兆円(35%)であった。家庭食の4回に1回くらいが中食である。1食分150円位のコスパが必要である。とにかく、老人は高速7割仕事術で、7割の労力で、結果を出さねばいけない。

 

日本の成功した同族企業の創業例

(日本の15大同族企業 菊池浩之)

創業者はほとんど無産階級出身。戦後、創業者親族が社長でない会社、ソニー、ホンダ、ダイエー、イトーヨーカ堂などは除外している。設備投資金が少ない業種・会社が多い。

1.トヨタ自動車(豊田家)戦前、佐吉が紡績機械開発、喜一郎が自動車製造

2.パナソニック(松下家)戦前、幸之助が二股ソケット開発

3.三洋電機(井植家)幸之助の妻の弟、戦後、電気洗濯機の新商品など開発

4.阪急電鉄(小林家)戦前、電鉄会社、宅地分譲、百貨店、宝塚、東宝の設立

5.東急電鉄(五島家)戦前、目蒲線、小林一三の知遇

6.西武鉄道(堤家)戦前、康次郎軽井沢の別荘地開発、西武鉄道、百貨店セゾン

7.大正製薬(上原家)戦前、薬直販制度で成功、戦後、リポビタンDがヒット

8.鹿島建設(鹿島家)戦前、洋式建築、鉄道・トンネル工事の近代化、青函トンネル・瀬戸大橋・東京湾アクアライン

9.ブリジストン(石橋家)戦前、地下足袋の全国販売、自動車用タイヤの国産化

10. 味の素(鈴木家)海藻の灰からヨード製造、昆布からグルタミン酸ソーダ・味の素量産・海外販売

11. 出光興産(出光家)戦前、石油販売業開業、石油販売の工夫

12. 日本生命保険(弘世家)弘世家は彦根の豪商、戦前、生保会社設立、代理店制度

13. 武田薬品工業(武田家)戦前、洋薬販売、製薬所設立、戦後、アリナミンがヒット

14. 松坂屋(伊藤家)江戸時代以来の老舗、戦前、上野と名古屋にデパート方式導入

15. マツダ(松田家)戦前、重次郎が三輪トラック製造で当てる

 

 

人類知識社会化での矛盾

(上級国民下級国民 橘玲、生涯独身社会 天野聲南子)

1750-1900年の産業革命をきっかけに人類は豊かさの爆発、人口の爆発を獲得した。1750年世界人口10億人が2020年75億人になった。現在、テクノロジー(肉体の機械化→脳の機械化)の爆発が起こっている。人類社会は知識社会化した。グローバル化(ヒト、モノ、カネの移動)も実現した。世界は豊かになると共に、激甚な競争社会になり、格差も拡大している。人口の1%が富の8割を占め、アメリカでは、クリエイティブ労働者が東部や西海岸でリベラル・民主党勢力になり、知識社会についていけない単純労働者のプアホワイトがラストベルトでトランプの共和党を支持して分断している。また、激甚競争社会により、日本では、生涯未婚率が25-33%に上がり、少子化人口減少が起きている。一方、後進国では人口が激増している。

世界の先進国はリベラル(自由)な民主主義国になった。自分の人生は、自分が自由(リベラル)に決める。他人の人生は、他人が自由勝手(リベラル)に決める。ただし、自己決定による自己実現は、自己責任である。

世界の後進国・共産主義国は、不自由な専制体制・共産党独裁体制を強化している。アメリカの起業家精神と中国のフリーライド(ただ乗り)政商的服従・非自由精神で2分割され、世界の政治経済体制が2分断している。

知識社会化では、少人数組織に権力が集まりやすく、そこから起きる矛盾の解決に、民主主義体制の知恵が求められている。

 

中共の歴史と精神の病

(日米中アジア開戦 陳破空)

戦後の中国の歴史は、共産党の歴史だ。もう50年続いている。そろそろ時代が変わりそうだ。

1.毛沢東

①1949年10月中華人民共和国が成立。初代主席。

②満州国の富と兵器を手に入れ、農民に農地解放し、国共内戦に勝つ。

③ソ連を見習い、1968-65年、7年間大躍進政策を実施するが、農業・重工業とも失敗で、700万人が大飢饉で死亡。

④1966-1976年10年間、社会主義文化大革命を実施。知識層、富裕層の修正主義を否定し、農本主義へ回帰。紅衛兵による政敵打倒。革命暴動で死者1000万人。劉少奇、鄧小平の走資派・市場化修正主義者を打倒。

⑤革命の輸出 友好勢力のカンボジアのホルポト派は、反知性主義で知識層100万人を殺害。

⑥(習近平 粗野で野蛮な文革世代。13歳の習近平は、反革命分子とされ、群衆の批判闘争大会に突き出された。母の斉心も「習近平を打倒せよ」と叫んだ。習近平が雨の夜、自宅に戻ったが、母は通告に走った。その後、ストックホルム症候群になり、良心に背いて父を賊とし、毛沢東の旗を振った。党の既得権益を守る闘争のみの粗野な人間になった。)

⑦(鄧小平 1968年南詔に追放される。強制労働に従事。1973年周恩来により復活。1976年1月周恩来没。死後、失脚。広州で庇護される。9月毛沢東没。1977年3度目の復活。1978年華国鋒は毛沢東路線を自己批判。1981年6月華国鋒主席退任)

2.鄧小平 1978年10月 日中友好条約で来日。昭和天皇会見。新日鉄、新幹線、パナソニック、日産見学。

1979年1月 アメリカとの国交正式樹立。ワシントン・カーター大統領訪問。

1979年2月 ポルポト政権を打倒したベトナムと中越戦争。朝鮮戦争以来の大規模軍事作戦。軍掌握。

1979年7月 深圳等経済特区。外資導入、輸出志向型工業化政策。

1980年 趙紫陽が国務院総理。1981年6月胡耀邦が党中央委員会主席、鄧小平 党中央軍事委員会主席 鄧小平体制完成

1989年6月 天安門事件、学生運動の武力鎮圧。11月趙紫陽主席退任、江沢民主席へ

1992年 深圳・上海南巡講話 改革開放路線推進 1997年 鄧小平死去

3.習近平 2010年10月 軍事委員会副主席

2012年 共産党総書記

(日本 2010年9月尖閣諸島海域で中国船が海保巡視船に体当たり、2012年9月尖閣諸島国有化)

2013年3月 全人代で国家主席、軍事委員会主席 一帯一路、富国強兵策、南・東シナ海進出

2015年から中国不動産バブル崩壊、2015年6月上海株式3割下落、8月人民元5%切り下げ

2015年10月 アメリカが南シナ海で航行の自由作戦開始、米中新冷戦、米中貿易戦争スタート

2017年1月 中国公船4艘、尖閣諸島日本領海に侵入

4.アメリカ、イギリス 2016年12月 トランプ大統領当選

2017年1月~2021年1月4年トランプ大統領就任

2017年1月 蔡英文総統テキサス州訪問

2017年10月 2期目の習近平体制発足、企業に共産党組織を設置、2018年3月全人代は国家主席の2期10年制限撤廃、次は2023年、2028年

2020年5月 アメリカの対中宣言 香港弾圧への制裁、サプライチェーンからの中国排除、産業スパイ根絶、アメリカの金融市場からの中国企業追放、製造業の米国回帰、中国為替操作国認定、中国製品への報復関税、脱グローバリズムで米中冷戦時代へ

2016年6月 イギリス・欧州連合離脱を国民投票で選択、2020年1月正式離脱、英連邦国が中国を見放し、中国孤立化

2021年1月 中国の大型企業集団も経営難に。世界のドル金利の上昇で中国の過剰債務危機へ。脱グローバリズムで1980年代の冷戦時代に再帰。地球環境保護を理由に新興国の開発制限へ。

2021年4月 バイデン大統領・菅首相の日米共同宣言

・台湾海峡の平和

・香港・ウイグルの人権

・日本防衛力強化(対ミサイル・イージス艦、離島防衛)

・自由で開かれたインド太平洋実現

 

 

日本は戦後、従属を選んでいる

(勝つ日本 石原慎太郎、田原総一郎 2000年)

石原慎太郎と田原総一郎の対談。

田原 世界は変わったが、日本は変わっていない。1952年サンフランシコ講和条約で独立した。吉田茂首相の日本は、損得勘定で従属を選んだ。アメリカも子分として為替、資本、技術、護送船団方式競争なしの態勢を許し援助した。日本はアメリカの援助で、経済重点で世界第2位の経済大国になった。1990年までの米ソ冷戦が終了すると、アメリカは「従属」を許さなくなった。グローバル化、アメリカ流儀の自由化・金融ビッグバンを押し付けた。下駄が無くなった日本は、従属からの自立もできずに自由競争に翻弄され、30年デフレになった。

石原 日本は戦後、自主的に従属を選んだ。正に外国からのミサイル一発が、効果を生むかもしれないくらい、日本は受動的になってしまった。自己決定能力を封印してしまった。

田原 伊藤博文が明治憲法を作った。天皇の主権者の名前において、元老が動くシステムです。元老が次々死ぬと、政党政治が代わりを務めようとした。ところが、政党政治は今も昔も評判が悪い。そこに軍が出てくる。軍人勅諭を作った山形有朋は「軍人は一切政治に関わるな」と明記した。1945年の敗戦まで、職業軍人には選挙権が無かった。戦争技術者集団だった。ところが、政党政治が隘路に入ったとき、君側の奸を除くと称して、クーデターを企てる。国家大計に口を出すようになった。今が違うのは、主権者の天皇がいないことです。

石原 国の防衛力は、国際的に明示してこそ、真の抑止力になる。

田原 自立と孤立は違う。明治の成功と、昭和の失敗の差異は、明治の政治家は、国家として何がしかを行うときに、必ず事前に、欧米の列強、関係諸国に相談し了承を得ていた。たとえば、日露戦争をはじめるときはアメリカの了解を取り付けている。仲間づくりをしていた。ところが、昭和になると、配慮も相談する謙虚さも失い、独走してしまった。国際世論を味方に付けぬまま、日中戦争に突入してしまった。

石原 アーノルド・トインビーは、国家の衰退・滅亡の原因は自己決定できなくなることだと言っている。自分たちの戦略を立てられないと滅びる。

田原 日本は戦争での失敗が戦略的思考を封印した。戦略を放棄して、戦術だけを使うことにした。戦略を持たないことを、戦後の日本の戦略にした。

 

米中冷戦の時代になった。日本はまた、米ソ冷戦の時代の従属の時代に戻ろうとしている。しかし、決定的に違うのは、米中対戦の時代は、地理的に最前線・先鋒先陣に立っているのは、日本ということだ。

 

 

2021年5月17日梅雨入り

梅雨に入った。今から1ヶ月半くらい続く。静かな雨が降っている。気温は24℃ー16℃で、寒くなくなった。夏用の衣服に変えた。仕事着、普段着、寝間着みんな夏用に変えた。やはり、1年の半分は夏用、半分は冬用の衣服になるのだ。夏用は5-10月、冬用は11-4月である。夏はやっぱり過ごしやすい。衣服も軽い。活動的になる。庭石が雨に濡れている。歩道石が静かに雨に濡れている。静かで心が落ち着く。

米中対立激化ドル高円安がいい

(勝ち続けるアメリカ経済、一人敗けする中国経済 武者陵司)

1990年東西冷戦が終了した。ソ連が退潮し、世界第2位経済の日本がアメリカの第1の敵になった。日本叩きが始まった。超円高政策だ。日本の労働者は2倍の高賃金になった。アジア貧乏旅行が流行した。30年デフレが始まり、労働者の賃金は切り下げられ、物価が安くなり、日本企業の競争力は落ち続けた。産業の米である半導体生産は、1990年には世界の5割を生産していたが、2020年には1割に落ちてしまった。現在は、台湾、韓国が各2割、中国が15%で、3国で6割生産している。

習近平中国共産党体制になり、米中冷戦になり、地政学的に日本はアメリカの最重要同盟国になり、再び、かっての半導体生産国復活の動きが出てきた。日本に地政学的な歴史的追い風が吹いてきた。

中国の超高度経済成長を牽引した投資は、外資流入と対外債務の増加によって賄われた。外貨準備高の過半が他国資本に依存している。ドル高になると、外貨流出、債務残高増加が起き、中国経済は苦しくなる。中国経済成長がダウンし、中国がクラッシュするかどうかの大きな山場は、習近平が2期目を終える2023年前後というのが、専門家の見方である。

バイデン政権は、米大統領選挙と台湾総統選挙が重なる2024年に、中国が台湾を侵攻すると予測している。国家対立の主戦場は、経済安全保障に移った。日本企業は、米国と中国部門の人事を含む社内デカップリングが必須となった。日本政府および企業は、台湾有事が数か月に及ぶことから、第2列島線へのミサイル、半導体などのサプライチェーンの機能停止、中国市場からの締め出しなどへの、業務維持計画の立案検討が早急に必要になってきた。

 

日本は3度目の大躍進期を迎えた

(アフターコロナV字回復する世界経済 武者浩司)

2020年のコロナパンデミックを境に、日本は3度目の大躍進期を迎えた。1度目は明治・大正の日英同盟期(1902-1923年)である。日経平均は10円から70円に上昇した。その後は1945年の敗戦まで70円レベルだった。2度目は、日本が防共の砦となる1950-1990年の日米安保体制期である。日経平均は70円から4万円になった。1991年のソ連崩壊により、2011年までの20年間は、米国の第1の経済敵となり、失われた20年・貿易摩擦・円高長期デフレであった。日経平均は15000円近辺で横這いであった。この間、米国は中国に期待し、資本・技術・マーケット開放をして、市場化と民主化を期待した。しかし、2012年習近平体制になると、共産党一党独裁体制を強め、GDP世界第2位で軍事強国になり、太平洋西半分と東・南シナ海の制海権を確保すると公言してきた。米国は容認できない。そして米国は、2017年以降、中国をデカップリング、日本に中国封じ込めの日米同盟再構築を図り、地政学上必須の国になった。日本は3度目の大躍進期を迎えた。しかも、経済面では、日本は失われた20年の対米貿易摩擦の間に、耐貧困スリム体質が身に付いた。①製造業製品の最低関税国②外国投資、雇用の配当充実③日米産業補完関係ー米国供給は半導体、インターネット、航空機、日本供給は自動車、機械、ハイテク素材④2017年対中投資は2012年比で半減などである。そして①人件費の低下②販管費、流通コストの低下③公共料金の低下で、日本の物価は下落した。かつ日本の企業収益力は6%レベルに向上した。これは、技術優位のオンリーワン戦略とグローバルサプライチェーンの海外部門利益寄与のためである。日本は3度目の大躍進期の実力を確保している。日本の人口は減少してゆくが、日本の利益は、労働力が稼ぎ出すものではない。オンリーワン技術戦略とグローバルサプライチェーンによるものであり、労働力人口とは関係が少ない。コロナパンデミックが一段落すれば、日本は米国経済とともに、力強く回復するだろう。日経平均も上昇が見込める。

 

 

 

老後人生のお金と楽しみ

(お金持ち気分で老後を 邱永漢)

人生とは生きている時間の事である。人生はお金と健康である。二つが揃わなければ、だめで、どちらが欠けても、メシは食えなくなる。楽しみも無くなる。

1.お金

お金は仕事から生まれてくる。後は資産(①不動産②株③現金)として貯めて、それを使う。

2.老後人生の楽しみ・お金の使い方

1)ヤング・オールド(60-74歳)の人生の楽しみ

①エンターテイメント(スポーツ、映画、演劇=観劇、テレビ、ビデオ、ユーチューブ)②飲み食い③旅行④趣味(草花、収集趣味)⑤健康・美容⑥成人教養(教育、芸事、読書、ブログ)⑦観賞(見て楽しむ)・静養

2)オールド・オールド(75-90歳)の人生の楽しみ

75歳に至ってはじめて本物のオールドになる。年を取ると心身ともに衰える。活動より休養を好む。上記の楽しみの内、②飲み食い(食事)⑤健康・美容(散歩)成人教養(読書)⑦観賞・静養(自然に触れて身体的リラックス休養を取る)が楽しみの中心になる。すなわち、読書をし、ブログを書き、散歩をし、食事をして、身体的リラックス休養を取るのが、オールド・オールドの楽しみなのだ。

 

論語は善、儒教は悪の理由

(なぜ論語は善なのに、儒教は悪なのか 石平)

「論語」という書物は、春秋時代に生きた、孔子という知恵者が語る、常識的な人生論・処世術である。前漢時代に生まれた、皇帝独裁国家イデオロギーとしての儒教とは、まったく異なっている。前漢の儒学者たちは孔子の名声を盗用して、「五経」という書物を作り上げた。そして論語を五経から排除した。皇帝権力の強化を目的とする儒教は、孔子とも、孔子の言行録である論語とも、何の関係もない。しかしながら、歴代王朝において、科挙を通じて、ずっと中国の思想と学問を支配した。時代が下がって南宋時代に、朱子が新儒教としての礼教を成立させた。朱子は前漢以来の儒教を否定して、論語を儒教の経典=四書五経に加えることにした。しかし、「在天理、滅人欲」を理念とする礼教は、常識的な論語の精神とは正反対のものである。日本の江戸時代の伊藤仁斎は、論語を上から読んでも下から読んでも、朱子学が唱えるような思想や学説は一行も書かれていないと指摘した。

常識の書である論語は、多くのことを教えてくれて、愛があり善であり有用である。しかし、皇帝の権力に奉仕するために生まれた儒教や「在天理、滅人欲」を理念として、人間性の抑圧を唱える朱子学と礼教は悪であり、有害である。

中国と朝鮮は、人間性抑圧と欺瞞を基本とする儒教と朱子学によって支配された。しかし、日本人は、江戸時代になって朱子学を官学としたが、論語は重んじつつ、礼教には最初から一顧だにしなかった。一方、論語は現在に至るまで親しまれてきた。人間性抑圧と欺瞞を基本とする儒教イデオロギーに支配された中国社会や韓国社会は、日本とまったく違った道徳倫理観を持っている。この重要な違いを、心に深く銘記しておくべきであろう。

 

自分の人生は自分で決めよ!

(中村天風幸せを呼び込む思考 神渡良平)

勝海舟は「行蔵は我にあり」=自分の人生は自分で決めると言った。自分の人生は、他人ではなく、自分しか決められない。悔いのない人生は自分で決めるしかない。他人に決めてもらうものではない。正に真実だ。

中村天風は「感謝と歓喜の言葉を言って、日々、生きよ!」と言った。自分の思考が自分の人生を作る。積極的な心の持ち方、積極的な言動が、積極的な人生を作るのだ。感謝と歓喜の人生を作るのだ。天風は、戦前の1906年肺結核を患って、ヒマラヤヨーガ修行をして、悟りを開いた。以来、人生哲学の師となった。

ヨーガの導師カリアッパ師の言葉

「具合が悪い時、具合が悪いと言って治るか?」「具合が悪い時、具合が悪いというのは、当たり前のことだ。重要なのは、そう言った後の事だ。言葉の後に、心の中では具合が悪いと思っている。それがいけないのだ。」「理屈をべらべらとしゃべるだけで、その理屈に自分が苦しめられているのだ。」「言葉はそれほど私たちの人生を左右するのだ。言葉の威力に目覚めよ!」

 

二宮尊徳の報徳思想

(教養として知っておきたい二宮尊徳 松沢成文)

二宮尊徳の報徳思想は万物の徳(米、水、隣人等天地人のおかげ)に報いるという点で、真理として最終形で完成している。普通の人間の力では、万物の徳に報いるまで、なかなか及ばない。

1.報徳思想

①勤労②分度③積小為大④推譲 分度を守りつつ勤勉に働く。最初は小さな成果しか得られないが、それを継続し積み重ねれば、大きな成果になる。成果が生まれたら、いたずらに浪費するのではなく、それを①家族②子孫③一族のために蓄える(自譲)、④他人⑤社会のために譲る(他譲)することにより、「人間らしい幸福で平和な社会が誕生する」という思想である。推譲とは、余裕が無くても、勤労に励み分度を守り、余剰を生み出し、譲るという積極的な行為をいう。そうした道徳の普及こそ、社会繁栄の道だと考えたのである。しかも尊徳は一生をかけて実践し成功している。

2.尊徳を評価した人々 

福沢諭吉は実学重視、数理重視、独立心の尊重で評価した。内村鑑三は「代表的日本人」で5人の偉人の一人に尊徳をあげている。戦後GHQインボーデン少佐は「一人富を蓄えた人は多いが、彼の思想は民主主義の本質がある」と言っている。マーガレット・サッチャーは「人間性とは愛であり、すなわち、推譲です」と言っている。石橋湛山は「尊徳の思想は、書籍を尊ばず、天地を経文とする」と言った自由主義思想であると言っている。

3.尊徳を師と仰いだ日本資本主義の創業者

渋沢栄一は論語算盤説=商業の公益、私益は一つを唱えたが、尊徳の道徳経済一元論と相通じる。安田善次郎は尊徳の報徳記を座右の銘とした。「私が分限者になりえたのは、翁(尊徳)の分限を守りえたからだ」と言っている。砂糖王・鈴木藤次郎は、尊徳の教えが極度に実行的であったので事業に成功した。報徳の教えで社会貢献が目的であると言った。世界の真珠王・御木本幸吉も報徳思想に心酔した。豊田佐吉は、父伊吉が地元に報徳社を創立する信奉者であったので、感化された。「自分ひとりで生きてゆけない。世の中の多くの人のために、お国のためにという考えで、働いて行けば、食物も自然についてくる」といっている。息子の喜一郎も報徳社社長を務めた。松下幸之助も報徳思想の影響を受けている。ただ稼げばよいと考えるのは間違いだと説いている。土光敏夫は「尊徳先生は至誠・勤労・分度・推譲の報徳実践の道を唱えられたが、経済の論理にかなう」と言っている。稲盛和夫は入るを量りて出るを制す、ひたすら日々誠実に懸命に働くことが成功の道と言っている。

日本資本主義の創業者が尊徳を信奉する理由は、①経済を伴わない道徳は戯言であり、道徳を伴わない経済は罪悪であるという道徳経済一元論②報徳仕法の合理性③報徳の実践は単なる禁欲主義ではないこと等である。

 

日本の国家神の推移

(アマテラスの誕生 溝口睦子)

1.古代日本は弥生時代以来の南方多神教世界から始まった。無文字社会であり、稲作文化の普及時代でヤマト王権時代(400-600年)はイザナキ・イザナミ系神話を豪族連合が伝承した。オオクニヌシが神様の中の神様であった。そこでは、アマテラスは創造神イザナギ・イザナミから生まれた太陽神で、弥生時代に遡る古い女神である。

2.300-440年の時代は、中国は五胡十六国の動乱時代になった。朝鮮半島は高句麗、百済、加羅の時代であった。高句麗の「好太王碑」によると、400年と404年に倭は壊滅・惨敗したと書かれている。倭王武は478年高句麗打倒を誓っている(宋書)。応神王朝は大阪河内平野で騎馬戦向きの朝鮮半島の武器武具の導入を図るとともに、氏族制的多神教世界から専制的な統一王権に切り替えるために、従来の多神教的世界から唯一絶対の至高神を持つ王権思想に転換した。高句麗・百済の天孫降臨神話を導入して、タカミムスヒが天孫を降臨させたとした。以後、皇室は皇祖神をタカミムスヒとして祭ってきた。記・紀には、タカミムスヒがニニギノミコトを葦原の中つ国の君主にしようと思わたと書いてある。

3.645年中大兄皇子(天智天皇)と中臣鎌足による蘇我入鹿暗殺事件が起きた。大化の改新の大改革が始まった。663年、百済の白村江で、唐と新羅の連合軍と戦って惨敗した。都を滋賀県大津に移した。圧倒的に優勢な中国文明の唐の律令国家制度を導入した。大王は豪族達を介して人民を支配する間接支配であったのを、大王が直接人民を支配する一君万民に切り替えようとした。

4.天武天皇は天智天皇の律令国家制度確立を引き継いだ。従来の氏姓制度を終焉させ、タテの序列をもった姓(カバネ)を作った。古事記(712年)、日本書記(720年)でアマテラスを皇祖神に決定した。天武天皇は、新しい統一国家の国家神として、一般の人には親しまれていない北方ユーラシア文化のタカミムスヒではなく、人々に古くから親しまれている神、求心力をもった神としてアマテラスを国家神にし、旧来の氏族の支持も得ようとした。

5.天皇の伊勢神宮参拝は、古代には一度も行われていない。明治2年に行われた明治天皇による参拝が史上最初のものである。古代のアマテラスは、建前上は皇祖神=国家神であっても、実態は地方神で違っていた。アマテラスが名実ともに皇祖神になったのは、明治に入ってからだといえる。

 

 

地球56億年の歴史

(人類5000年史 出口治明)

地球の寿命は56億年である。すでに46億年がたっている。地球の歴史は、残るところあと10億年である。10億年後には、太陽が膨張して地球の水がすべて蒸発してしまうからである。地球上の生命の歴史は、今までに40億年である。残り10億年である。

地球は小さな惑星同士がぶつかりあって46億年前に誕生した。40億年前に、太陽風の届かない原始の海底の熱水噴出孔で、初めて無から有の生命が誕生した。35億年前、DNAを遺伝物質として使っているバクテリア状の生物が生まれた。これまで棲息した全ての生命の母が生まれた。5億年たって原核生物が出現した。それから10億年たって、地球内部の液体金属の自転効果により、地球は電磁石状になった。この磁石の力によって太陽風が曲げられ届かなくなった。そして生物は浅海に進出した。光合成を行うシアノバクテリアが誕生し酸素が供給され始めた。19億年前、全球凍結を機に、DNAが核膜に包まれた真核生物が誕生した。10億年前、多細胞生物が出現した。この後、5回の生命の大量絶滅があった。6億年前、生物多様化のアバロン爆発(ほとんど絶滅)、5.5億年前、植物や他の生物を食べる動物などのカンブリア爆発が起きた。そして、酸素濃度が20%に達してオゾン層が出来て、紫外線が大幅カットされ、陸上に生物が進出した。4億年前、超大陸が分裂し大量絶滅して、両生類から爬虫類へ転換した。1.5億年前、恐竜の時代になり、6600万年前の隕石落下で大量絶滅した。哺乳類へ転換した。700万年前アフリカでチンパンジーとヒトが分かれた。ヒトは2足歩行、道具、火の使用を始めた。20万年前、現生人類が誕生し、10万年前、アフリカを出て、世界に広がった。6万年前、コロモシラミの発生からヒトは衣服を発明した。7万年前、ヒトは言語を話し始める(IT革命1⃣)。1.1万年前、メソポタミアで、農耕牧畜社会が始まる。金属器の使用は9500年前。世界最古の文明はシュメール人。BC3500年頃、楔形文字を使用し12進法と文字を発明した(IT革命2⃣)。中国の甲骨文字はBC1500年頃。狭義の意味で、人間の歴史が始まった。

 

お金持ち気分で老後を

(お金持ち気分で老後を 邱永漢)

1.人生80年を生きる

日本人は1億2500万人いる。日本は世界3位の国内総生産国(GDP:5兆ドル)。平均寿命は男81歳、女87歳である。厚生年金保険は80歳をめどとしており、80歳以上生きたら儲け、80歳以下なら損するで、制度設計している。所詮、90歳位までしか、健康寿命がないのが人間である。その間、有意義に生きることが重要である。

2.上手にお金を使っていい人生を送ろう

老後はお金よりも生きがい。生きがいとは心の満足である。だが、自分の好きなことをやるためにはお金が必要だから、まず収入を得るために働かなければいけない。お金の充実感さえあれば、人生は生きるに値する。しかし、お金というものは儲けただけではまだ半製品で、使って初めて完成品になる。お金を使う知恵と習慣は、年をとるほど不可欠のものとなる。人生とは生きている時間のことである。生きている間に上手にお金を使いなさい、ということになる。

お金の使い方の優先順位(邱永漢の順位、( )内は私の使い方)

①エンタメ(スポーツ、音楽、映画などテレビ録画、YouTube)

②飲食(スーパー買物、小食家食)

③旅行(豊橋別荘ライフ、6-9月に月1回)

④趣味(公園の魚えさやり、庭花木)

⑤健康(散歩、日帰り温泉)

⑥文化(読書、YouTube、ブログ)

⑦生きがい仕事(自営業)

 

大日本帝国憲法

(逆説の日本史24 帝国憲法と日清開戦 井沢元彦)

1889年(明治22年)大日本帝国憲法と皇室典範が制定された。この他に、明治15年(1882年)軍人勅諭、明治23年(1890年)教育勅語がある。これに先立ち、明治元年(1868年)明治政府の基本方針として五か条のご誓文が示された。①万機公論に決すべし②経済を振興すべし③社会を充足すべし④旧習を捨て、人の道に基ずくべし⑤智識を世界に求めるべしの5ヵ条は、欧米列強に対抗できる西洋近代化・富国強兵を目指した。そして、江戸幕府が締結した不平等条約(治外法権、関税自主権)の改正は、憲法も議会もない状態では欧米列強は乗ってこなかった。

憲法を作るにあたって、手本となるものに、イギリス憲法(大隈重信、福沢諭吉等推挙)、プロシア憲法(岩倉具視、伊藤博文、井上毅等推挙)があった。イギリス憲法は王権は君臨すれども統治せず、議会で決める方式だが、岩倉、伊藤は君臨し統治すべし派であった。岩倉は公家育ち、伊藤博文は吉田松陰(神道+朱子学=王者は万世一系神徳の天皇のみ)の弟子であった。結局、プロシア憲法を手本とし、第1章は天皇で、天皇の絶対性(第三条は天皇は神聖にして侵すべからず)を強調し、憲法と対等に位置づけにした。天皇絶対化は一君万民を徹底し、旧儒教道徳を否定し、国民は男女平等、公の概念の付与、議会制民主主義体制を作り上げた。女子の高等教育、日清・日露戦争の勝利など、この憲法で明治時代は大成功を収めた。しかし、「絶対的権力は絶対に腐敗する」という真理を、日本人は体得していなかったので、1945年日本は敗戦破滅した。山形有朋は軍人勅諭で「軍人は世論に惑わされず、政治にかかわらず」と強調して、さらに軍人の選挙権も無くしたのに、軍人は絶対に政治に関与するなという勅語がありながら、軍部は絶対者である天皇の直属機関であると主張し、それゆえ議会に軍部の行動には口を出させないという形で、実質的に政治に関与し、軍部の利益誘導をして、大日本帝国を潰した。

 

剣道練習方法

(剣豪夜話 津本陽)

単純明快がいい。北辰一刀流千葉周作の初心者に示す心得は、まず竹刀を早くふりまわすようになれという、単純明快なものであった。そして、稽古の数をかさねれば、自然に上達するというものであった。竹刀は長さ120cm、重さ510g、太さ2.6cmのもので、物打(ものうち)は、剣先から中ゆいにかけての25cmの部分、刀で最もよく切れる部分で、相手に打撃を与える。剣先から10cmの最も切れる部分で竹刀合わせをする一足一刀の間合いから、①面②小手③胴④突きで、物打で相手に打撃を与える剣勝負だ。

 

日本は生産性の向上で雇用減少、賃金低下する

(日本の国難2020年からの 中原圭介)

コロナの影響は、五輪前の状況で、感染者80万人(国民の0.6%、100万人あたり6000人)、死者1万5千人、テレワーク100%情報通信、金融業中心15%、テレワーク50%以上15%である。国際間の人的交流は縮小している。金融緩和・低金利の傾向は続く、株価は割高水準、ガソリン、電気、食料など生活必需品は物価上昇、一方、自動車、衣料品、電化製品は価格低下している。日本やアメリカの3分の1は貧困層で格差が拡大している。欧米と中国による冷戦が始まっている。

中国がWTOに加盟して2000年にグローバル経済が始まり、アメリカの家計債務、中国の民間債務増加による借金バブルにより、世界は好景気を謳歌した。バブルの限界は、借り手の収益が悪化し、融資の減少や株価が下落してくると、経済は悪化し、不良債権化が表面化した時である。やがて、金利が上昇し、景気後退がくる。アメリカと中国の膨大な借金を処理しなければならない。

日本経済の停滞は、少子化が大問題になる。人口が少ない地域では、生活が極めて不便になる。少子化の要因として、若い世代の東京圏への一極集中がある。東京圏は就職したい企業が多いため、若者が集中しているが、生活コストが高い、労働時間が長いため、結婚率の低下(男性の4人に1人が生涯未婚)が起きている。東京圏の大企業に勤める20-30代の女性の結婚率は50%と低い。できるだけ緩和しないと老後が苦しくなる。

2020年以後の日本の雇用は、イノベーションと生産性向上が失業者を増やす。アマゾンショックやITやAI(Artificial Intelligence人工知能)、ロボットにより、工場での人員減少、銀行・生保・損保の人員削減、物流や税理士等士業の人員削減が進む。これまでの産業集積や雇用を破壊するIT企業は、利益が多いのに雇用は少ないという特性を持つ。

日本の賃金は、社会保険税の増税、円安インフレ、原油価格の高止まりなどにより、実質的な可処分所得は10-20%減少する。

これから新たに起こる技術革新は、AIとITが融合した第4次産業革命と呼ばれるものである。最大の問題は生産性は上がるが、雇用は減っていくことである。行き着く先は、AI、ロボットへの課税なのかもしれない。

 

東条英機

(東条英機・阿片満州の闇 太田尚樹)

堺屋太一は言っている、「日本はなぜ勝ち目のない太平洋戦争に突入したのか」、その答えは、「年功序列で動く官僚人事(軍は軍を守る。国民を守るのではない)の軍人専制体制・無責任体制」にあった。

東条英機の特色

1.東条英機は目立たない軍人であったが、満州の憲兵隊司令官のときに、2・26事件が起きた。統制派軍人の東条は、皇道派将校の中隊長クラスが軍司令官の決裁も受けずに勝手に兵を動かし、天皇の老臣を殺害したことで、満州でもクーデターが起きることを恐れ、満州の皇道派将校などを逮捕した。憲兵政治は天皇の注目を得た。

2.東条は、満州にいたせいで、ソ連の赤化の恐ろしさを体得し、日米交渉で、国内革命も恐れ、日華事変で支那からの撤兵を拒否した。戦場での東条は急襲に追撃の馬鹿の一点張りだった。必勝の信念という精神力に頼る陸軍指揮官であった。軍隊では威勢のいい軍人が主流になる。

3.満州国政府の事実上のトップの総務庁次長岸信介と甘粕機関が阿片を牛耳っていた。阿片は関東軍と満州国が抑え、蒋介石やイギリスとの交渉をし、敵国に軍資金を提供して運営していた。日華事変が長引いたのは阿片も原因であった。昭和14年で国家予算の6分の1が阿片収入であった。東条が陸軍次官で東京に帰ると、甘粕は膨大な政治資金を彼に提供し続けた。

4.昭和13年(1938年)近衛内閣で次官として東京に呼び戻された。昭和15年(1940年)東条は陸相になった。三国同盟を推進した。昭和16年(1941年)東条は中国からの撤兵不同意と日米交渉の打ち切りを主張した。近衛は内閣を投げ出した。内大臣木戸幸一は東条首相を支持した。12月8日日米は開戦、マレー作戦開始した。昭和17年(1942年)6月ミッドウェー海戦敗北。昭和18年(1943年)4月山本五十六司令長官戦死。昭和19年(1944年)7月サイパン陥落後、岸信介国務相と東条首相の意見不一致で東条内閣は瓦解した。昭和20年(1945年)8月15日終戦の詔勅が発せられた。昭和23年(1948年)12月23日東条は絞首刑で死刑になった。 

 

第3の敗戦と建国

(第三の敗戦 堺屋太一 2011年6月東日本大震災後)

1.第1の敗戦と建国

 1860年代幕末敗戦と明治維新建国

幕末敗戦=薩英戦争、下関4国艦隊砲撃戦争で欧州帝国主義国に敗戦、噴火・地震・飢饉、徳川幕府の消滅

明治維新建国=版籍奉還、廃藩置県、新貨条例、啓蒙君主国、模範欧州帝国主義国英仏独、富国強兵、殖産興業、徳川ー安定から明治ー進歩、米英日世界3大海軍国へ

2.第2の敗戦と建国

1940年代太平洋戦争敗戦と富国規格量産工業社会建国

太平洋戦争敗戦=1923年関東大震災、41年太平洋戦争開始、45年無条件降伏、アメリカ占領、陸海軍解散・内務省解体

富国規格量産工業社会建国=新円発行、日本国憲法発布、旧幹部公職追放、サンフランシスコ講和条約、冷戦西側陣営、富国・安全・平等・効率の倫理、模範富国アメリカ、官僚主導・業界協調体制、終身雇用・年功賃金会社経営、職縁社会・核家族社会、金融系列集団、大量教育、東京一極集中地域構造、GDP世界2位へ

3.第3の敗戦と建国目標

1990年代戦後日本凋落敗戦と新コンセプト日本建国目標

戦後日本凋落敗戦=1989年戦後日本の頂点から株式、地価バブル崩壊、ポスト冷戦体制、デフレ、アメリカの変身、アジア工業化、95年阪神淡路大震災、少子化、98年金融恐慌、財政赤字税収半分、規制の強い固定社会、金融業電器産業等凋落、公務員官僚の身分化、消費税増税、ワーキングプア、08年リーマンショック、11年東日本大震災・福島原発事故、GDP1989年以来横這い30年後の2020年は500兆円レベル世界3位だが米国の1/4、中国の1/3になる、少子高齢化

2020年代新コンセプト日本建国目標=古い日本に戻そうとしてはならない、脱工業化社会、省資源社会エネルギー課税、小移動距離・通信社会・歩いて暮らせる街、官僚は身分から職業へー2014年安倍内閣で内閣人事局創設し内閣が人事権握り官僚統治、国民の低所得化(年金低下、生活保護)対応の低コスト生活倫理の確立、中国共産党の軍国主義・帝国主義化への対応

 

 

武器の日本史

(武器が語る日本史 兵頭二十八)

人類は180万年前、原始時代に木の棒(手持ち木やり)の武器で生物の頂点に立った。細長い物体の先端の一点にエネルギーを集中する突きで相手の肉を突き破ったのだ。氷河期が終わった1万年前には大型動物がいなくなり、弓矢ができた。やりと弓矢は殺傷原理は同じである。AD1300年頃、銃(口径2cm未満)、砲(口径2cm以上)ができた。火薬の圧力で銃弾を高速で発射し殺傷する。これも同じだ。今後は光速のやり(レーザー光、マイクロ波、中性子ビーム)が開発されるだろう。

武器の日本史

2000万年前、日本列島は大陸から分離した。1500万年前日本海ができた。500万年前弧状列島になった。7万年から1万年前、最終氷期(ウルム氷期)があった。4万年前、日本列島に世界最古の磨製石器があった。2.4万年前、シベリア並み寒さ、ナウマン象向け投げやり。1.2万年前、気温上昇ナウマン象消滅突きやり。1万年前、投げやり、弓矢でイノシシ、シカ狩り。5000年前青森三内丸山遺跡栗クルミトチ。AD200年、魏志倭人伝で、倭人の武器はほこ、たて、木弓(木は折れないように1.4mの長弓、その後、竹張合わせ)、矢(木、竹)、矢じり(鉄、骨)、平安時代、やり、ほこが国内から消えた、壇之浦弓矢300m飛ぶ、1300年太平記やり、戦国時代は長やりで上から叩け、三十三間堂120mの通し矢、関ヶ原・騎兵は指揮者で戦いは馬を下り徒で、日清戦争村田歩兵銃剣銃(長1.3m、重4.5kg、着剣時長1.8m、重5kg)、戦車(国内では平地が少なく、道も悪く、軽戦車中心に製作)

 

資産防衛マニアル

(資産防衛マニアル 橘玲)

1.デフレ不況への防衛

デフレ不況における最適な資産運用は普通預金。

現実を振り返れば、「失われた20年」で最も成功した投資家が、一切のリスクを取らずに金融資産の全額を預金していた「臆病者」であったことは間違いありません。

2.平均的サラリーマンの資産ポートフォリオ(40歳時と65歳時)を見ると→会社をやめないのが、最大の防衛策になる。

①40歳時平均的サラリーマン  金融資産(0円)+不動産(2000万円)+人的資本(1億3000万円)<大卒総合職の65歳までの生涯年収厚生年金退職金含む、ただし会社をやめると年金退職金が無くほぼ0円になる>=1億5000万円

②65歳時平均的サラリーマン  金融資産(1500万円退職金含む)+不動産(2000万円)+厚生年金85歳まで(3000万円)=6500万円

3.株式投資はしないで安全な普通預金でもっているのがいい

平均的サラリーマンは、ポートフォリオ全体に占める金融資産の割合がとても小さい。65歳で退職金ももらった時点でも1500万円、それ以前は500万円くらいで、儲かっても5%25万円、損する可能性も高い位なら、生活予備金不時対応金として普通預金のほうが良い。

  

2015知的人生設計

(2015知的人生設計のすすめ 橘玲)

1.スタンリーはアメリカの億万長者が労働者階級の暮らす下町のありふれた家に住んでいることを発見した。彼らは安物のスーツを着て、頑丈だが燃費のいい車を乗りつぶし、この質素な一家が億万長者とは気づかれない。億万長者があなたの隣にいるのは、お金を使えば、お金はたまらないからだ。もっとも、徹底した勤勉と倹約が幸福な人生とはかぎらない。65歳でミリオンネアになっても、残りの人生はそう長くないからだ。

2.90年代の頃はアジアに移住して豊かな年金生活が流行したが、いまではバンコクより東京に住むほうがずっとコストが安くなった。家計の節約のために田舎暮らしは必要ない。限られた年金を有効に使うなら、東京やほかの大都市の郊外を目指すべきだ。

3.年収600万円のサラリーマンの実質税負担は①税金(所得税と個人住民税)28万円②社会保険料(厚生年金、健康保険、介護保険)本人負担85万円(+半額会社負担85万円)③合計113万円(負担率20%)、会社負担の社会保険料を加えると200万円(負担率30%)と多い。生涯賃金3億円の3割の1億円が税金+社会保険料である。個人と法人を使いこなして、節税するのがよい。

4.税務調査の実態

税務署の任意調査は①領収書チェック②現金と預金残高の確認③個人名義の銀行口座の調査④決算期を超えた会計調査⑤役員賞与と接待交際費の処理⑥在庫 だいたい1日で終わる。国税の時効は5年だが、実務上最大3年。開業から5年が調査のメドになる。税務署は過去の決算データを入力してあり、税金の取れそうなところしか調査しない。法人税の赤字繰越は5年間可能なので、赤字会社は無視する。日本の法人は7割が赤字である。

 

マネーの歴史

(マネーの進化史 ニーアル・ファーガリソン)

歴史学者の著者が書いたベストセラー。信用制度、債券、株式、保険、不動産、金融とマネーの歴史を網羅している。ここでは、保険の歴史をまとめる。

保険 お金に関する人間の行動のなかで基本的なものは、将来に備えて貯蓄するという性向だ。なぜかといえば、未来は予測不可能で、この世界は危険に満ちているからだ。ハリケーン・カトリーナの例がある。将来のリスクや不確実性に私たちはどう対処していくか。

最初の本格的な保険は、1300年代に、イタリアで商船に災害が発生した際には帳消しにできる融資だった。本格的な保険は、その後、保険金額の15%の保険料だった。1600年後半には、ロンドン大火で火災保険ができた。海上保険はロイズの保険ができた。無限責任保険だった。保険の理論的基礎は数学者によって作られた。①確率②余命③確実性による確率の定式化④正規分布⑤効用・価値は値段によってではなく効用によって決まるなど。数学者の理論を実践したのは、1744年に、牧師仲間の死亡保険基金を発明した、スコットランド協会の2人の牧師だった。夫牧師の死亡により寡婦と遺児が困窮しないよう死亡確率論から保険基金を創設した。保険は平均の法則により、規模が大きいほど支払金額が予想しやすい。国民保険がベストだ。戦争での死亡、火災保険は、民間では危険すぎる。リスクを国営化するしかない。ドイツのビスマルクは戦争遂行のために保険を推進した。日本も戦前から国民皆兵のために保険を推進した。そして2次大戦後、戦争軍人死亡の国民保険から福祉国家保険に進歩した。最も成功したのは、戦後の日本だ。仕組みはイギリスと変わらない。日本はアメリカの占領が終わった1961年国民皆保険・福祉国家になった。失業保険、年金保険、健康保険など整備された。平均余命、高校進学率など平等主義は効果を上げた。しかも、社会保障費用は国民所得の9%で済んだ。しかし、1980年以降、少子高齢化問題で構造危機に直面している。2020年、65歳以上が3割になって年金保険、健康保険など維持が大変だ。長生き出来ることは個人にとってはありがたい話だが、福祉国家にとって構造改革の必要があり、厄介な問題だ。しかも、世界も人口が高齢化し、危険度が増すという問題が出てきている。

 

戦後傑物・瀬長亀次郎と岸信介

(瀬長亀次郎の生涯 佐古忠彦、満州と岸信介 太田尚樹)

自己の利害を徹底的に追及し、目標に対して、不屈の闘志で立ち向かって、戦後の日本の方向を決めた人物が2人いた。

1.沖縄那覇市・瀬長亀次郎

瀬長亀次郎は、戦後アメリカ施政権が、沖縄の土地を、土地代金の一括払いで、軍用地として、半永久的に使うという政策に、いかなる圧力にも負けず反対し、土地を守り日本復帰を主張し続けた。そのことが、1972年佐藤栄作政権時代に平和下で沖縄返還が実現した大きな力になった。佐藤首相はノーベル平和賞をもらった。沖縄の日本復帰が決めた。瀬長亀次郎は沖縄貧農出だったが、旧制第7高等学校(現・鹿児島大学)在学中、治安維持法で放校処分された。1956年那覇市長選挙で市長に当選した。人民党は共産党に近いことで、妨害が連発した。議会で不信任決議が自治法布令の改訂で通過した。しかし、亀次郎の指名した兼次佐一が当選し、米軍への抵抗は続いた。抵抗運動の第1人者であり、米軍が恐れた不屈の男であった。

2.岸信介(戦前満州産業開発と阿片資金の政治資金化、戦後冷戦の開始で、日本の軍事化・保守自民党の一本化をして、首相になり60年安保条約を改定、後任の池田勇人、佐藤栄作の官僚首相の道をつけ、日本発展に貢献した)

長州の政治家血族で、婿養子で育ち、東京帝大卒業後は、内務省に行かず、農商務省に入り、商工省工務局で少壮官僚の力を発揮し、39歳で満州経営に乗り出す。満州産業開発5か年計画で鮎川の日産コンツェルン誘致、東洋1の豊満ダム、満業、満映など統制経済で成功した。満州国の予算の6分の1を占める阿片売買は、岸と甘粕が中心で、蒋介石、中共八路軍、イギリスにも資金は流れた。東条英機の政治資金も提供した。戦後、A級戦犯容疑で巣鴨プリズン拘留後、イギリスの阿片関与、実弟の佐藤栄作の吉田内閣官房長官就任、1949年10月(昭和24年)中華人民共和国成立等の世界情勢変化で、反共がアメリカ政策の中心になったため、1948(昭和23年)年12月保守派復活のため、無罪釈放になった。自由党、民主党の保守合同後、59歳で自民党初代幹事長に、翌1957年(昭和32年)第56代首相に就任。60年安保改定にひとりで立ち向かった。金はろ過して使えが口癖だった。政治は力であり、カネだ。田中は湯気の出るようなカネに手を突っ込む。そういうのが総理になると、危険な状況を作りかねないと言った。岸を、人は、悪運は強いほどいいと言った。

 

 

第2次世界大戦敗戦の原因と結果

(日本が戦ってくれて感謝しています井上和彦 ほか)

日本の第2次世界大戦は、満州国建国、日中戦争、太平洋戦争(日本名は大東亜戦争)の3つに分かれ、それぞれ大義と勝敗は違う。太平洋戦争に負けて、結果が定まった。

1.軍部の独走を許す大日本帝国憲法

第11条にある「天皇ハ陸海軍ヲ統率ス」は、天皇が統帥権を持ち、陸軍・海軍参謀が著名するシステムで、軍部が独走し、内閣も議会も関与できなかった。明治憲法の欠陥である。

2.満州国建国で関東軍の独走

満州国の関東軍の独走。関東軍司令部条例3条の管外出兵権条項に「軍司令官の決裁があれば、軍事行動が起こせる」ことが明記されていた。遠き満州では、若年参謀が東京を眼中から外し行動可能で、満州国建国の成功は、我々が血を流して建国した国だという気持ちで下剋上の風潮を生んだ。1932年に成立した満州国は五族共和で、清の溥儀が満州国皇帝であったが、国籍法がなく、独立国ではなく大義が弱く傀儡国家であった。議会が無く、実権は関東軍司令官が把握していた。1937年満州産業開発5か年計画で経済は発展した。1945年日本降伏で崩壊解体した。

3.日中戦争

1937年(昭和12年)から1945年(昭和20年)まで8年、大日本帝国と中華民国の間で行われた戦争である。盧溝橋事件の開戦を発端に、特に大義はなく、侵略と植民地支配を目指し、北京、上海、南京など主要都市を制圧したが、上海占領時点で死傷者が4万人に達した。点と線の占領しか出来ず、重慶、四川など奥地は戦力不足で膠着持久戦になった。汪兆銘傀儡政権など工作したが、無駄であった。1945年日本降伏とともに終了した。

4.太平洋戦争

1941年(昭和17年)12月から1945年(昭和20年)8月までの4年間、アメリカおよびイギリスを中心とした連合国と日本との戦争。広義に第2次世界大戦に含まれる。アメリカでは太平洋戦争、日本では大東亜戦争と呼んだ。ファシズム(強権独裁、非民主的・非議会主義的政治経済体制)とデモクラシーの戦いだった。アメリカは中国からの撤退、日独伊三国同盟からの離脱を要求し、石油の全面禁輸を続けた。石油の7割をアメリカに頼る日本は、オランダ領東インド(インドネシア)の油田地帯の確保しか戦争継続の手段は無かった。42年5月までに、日本はホンコン、マレーシア、フィリピン、グアム、シンガポール、オランダ領東インド(インドネシア)、ビルマなど制圧した。42年6月ミッドウエー海戦で空母3艦失い以後連敗した。1945年5月ドイツ降伏、8月広島、長崎原爆投下、日本降伏。大東亜共栄圏構想(40年近衛内閣以降、唱えられたアジア政策構想。中国や東南アジアを欧米帝国植民地主義から解放し、日本を盟主に共存共栄の経済圏作成の構想。日本の侵略戦争の合理化スローガン)は、日本は敗戦したが、大義名分のスローガンは果たされた。アジア各国の戦後の独立に貢献し、白人植民地主義の長い歴史を終焉させた。

 

 

昭和天皇の歴史認識

(昭和天皇の戦後日本 豊下楢彦)

昭和天皇のお言葉

1.戦争責任について

・そういう言葉のアヤについては、私はそういう文学方面はあまり研究もしていないので、よくわかりませんから、そういう問題についてはお答えができかねます。

・原子爆弾が投下されたことに対しては遺憾には思っていますが、こういう戦争中であることですから、どうも、広島市民に対しては気の毒であるが、やむを得ないことと私は思っています。

・鄧小平訪日に際して 我が国(日本)はお国(中国)に対して、数々の不都合なことをして長い間ご迷惑をおかけし、心から遺憾に思います。

・全斗かん韓国大統領訪日に際して 今世紀の一時期において両国の間に不幸な過去が存したことは誠に遺憾であり、再び繰り返されてはならない。

2.憲法観

・再軍備は勿論国が独立した以上、その防衛を考えるのは当然の責務であります。

・軍国主義の可能性 私はその可能性については、まったく懸念しておりません。それは憲法で禁じられているからです。

・新憲法 わが国民にとっては、勝利の結果極端なる軍国主義になるよりも、却って幸福ではないだろうか。

3.A級戦犯の靖国神社への合祀(し)

・ポツダム宣言の受諾を前提に昭和天皇にあっては、東京裁判の判決結果を厳格に受け入れるという立ち位置に徹していた。昭和天皇は、裁判の判決に基づいて処刑されたA級戦犯への対応において厳しい立場をとった。一たび有罪が確定すると一切の恩遇は不詮議なのである。

・戦争裁判の永久平和の理想追及の大きな流れを軽視し、今度の裁判の直接の反響のみを見てはならない。真剣真面目に深く自ら反省する処がなくてはならない。

・富田メモ「私は、在る時に、A級(戦犯)が合祀され、その上、松岡、白鳥(3国同盟)までもが。松平(宮司)は平和に強い考えがあったと思うのに、親の心子知らずと思っている。だから、私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」 

 

結局、軍国植民地主義の完全否定だ。

 

天皇の世界的地位と食事

(天皇125代の歴史 山本博文)

1.天皇の世界的地位

天皇家はバチカン(カトリック教徒)が認めた現存する唯一の皇室で、靖国参拝は教皇庁に公認されている。天皇陛下はローマ法皇と並び、世界に二人しかいない最も地位の高い人物なのだ。英国のエリザベス女王ですら天皇陛下と同席の際には上座を譲り、アメリカ大統領も天皇陛下が訪れればホワイトタイで空港まで出迎える。米大統領がこの歓迎法をとるのは天皇陛下・ローマ法王・英国君主だけだ。天皇家はその長い歴史が尊重されている。

2.天皇はどんな食事をとっているのか?

朝はトーストやオートミールなどの軽い洋食。昼食と夕食は、和食と洋食が交互に出されている。食材は余すことなく使い切る。皇族の食事は基本的に質素である。栄養のバランスと予算内での食事を考えている。天皇家の食事は、朝食、昼食、夕食と和食と洋食が交互に出され、栄養バランスがよい、質素な食事である。

 3.平成天皇の退位年齢

平成天皇(明仁)は2019年4月末に85歳で生前退位された。85歳が引退の1つのメドになると考えられる。

4.天皇家の祭祀(し)と儀礼

天皇家の1年と一生は、祭祀=祖先に感謝し、未来の安泰と繁栄を祈ることと、儀礼=冠婚葬祭の儀式である。祭祀は1月1日の新年祭、春分の日、秋分の日の先祖感謝祭、11月23日の収穫・勤労感謝祭である。儀礼は誕生祭、葬儀、天皇(業務)即位祭、天皇退位祭である。

 

 

 

 

共産中国経済の崩壊の未来

(中国と戦うときがきた日本 渡邊哲也)

共産主義中国は、グローバリズム資本主義市場経済に参入して、急成長した。西側諸国は、民主主義、人権尊重、資本主義など価値観やルールを共有するすることを期待してきたが、中国は独裁、中華思想、共産主義を前面に押し出してきた。アメリカを中心に西側諸国は、中国への制裁措置を発動し始めた。日本もその制裁の輪に加わることになった。日米の経済安保体制の発動により、共産中国の経済は、どのように崩壊するのか、経済学の問題になる。

1.中国経済の大破壊が来る

①中国は1億人の共産党員家族、2億人のOECDレベル(年収400万円)所得者と1億人の都市戸籍人、11億人の農民戸籍(内半分の6億人は年収20万円)の14億人の人口である。国民1人当たりのGDP1万ドル(年収120万円)で中所得国のワナという成長の限界に来ている。

②不動産バブル

2019年不動産価格の年収倍率は、深圳35倍、上海25倍、北京24倍、広州16倍、(東京13倍)とバブルが異常。大手デベロッパーの資金問題がでている。14億人の人口に32億人分の完成物件がある。

③銀行破綻

地方政府は融資平台という投資会社を設立、不動産理財商品を組成、銀行で販売、資金調達してきた。理財商品の債券は、地方政府の保証があると期待されてきたが、実際はない。債券が暴落すると、銀行資金調達に波及し、銀行システムが危機になる。アメリカのリーマンショックの金融恐慌以上になる。評価損の発生による資産売却と資産価格の下落の連鎖による銀行破綻の危機である。中国6大国有銀行の1つ中国工商銀行が銀行子会社であるノンバンク(不良債権受け皿機関)への飛ばしが問題になっている。「チャイナプレミアム」により、海外からの資金調達が難しくなる可能性もある。

④ドル基軸体制(世界債権の6割が米ドル)に対抗したBRICS銀行、AIIB銀行が行きずまり、自己資金投資のみの開発投資になった。

⑤中国は為替の自由化や資本移動の自由化を認めないので、デジタル人民元や人民元の国際銀行決済システム(CIPS)は成り立たない。

⑥アメリカの金利上昇、ドル高、世界の商品価格の上昇、各国の金融緩和によるインフレ懸念、スタクフレーションの懸念がある。

⑦中国不動産バブル→金融危機で中国共産党は存亡の危機になる。

⑧アメリカのバブル崩壊が中国へ伝播

実体経済が改善されず、株価だけが上昇。海外の経済状況が悪化すれば、海外資金が引き上げられ、中国の資産バブルが崩壊する可能性がある。

⑨中国企業は売り上げ、資本状況など粉飾だらけ。バブルの終焉で実態が暴露、世界は大混乱に陥る。

⑩深刻な人口減少、社会保障(年金、医療)不整備、農村部の人口減少と自給率8割、水不足の深刻化、アメリカをGDPで追い越せない。豊かになる前に老いる中国。飢饉などの天災により民衆蜂起の可能性もある。

⑪ワクチンで立ち直る世界と高まる中国責任論

⑫西側諸国の経済安保体制で、輸出入貿易で追いつめられる中国共産党

 

 

そして生き残った

(そして官僚は生き残った内務省、陸・海軍省解体 保坂正康)

太平洋戦争で日本が敗戦したのは、内務省、陸・海軍省の官僚組織(最初の学校成績至上主義、責任体制の不明確性、特権意識)からの必然的腐敗にある。敗戦後、陸海軍の軍人の自決に2種類ある。1945年8月15日ポツダム宣言受諾から9月2日降伏文書調印、陸海軍解体までに自決した軍人は敗戦責任(天皇に詫びる)、多数戦死者責任(国民に詫びる)自決であった。9月3日以降の自決は残務処理終了自決とGHQ戦争犯罪人裁判自決(自らのプライドを守る)自決であった。前者の代表は8月15日陸相官邸で「一死大罪を謝す」天皇に詫び割腹自決した阿南惟幾(あなみこれちか)である。後者の例は、9月11日GHQ逮捕にピストル自殺未遂をした東条英機である。自らのプライドのためだった。天皇・国民に詫びる姿勢ではなかった。

日本帝国の終焉に散った自決者は500人以上いる。その中で、陸軍の横暴を訴え、親泊朝省(おやどまりちょうせい)陸軍大佐は、降伏文書調印の前夜に一家4人自決している。ガダルカナル戦の作戦参謀で「ガ島で死すべかりし命を今宵絶ちます」といい、陸軍の横暴を痛烈に自己批判した。陸軍が敗戦に至って、政府、国民から見放され、戦争責任者に立ったことを痛烈に反省した。満州事変、支那事変は現地軍の独断である。我ら軍人の罪である。「即ち、無辜の民衆にたいする殺戮、中華民国人に対する蔑視感、強姦、略奪等の結果は、ある高貴の方(皇族)をして、皇軍を蝗軍と呼ばしめ奉るに至ったのである」という。また、ガダルカナル戦の戦争指導の問題点にも触れている。大命に沿って戦った部隊と二重の心を持つ指揮官の例を紹介している。また、軍が政治に興味を持ったのは敗北の有力な原因とした。アメリカ側もよく分析していた。「日本の兵は強いが、日本の軍中央部は恐れるに足りない」陸軍の人事についても指摘している。「まことに恐るべきことは、第1線に出されることが懲罰とされていたこと」という。省においてもある高級将校は「俺の言うことを聞かぬ奴はニューギニアの第1線にやるぞ」と部下を脅していたという。どうして強い軍隊たりえようか。

インパール作戦に従軍した下級兵士の証言もある。いかに数多くの仲間が大義のないこの戦闘で理不尽に死んだか。この作戦を進めた軍司令官について、あんな軍人が畳の上で死んだことは許せないと叫んだ。終戦時に腹を切って責任を取れということだ。

もっと恐ろしいことがある。身近に実例がある。全滅戦の指揮官が戦後生き残っていることである。部隊が全員万歳突撃か自決して全滅したとき、司令官は秘書に、立派に死んだことを見届けることが自分の役目であるといい、2人で戦線を脱出して、戦後ぬくぬくと豊かに長寿を全うした実例がある。恐らくかなり多数の高級指揮官も同じであったろう。

最後の陸軍大臣となった下村定は戦後処理の成功と失敗を語っている。成功は軍人をそれぞれの故郷に戻したこと。失敗は陸海軍に保管している資材を放出してもよいとしたことだ。その実施要領や手続きがあいまいなため、資材・食料が要領の良い者によって一方的に持ち出されたことだ。軍人の中には暴利を貪った者が多数いた。戦後日本の成功者になった者も多かった。その他にも、うまく立ち回り、戦後のノーモラル時代を突き抜けた土地・金持ちが出た。新しい戦後日本の資本主義モラルが出来た。

 

 

 

5つの正義感

(日本は戦争に連れてゆかれる 副島隆彦)

正義感とは、モラル、マナー、倫理観、道徳とも言われる。物事を処理するとき、自分なりの信念を持っていて、不正をよしとせず、正義を通そうとする気持ち。正義とはギリシア時代から5つの考え方がある。

5つの正義の考え方

1.国家、公共、一族、一家の正義 立派な行動をし、外敵と戦って死ぬ正義。

2.裁判所、世俗、金銭処理の正義 正と不正がある時、取引して平衡・つりあいを取る正義

3.信仰、神の国の正義 この世の正義は、自分の信仰によってのみ決められる。

4.貧乏人を助ける正義 持たざる者にも分け与える正義、福祉国家の正義

5.かまど、エコノミーの正義 食べるもの・お金がある無しの現実で、物事を処理する正義

 

論語と算盤 日本資本主義

(お金の日本史 井沢元彦)

日本資本主義の根本は、渋沢栄一の提唱した「論語と算盤」である。商工業の世界に武士道つまり倫理を確立することである。江戸時代は「朱子学の時代」=「朱子学バカの経済オンチ政権」であった。朱子学の経済面の思想は「商売とは人間のクズのやる悪事」ということだった。明治維新5ヵ条のご誓文第2条は「上下心を一にして盛んに経綸(経済活動・商売)を行うべし」とあり、貿易商業立国を目指した。商売は人間のクズがやる悪事という偏見が、商業を蔑視する朱子学の思想が、江戸時代から残っており、これを解消しないかぎり近代資本主義国家になれない。士農工商の差別を解消せねばならない。明治政府は明治2年、四民(士農工商)平等の原則を打ち立てた。

儒教は論語(孔子主義)と宋代以降の朱子学(ネオ孔子主義)がある。孔子は「商売は人間のクズのやる悪事」などと決めつけていない、それをヒステリックに叫んだのは朱子なのである。ならば儒教の根本である孔子の教えに戻ればいい。論語には商売のすすめとも受け取れる言葉がたくさんある。「恒産なくして恒心なし」だからこそ、われわれは定期収入を得られる商売をおろそかにしてはいけないと言う。渋沢は儒教孔子にことよせて、近代資本主義の道徳・倫理を確立した。渋沢は「朱子学の罪」と題する講話で、孔子は商業を悪としなかったのに、その教えをゆがめたのは朱子だと厳しく批判している。「孔子の教えを世に誤り伝えたのは、宋朝の朱子であった。孔子が貨幣富貴を卑しんだように解釈を下し、貨殖富貴を得る者を不義者にしてしまった」。渋沢栄一は日本資本主義の父と呼ばれる。

 

日本の白物家電が世界に乗り遅れた原因

(預金封鎖、財産税、10倍のインフレ 浅井隆、小黒一正)

浅井 日本は白物家電など民間の経済自体が活性化していない

小黒(法政大学経済学部教授) 「スマイルカーブ」という言葉があります。川上の製品開発と川下の流通・サービス・メンテナンスの付加価値・収益性が高く、中間の組立・製造の収益性が低い。企業が収益性を高めるには、川上と川下に資源を集中し、中間の製造段階は海外に外注する(中国が代表例)のが賢い戦略になる。アメリカのi-Phoneはこの戦略・構造を採用している。こういう世界的潮流は、日本にとってはとても不利である。系列を重視する大企業がその製造部分を捨てなくてはならない。これは終身雇用とも馴染まないので、日本が製造業で乗り遅れた原因になっている。

 

納豆菌と麴菌

(幻のアフリカ納豆を追え! 高野秀行)

食品を発酵させ、デンプンやタンパク質を糖やアミノ酸にすると、うま味や甘味が出て、体にいい食品になる。醤油や味噌は麹菌が発酵させ、納豆は納豆菌が発酵させる。

納豆菌は稲わら等の枯草に潜んでおり、菌として暑さ寒さにも強い最強の菌である。大豆などの豆を茹でて稲わらに乗せ、40℃位の所に置いておくと簡単に納豆になる。煮た豆を葉っぱに包んで囲炉裏の上に置いておけば簡単に納豆になる。豆の原型だと食べにくいが、納豆菌で発酵させるとアミノ酸になり食べやすくなる。腸まで届き、善玉菌を増やし、血栓を溶かし血液サラサラにする。豆さえあれば、有用食品にすることができる。納豆は、においもあり、正面に出ていないので、自国だけと思っている国民が多いが、なんと納豆は世界中で作られているのだ。一番、量の多いのは西アフリカのサハラ砂漠のヘリ半乾燥地帯(サヘル)に自生するパルキアの木の実(大豆によく似た豆)を納豆にすることだ。サヘルはナイジェリア等15か国にまたがり人口が多く、世界最大の納豆地帯と言える。次はアジア照葉樹林地帯9か国の納豆地帯になる。人類は同じで地域が違っても同じものを求めるようになるのだ。

味噌や醤油は麹菌(米麹菌、麦麹菌など)でデンプンをブドウ糖にし、酵母でアルコール化し、大豆・小麦を発酵させれば出来る。米を発酵させれば日本酒になる。ただ、麹カビ菌は納豆菌ほど強くなく、条件の良い専用の環境で、蒸した米の上で増やさないと大量の米麹はできない。調味料としては、味噌やその上澄みの醤油の方が圧倒的に優れているので、味噌、醤油が好まれる。納豆菌が混じると麹菌は負けてしまうので、併存はしない。中国や日本の関西九州は納豆は食べなくなった。ただ、韓国の納豆汁チョングチャンは納豆菌と麹菌がまじっているみたいだが。

 

旧暦と新暦

旧暦の春は1,2,3月、夏は4,5,6月、秋は7,8,9月、冬は10,11,12月である。1ヶ月ずれている。中秋の名月とは8月の15夜のことである。旧暦の1月は新暦の2月である。旧暦の正月は新暦の2月のはじめである。旧暦の3月3日桃の節句は新暦の4月初めである。旧暦の5月5日の子供の日は新暦の6月初めである。旧暦の大晦日は新暦の1月末である。新暦の春は2,3,4月、夏は5,6,7月、秋は8,9,10月、冬は11,12,1月である。立春、立夏、立秋、立冬はそれぞれ2,5,8,11月である。これで、季節感が実態と合う。

旧暦は月をベース(29日周期)しているので、3年に1回潤月があり、農作業には使えない。中国で紀元前3世紀ごろ、24節気が考案された。冬至を起点にして、1年を24等分し2至2分(冬至12月22日、夏至6月22日、春分3月21日、秋分9月22日)を決め、その中間点を4立(立春2月4日、立夏5月5日、立秋8月7日、立冬11月7日)をもって四季がはじまり、1年は正月立春にはじまり、12月大寒で暮れます。24節気は黄河流域の気候を基準としているため、日本の気候とは多少違いもある。

 

 

 

 不動産価格20倍(年分)の法則

(逃がせ隠せ個人資産 副島隆彦)

年間家賃×20倍(年分)=不動産売値価格

不動産売値価格は年間家賃の20倍(年分)だ。月2万円の家賃の年家賃は24万円だ。この不動産の売値価格は、2万円×12ヵ月×20倍(年分)=24×20=480万円だ。副島隆彦が、ワンルームマンション、駅前小型ビル、商業大型ビルの家賃と売値を調べた結果、これら不動産すべての売値は、概算で「月家賃×12ヵ月×20倍(年分)」であった。東京と地方の差は家賃で調整してあり、日本の年間家賃収入と不動産価格の関係は20年分なのだ。

 

相続税5,000万円以下はかからない

(税金恐怖政治が資産家層を追いつめる 福島隆彦)

世界の先進国(米、欧、日)は、財政赤字から資産家層に対する徴税姿勢を強化しつつある。日本も消費税10%、所得税最高税率45%、住民税復興税上乗せ、固定資産税増、年金保険・高齢者医療費・介護保険料増、贈与税最高55%、相続税最高税率55%、法人税23%など税金項目が目白押しだ。相続税は2015年から、相続財産が5,000万円以下だったら、相続税がかからない。基礎控除が「3,000万円+法定相続人1人600万円」に縮小した。従来は1億円位であった基礎控除が4割縮小された。課税対象人口比率が1.5倍の4%→6%に増える。

 

老後の3大必要資金

(グレート老後 荻原博子)

人間は誰でも90歳を過ぎると死ぬ。要介護1になると、服のボタンが留められない。要介護2になると、外出できない。要介護3になると、寝たきりになる。老いは病気ではなく、死への段階だ。老いは自然なことである。

老後の3大必要資金は、①生活費②介護費③医療費である。

①生活費 住宅ローンも終わり、子供の学費も終わり、2人の年金でなんとかやっていけるかなという状況だろう。

②介護費用 介護状態の場合の必要資金は、実際のアンケートでは、今は介護保険で、かなりカバーされて、平均で550万円。2人だと1100万円位かかっている。

③医療費 今は高額医療費制度があるので、70歳以上で100万円の治療でも、支払いは5万円で済む。老後の医療費は、2人で2~300万円程度である。

以上で2人で1300万円くらい、年金をやりくりして、ざっと1000万円以上貯蓄があれば、なんとか、なりそうである。

 

バブル崩壊と世界低賃金化と人生設計

(世界にひとつしかない黄金の人生設計 橘玲)

1.1989年にベルリンの壁が崩壊し、世界が東西分裂からワンワールドになり、旧共産圏の低賃金労働者が参入し、時を同じくして、日本は株式と不動産のバブルが崩壊し雇用も崩壊した。

平成元(1989)年~平成11(1999)年のバブル崩壊失われた10年間で巨大な日本経済悪化が起きた。1997年の山一證券、北海道拓銀の倒産が象徴だ。高値を買い過ぎたのだ。崩壊して不良借金になったのだ。同時に中国を中心とした低賃金労働者の参入により、日本国内企業は疲弊した。その結果、戦後の冷戦時代の円安の55年体制は崩壊し、金持ち日本人から貧乏日本人に没落した。

①終身雇用制度の崩壊

②年功序列の人事システムの崩壊

③メインバンク制が崩壊し、会社が不安定化

④失業率上昇、再就職困難

⑤不動産神話の崩壊

⑥大借金企業救済のためのゼロ金利政策で、個人の金融資産が仮死状態になった

⑦生命保険会社の保険金額が減額されることも出た

⑧年金制度の給付減額で、老後を年金だけですごすことは不可能になった

⑨健康保険料や医療費の大幅上昇が確実になった

⑩景気対策のための国債増発による国の巨額借金を返済するため、増税が不可避になった。

日本人の人生設計

1)子供の教育費の問題

①子供のいない日本人には、人生設計など必要なし。毎年のキャッシュローの範囲内で生活し、余った分を貯蓄、200万円を30年で6000万円+公的年金、健康保険で人生は安泰である。

②子育ての必要な日本人の人生設計 現在の東京圏の日本では、子供1人につき、1500万円~3000万円、マンション1戸分の教育費がかかる。それはゆとり教育で公教育が崩壊していて、一部の有名校を除いては、私立学校に通わせざるをえないからである。すると65歳定年のときに、公的年金以外頼るものが何もない。肉親一族の支援を得る体制を整えておかねばならない。

2)家の問題

①子供のいる夫婦は家を買ってはいけない。家のローン返済と子供の教育費が重なると、借金するしかなくなるからである。

3)少子化の解決策

①授業料無料などの教育費減税②公教育の民営化③子どものいる世帯へ年100万円等の所得移転

 

 

2019年米国成人4割が独身

(Forbes JAPAN)

2019年米国の成人(25-54歳)4割38%が、独身・シングルアダルト(1990年、30年前、3割29%)であった。米国国勢調査でわかった。男性の収入が少ないこと(年収240万円、月収20万円)が関係している。グローバル資本主義により、国家も、企業も、個人も、生き残れる方法を考えねばならない時代になった。個人が会社を中心に人生を設計できる時代は終わってきているのだ。

2019年に一度も結婚したことがない成人は、33%=1/3で、1990年17%より倍増している。同棲は9%(1990年は4%)。

一方、日本は2030年には男性の3人に1人、女性の4人に1人が生涯未婚者と予測されている。現在は、男性25%、4人に1人、女性15%である(国立人口問題研究所)。未婚率上昇は、世界的傾向で日米欧みな同じである。

 

 

 

資産=収入ー支出+家+預金

人間が生きるのに必要な資産は、資産=収入ー支出+家+預金である。現代の日本では、生きるのに必要な資産=収入ー20万円/月+家(借家ならー5万円/月)+預金である。家がないと、月25万円の定期収入がないと、食べていけない。65歳の定年時に、厚生年金23万円/月支給がないと、残りの収入をなんとしても、確保せねばならない。預金で60-90歳まで食べようとすると、20万円×12ヵ月×30年=7200万円、80歳までの20年間では、4800万円必要である。結局、年金か自営業で、月20万円定期収入がないと、生きてゆけない事になる。このグローバル資本主義の世の中では、70歳まで定年が伸びた公務員生活が、極めて魅力的に見えてくる。

 

日本株式の2匹のくじら日銀・GPIF

(BSテレ東・マネーのまなび)

日本は年GDPが500兆円、国富が3100兆円、株価総額600兆円、土地資産額1100兆円である。日本株式市場には、2匹のくじらがいると言われ、2020年末で日銀が51兆円、GPIF(政府年金投資基金)が47兆円持って日本の最大株主になっている。日銀はETF(日経平均など指数に連動する上場投資信託)、GPIFは9割がインデックスファンドである。GPIFはガバメント・ペンション・インベスト・ファンドで日本のペンション(年金)のうち200兆円を運用している行政法人である。2011年安倍政権以降、株式を中心に100兆円の収益を上げた。GPIFの基本ポートフォリオは、200兆円を4分割した投資である。外国株式25%、国内株式25%、外国債券25%、国内債券25%である。海外と国内を合わせると50%を株式に長期インデックス投資をしている。それで、100兆円の収益を得ているのだから、このやり方は大いに参考になる。GPIFは2000年からスタートし、20年くらいかけ100兆円、年率3.7%増を得た。前半の10年はそんなに増えなかった。これから配当のいい株式に投資する手法も、大いにあると思う。

 

冬の庭の楽しみ

日本は春夏秋冬の四季が確実にめぐってくる。暦の上の冬は、立冬が11月上旬、11月12月1月が冬になる。平均気温では、11月が17-5℃、12月が12-0.4℃、1月が10-▲2℃、2月が11-2℃で、寒さの冬は12月1月2月になる。気温の秋は9月10月11月なのだ。秋は収穫の秋で、くり、もも、なし、ぶどう、りんご、かき、みかん、里いも、さつまいも、きのこ、の山の秋と、さけ、あじ、さば、めんたいこ、海の秋の食べ物がおいしい。また、11月上旬の大菊の花、抹茶始め、下旬の紅葉も楽しめる。

では、寒い冬の楽しみはどんなものがあるだろうか。その一つに、冬の庭の、庭仕事の楽しみがある。冬は干し冬物野菜の季節である。11月上旬から大根をスライサーで千切りにし、物干し竿に、干しネットで干し、切干大根を作り、煮物を楽しむ。我が家は老夫婦2人なので食べる量は少ない。白菜1玉を割いて、半日干して、3%の塩漬けにする。漬け容器は、西側の横庭で、ふたをして屋外に置く。1週間後から白菜漬けが食べられる。乳酸菌発酵で健康によい。大根2本を物干しで半月干して、3%塩のぬか漬けして、たくあんを作る。1ヵ月後から食べられる。(難しい。歯に硬すぎる)ゆずが11月に黄色くなったら、レモン絞りで絞って、皮を千切りして、砂糖で甘くしてゆず茶を作る。ザワークラウトもよい。キャベツ1個をスライサーで千切りにし2~3%の塩で塩もみして水を出し、18℃の温度で空気に触れず、汁につけて1週間で食べられる。(難しい。やめだ)ゆず大根甘酢漬けもいい。また、魚の酒粕漬けもいい。平安時代からある料理法だ。魚はなんでもいいが、白身魚はうま味がでる。発酵食品で健康によい。それから、庭の椅子にすわって、コーヒーを飲みながら、ひなたぼっこをするのが、本当に気持ちがいい。11月下旬に近くの日本庭園の永保寺の紅葉も楽しむ。

12月1月2月の冬は、野鳥のえさが不足する時期だ。庭にバードフィダー(鳥のえさ台)があるので、この時期えさを与えて、バードガーデンにする。クロガネモチや梅があるので、ヒヨドリやメジロは来ていたが、今年はバードフィーダーにアワ、キビ、ヒマワリ、くだもの等を置き、すずめ、うぐいす等も見て楽しみたい。

3月以降は、チョウの好む蜜源植物の百日草(ジニア)、マリーゴールド、三尺バーベナを植えて、バタフライガーデンを楽しもうと思っている。いままでは、ゆずの木に黒アゲハが来ていた。

 

日本の年間平均賃金39,000ドル30年間横ばい

(中日新聞2021年10月25日)

OECDデータによると、30年間横ばいで、35か国中22位と相当下位になった。米国の約半分だ。年間420万円月収35万円である。社会保険料(厚生年金と健康保険)を控除すると、約360万円(月収30万円)、これに税金負担(所得税、住民税、消費税)が加わる。さらに、新型コロナ禍が追い打ちをかける。

日本の賃金が上がらない理由は、3つある。

①デフレによる物価の低迷・ものが安い

②終身雇用、年功序列、リストラしにくい、不採算事業の低生産性・もうからない

③非正規労働者増加・きゅうりょう低い

現在の日本の経済成長と賃金上昇の構造転換は、道のりが険しい。

国家公務員の行政職の平均年収は最も低い鳥取県で550万円(平均43歳)、最高の東京で660万円(平均41歳)、ボーナス支給月数は4・3か月である。

 

沈黙の強さ

(芸人・作家 太田光)

向田邦子が飛行機事故で亡くなって、今年で40年たった。

向田邦子は沈黙の作家だ。肝心なことはしゃべらない。本当の思いを隠してしまう。その沈黙は強さである。今の政治やSNSは言葉と言葉の戦い。全部、言葉にしないと気が済まないというのに。

向田邦子はリアリストだった。当時は全共闘運動真っ盛り。そういう理想主義やイデオロギーはダサいという目線があったような気がする。そんなことではモノを作れないじゃないかと。どれだけ立派なことを言おうと、どれだけ悲しもうと、人はおなかが減る。そのリアリティーに目をつけて、作品にするところに向田さんの強さがある。悲しくても食べていかねばいけない。自分はコントでもなんでも書く職業作家なんだという覚悟を感じる。

今年の東京オリンピック開催前の日本で、五輪どころじゃないと言う人と、それでもやると言う人。日本人というのは常にこういうことでもめていて、でも先に進まなければいけない。向田さんには思想はなくて、右往左往する人間をただ観察し、どっちの気持ちも冷静に見て、面白いなあと楽しんでしまう。だから向田さんが考えていることは相当、不謹慎だ。でもそれをきちんとエンターテインメントにしてしまうところに向田邦子のすごさがある。

 

古代文字の歴史

(古代文字の世界 飯島紀)

人類の文字の歴史は、BC3500年メソポタミアのバビロン近辺のシュメール人(インダス文明のドラビダ人、南インドの色黒、短背に近い人種)が、絵文字から次第に表意文字を含み、表音文字になった楔形文字を発明した。絵文字は最初は縦書きであったが、柔らかい粘度板に書いたので、左から右へ横書きになった。シュメール人、アッカド人、バビロニア時代、アッシリア時代と伝わった。BC3000年古代エジプト人が絵文字の象形文字を使かった。BC1500年中国殷王朝が絵文字の甲骨文字を始めた。文字の最初はみんな絵文字だったのだ。それから、表意文字、表音文字に変化した。アルファベット・ラテン文字はシナイ絵文字、ヘブライ文字、フェニキア文字、BC700年古代ギリシア文字を経て出来た。アルファベットは古代ギリシア人がフェニキア文字を元にしてギリシア文字を作ったのがはじまりである。ギリシア文字の最初の2文字アルファ、ベータに由来する。

肥沃な三日月地帯(ペルシャ湾、チグリス・ユーフラテス川、シリア、パレスチナ、エジプトの半円形の地域)は、セム・ハム語族である。アラビア半島、東アフリカに分布する語族。子音が多く、母音はアイウである。セム語族はメソポタミア、シリア、フェニキア(22文字)、パレスチナ、アラビア語(イスラム教によりイラク~北アフリカに広まった)、エチオピア。ハム語族は古代エジプト、リビア。セム語族メソポタミアにおける神々は、エジプトのファラオと違い、王は神として崇拝されたことはない。王は臣下と神々との仲介者であった。

牛の家畜化はBC8000年、メソポタミアの農耕文化とともに始まり、絶対に必要な労働力であったので、最初に牡牛信仰が普及した。その後、太陽信仰が生まれ、天候神が主神となると、牛は使者、乗り物になった。BC1300年牧畜民アーリア人がインドに侵入した。インダス文明の農耕民ドラヴィダ人は南インドに押された。アーリア人は雷・暴風雨の天候神シヴァが主神であり、ヒンズー教の主神となった。アーリア人が牧畜民から農耕民に変質するに従って、農耕民ドラヴィダ人のヒンズー的なものに改宗される。ドラヴィダ人は農耕民で、特定の王を持たず、都市城壁を作らず、樹木や岩石を神の依り代とし、牛信仰を持ち、蛇・竜神を恐れ、先祖崇拝を重んじた。古モンゴロイドの末裔と考えられる。

 

日本記紀神話のあらすじ

(日本の神社 廣済堂、新羅神社と古代の日本 出羽弘明)

日本は渡来系の氏族ごとに様々な神話が伝わっており、大和朝廷が成立すると、神話の統一が必要になった。そのため、古事記(712年8世紀成立、新羅系の天武天皇の時代に作り始めた。天皇家の正当性を表す歴史書。飛鳥時代6世紀末ー7世紀初33代推古天皇まで)と日本書紀(720年天武の孫、元正天皇時代成立、外国向けの日本の正史。7世紀末41代持統天皇まで、父天智天皇・夫天武天皇)が編纂された。ふたつの書物に出てくる神様が神社に受け継がれてゆく。

①国生み神話 伊邪那岐神と伊邪那美神は、8つの大島と6つの小島をつくり出した。天照大神と月読命と素盞嗚命を生む。

②素盞嗚命が出雲に追放される 素盞嗚命は出雲の櫛名田比売と結婚。素盞嗚命は新羅系渡来人。

③素盞嗚命の子孫の大国主命が出雲を中心に地上を支配する。

④天孫降臨 高天原から大国主命に国譲りを迫り、天照大神の孫ニニギノミコトが地上に降臨する。

⑤その子の山幸彦の孫が神武天皇。記紀神話で初代の天皇。高千穂から大和まで遠征し国土を統一する。

⑥崇神天皇など経て、景行天皇の子・倭建命は九州や東国の豪族を従える。

⑦景行天皇の跡は成務天皇だった。子供がいなかったので、倭建命の子が仲哀天皇になる。

⑧5世紀15代応神天皇 仲哀天皇と神功皇后の子。筑紫生まれで、王陵が河内にあることから、倭の5王讃の説もある。古墳時代。全国4万社最多の八幡神社の祭神。海神、武勇の神。蝦夷、海人を制した。秦氏の祖である弓月君渡来、百済の王仁が論語、千字文など伝えるなど渡来人の来朝があった。現在まで続く継体天皇系統の祖先である。

 5王雄略天皇後、大伴・物部・蘇我の豪族時代、7世紀推古天皇以降7世紀末天武天皇の飛鳥時代・6世紀末ー8世紀初の120年、8世紀初710年から平城京・奈良時代80年、8世紀末794年桓武天皇から平安京時代12世紀末までの400年、12世紀末1192年から鎌倉時代150年と続く。

 

日本和食文化

(和食とうま味のミステリー 北本勝ひこ)

2013年ユネスコ無形文化遺産に「和食」が登録された。和食は日本で出来た食文化なのだ。和食とは、お米、汁、魚介、発酵野菜の食事である。栄養バランスがよく、健康に良い。

日本は島国で、山が多く、平野が少ない。高温多湿で雨が多い(微生物も多い)。転作が必要な麦作と食用家畜・酪農よりも、麦の5倍の収穫量のある水稲の方が、土地効率がいい。結果、米と魚介、鶏、野菜の食文化になった。古代の神饌料理、平安の大饗料理、仏教の精進料理、室町の本膳料理(かつお節と昆布のだしと醤油、酒、魚、野菜、焼き物、汁物、香の物、飯)、茶道の一汁三菜料理、江戸の天ぷら、すし、そば、うどんの庶民のためのスナック料理と和食が進化した。

味覚は5味(酸味、苦味、塩味、甘味、うま味)あるが、洋食の肉食油脂うま味ではなく、和食は植物系うま味を追及している。アミノ酸系うま味=昆布グルタミン酸と、核酸系うま味=かつお節イノシン酸、しいたけグアニン酸の2系統がある。うま味は昆布とかつおを同時に使うと相乗効果があるという性質がある。赤ちゃんは、母乳にあるグルタミン酸(アミノ酸・タンパク質)のうま味と甘味を選択する。

うま味はひしお(醤)から始まった。食品を長期保存するため、塩漬けにした。そうしたら、空気中にいる微生物(目に見えるカビ=麹、目に見えない細菌バクテリア=乳酸菌、酢酸菌、納豆菌など)がタンパク質やデンプンを食物として、糖、アルコール等有用物やアミノ酸を作り(発酵する)、うま味が出ることが分かった。平安時代はこの大豆と大麦の塩漬け発酵物をひしお(醤)として、調味料にしていた。平安の大饗料理は味付けしない素材食品を4調味料(塩、酢、酒、ひしお醤)につけて食していた。その後、ひしお(醤)の固形分が味噌、液体分が醤油として独立した。味噌は、汁の材料として使われるようになった。

発酵食品は日本酒から始まった。当初は口かみ酒であったが、次に麹で作る日本酒になった。カビのはえたご飯にお湯を加えたら、甘酒になった。当時は分からなかったが、カビがお米のデンプンを糖化した。次に見えない空気中の酵母によって、糖をアルコール発酵(糖→アルコール+CO₂)したのだ。このカビの生えた蒸米を麹(こうじ)と言った。このカビをフラブスという。良い麹菌でないとダメなので、専門の種麹屋ができた。木灰(アルカリ)を入れると胞子の耐久性が高まる、ろ過、火入れ法など、改良を加えて(麹菌の家畜化)遂に、現在、国菌と名付けられた毒素遺伝子が欠落した「オリゼ」麹菌が完成している。

味噌と醤油も、大豆・米・麦に麹菌を使い、うまくいった麹菌を混ぜ合わせて、次に作るというやり方の友種法で作った。デンプン→糖(アミラーゼ)、タンパク質→アミノ酸(プロテアーゼ)。そのうち、白、黄、茶のカビが良くて、青、黒のカビはダメという事が分かった。そうこうして内に、醤油専門の家畜麹「ソーヤ(プロミアーゼ)」が出来た。

発酵という微生物の働きにより、人類は有用な食物、健康な肉体を得ているのである。

 

コメ1石は1人が年間食べる量

コメ1石(150Kg)が、昔の1人1年分食べるコメの量であった。1石は1,000合である。1日分にすると3合。昔は1合茶碗2杯が1食分の目安だった。現在はこの半分くらいだが。江戸時代、経済のモノサシは現物のコメだった。農民の年貢も、武士の給料もコメだった。加賀100万石とか、100石取りの武士とか、養う人間の人数とリンクしていた。コメの計量カップは、今でも容量は1合(180cc)=150gになっている。

 太閤検地で、コメ1石(150キロ)がとれる面積は300歩(坪)=1反とすると決められた。1石とれる田んぼが1反(300坪)である。1反=300坪=1000㎡=10アール。300坪の田んぼが人間1人1年食べ生きる面積だった。明治時代に1尺=30cmと定めた。1坪は6尺×6尺なので、3.3㎡。1反は300坪で992㎡。ほぼ1反=300坪=1000㎡=10アールとなり、メートル法への移行はスムーズに行われた。今でも10アール当たりの収穫量を反収と呼んでいるが、現在の反収は540Kgで昔の3.6倍ある。農家がどれくらいの田んぼが必要だったか。1人分食べる量が1反。売って現金を得るために1反。計2反。年貢が5割で、1人4反必要。6人家族で24反=7200坪(90m×90m)くらい必要になる。かなり、土地が必要だった。

 

 

お金が回らないのが不景気

(ヤンキーの虎 藤野英人)

お金が使われなく回らないのが不景気である。90年代のバブル崩壊以降、日本は30年間低成長である。原因はバブル崩壊やリーマンショックの超打撃に懲りて、みんなお金を使わなくなったからである。投資をしなくなったからである。「大企業のサラリーマン経営者300兆円貯蓄」「銀行など大手機関投資家貸さない」「800兆円を抱え込む個人」の3者である。貯金してイザというとき、その貯金で生きながらえようと考えているからだ。実際、この30年間、へたな投資をするより、貯金した方が安全であった。しかし、現状維持であった。

2013年4月、日銀の黒田バズーカは、日銀がどんどんお金を刷り、金融機関から国債を買い上げることで、市中に資金を流した。するとお金の価値が下がる。2014年10月2度目のバズーカを打った。お金があふれて、株価が上がった。2016年1月3度目のバズーカが実施された。マイナス金利だ。金融機関は貸付先の拡大が必要になった。「融資拡大」「投資拡大」「消費拡大ー販売業、サービス業」の3経路でお金を回そうとした。「動く人」と「動かない人」に分かれた。日本人の8割は動かない人である。

2020年、2021年とコロナ伝染病が世界規模で発生した。日本もコロナ対人4業種(宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業)は政府の資金繰り支援策で支えられた。中小企業の6割を占めるこれら業種は、コロナ終了後、返済が必要になり、企業体力が消耗する。

また、そこで働く人の2020年年間給与調査(最多層)によると、サービス業(200~300万円、162万人)卸小売業(100~200万円、161万人)宿泊・飲食サービス業(100~200万円、57万人)と月収15万円レベルの極限状況にいる。

自民党ポスター「新しい時代を皆さんとともに」の岸田首相の新時代は、厳しい時代を突破しなければならない状況である。

 

土の文明と米

(土の文明史、コメの歴史、赤米のたどった道)

原始時代は、ナッツ(ドングリ、クリ、ギンナン)が主食だった。カリフォルニアのアメリカ先住民は、ドングリを水でさらして、常食にしていた。その後の文明は1000年から2000年で終了している。土壌生産性が維持されているかぎり、社会は発展し繁栄する。土壌が無くなったとき、全ては崩壊する。長く繫栄するには、土壌を保全するか、泥が補充される環境にあるか(古代エジプト)どちらかだ。農業生産力と人口はリンクしてきた。土壌を供給しない限り、農産物による消費と天然風雨水による流失で、土壌と栄養は無くなる。そして、農産物は出来なくなる。農業開始のメソポタミア、ギリシア、ローマ、マヤからイースター島の島民絶滅の歴史は、人間が土壌を使い尽くし、木や草や家畜を食べつくして、文明が消滅したことを示している。土壌を使い果たして、新しい土地(南北アメリカ大陸のような)に移動することを、将来の世代は選択できない。1950年代の高収量品種・化学肥料の緑の革命も限度がある。世界人口は80億人に達し、これから成長の限界に達し、食料不足に悩まされるだろう。アメリカ、ヨーロッパ、中国も厳しい。

世界の人口の3分の2はコメが主食である。コメはアジアイネ(長粒種、単粒種、水稲が50%)と西アフリカ赤米(日本の中世の大唐米など、陸稲・病気に強い)の2大品種がある。水田は山の水が栄養を運んでくるので、連作がきき、土壌保全がしやすい。小麦大麦、とうもろこし、じゃがいもなどの穀物イモ類による土壌流失と違い、水稲が食料の注目を浴びてくるだろう。 

 

(土の文明史 モントゴメリー、豆図鑑 自由国民社)

2万年前、最終氷期から間氷期に移った後、メソポタミアでシュメール人は野生のライムギ、コムギ、オオムギやレンズマメ、エンドウマメなどの作物を栽培する農業と畜産(フンが肥料になった)が始まった。農業で人口が爆発的に増加し定住化と町ができた。都市が誕生し、余剰食糧が、農業以外の社会部門を担う階級ができた。宗教・政治・軍事階級ができると、私有財産という概念が生まれた。農業のはじめは、穀物と豆であった。

豆とは、マメ科の植物で種子を食用にするものをいう。6属8種ある。

1.インゲンマメ属いんげんまめ種(原産:中南米)炭水化物50%以上・・・金時豆、白いんげん、うずらまめ等

2.インゲンマメ属べにはないんげんまめ種(原産:中南米)炭水化物50%以上・・・白花豆、紫花豆

3.ダイズ属だいず種(原産:中国)たんぱく質30%以上・・・大豆、黒大豆など

4.ササゲ族あずき種(原産:アフリカ)炭水化物50%以上・・・小豆、大納言

5.ササゲ族ささげ種(原産:アフリカ)炭水化物50%以上・・・十六ささげ等

6.ソラマメ族そらまめ種(原産:メソポタミア)炭水化物50%以上・・・そら豆

7.エンドウ族えんどう種(原産:メソポタミア)炭水化物50%以上・・・赤えんどう、グリーンピース

8.ラッカセイ族らっかせい種(原産:南米アンデス)脂質40%以上・・・落花生

 

連作障害(嫌地)

(野菜作り畑の教科書 家の光協会)

冬にエンドウ、夏にアサガオを同じ所に植えていたが、今年は貧弱であった。本を読んだら、原因は連作障害(嫌地)であった。これは、野菜も花きにも起きる現象である。あまり気にかけていなかった。連作が可能な野菜、花の方が稀なのだ。野菜ではユリ科ネギ、タマネギ、ニラやトウモロコシ、カボチャ、サツマイモ、シュンギク、ゴーヤなどが連作可能。花きではパンギー、ビオラ、サルビア、マリーゴールドなどが連作OKである。後は1年から4年置きに植えるしかない。エンドウは4年、アサガオは1年置きである。百日草ジニアも1年置きである。ナス科、ウリ科、マメ科、アブラナ科は連作障害・嫌地が起きる。プランター植えは栄養土替えと水やりが大変である。対策は有機物投入と4年4分割輪作である。結局、我が家は宿根草、花木中心であり、草花植えの場所が少ないので、4年輪作しかない。好きなアサガオ、エンドウは4年に1回植えになる。春夏花きは百日草ジニア、マリーゴールド、バーベナ、(以上が蝶が好きな花)、アサガオの1年輪作、秋冬野菜はシュンギク、ニラ、二十日ダイコン、エンドウの4年輪作になる。

 

くずし字

(くずし字の基礎 橘倫子)

現代では、楷書で文字を書くが、江戸時代は「くずし字・御家流文字」を、幕府が公式文書に記す公用書体としていた。そのため、武家、公家、庶民に広く使用された。「くずし字」は、尊円法親王(1298~1356年)の書風を青蓮院門跡が継承し、「御家流」「青蓮院流」と呼ばれた。楷書体の文字を①連続つづけ字②一部省略③早く書けるようにした草書体、行書体である。墨継ぎの回数を少なくして、文字が書ける字体である。くずし字を読むには省略のくせを覚えることである。また、文脈から文字を意訳して推定することである。

省略方法は①たらり省略②チョンチョン略字(口を' ’にする)③左へん省略④左へん、たらり⑤漢字変体ひらがな(江戸時代以前は色々な漢字をひらがなとして使った。野=の等)を理解するなどである。

 

 

リンゴの歴史

(リンゴの歴史 エリカ・ジャニク)

リンゴは中央アジアのカザフスタンの野生のリンゴから、西へ(メソポタミア、ギリア、ローマ)、東へと広まった。リンゴはバラ科リンゴ属で、1200万年前に誕生した、花をつける最古の植物である。ナシ、プラム、モモ、イチゴ、ラズベリーなど果物の多くがバラ科で天山山脈にも自生している。リンゴは種から育てると変異種が極めて多い。そのため、世界中の色々な場所で栽培が可能になった。しかし、おいしいリンゴと同じ品種を作るのは容易でない。「接ぎ木」という技法によって、同じ品種が作れるようになり、世界中の気候と土地に適応できるようになった。栄養価が高く、保存がよく長距離輸送が可能なため、世界中でバナナに次ぐ商品果物となった。。19世紀にアメリカで品種改良が進展し、海上輸送でヨーロッパに輸出し、商業商品になった。アメリカで開発されたリンゴの品種は、世界のリンゴ市場の80%を占めている。世界で最も食されている品種は、世界市場の65%を占めるゴールデンデリシャス(黄緑色)である。もう一つのレッドデリシャスはアメリカ市場で25%のシェアを持ち、「ふじ」の親木にもなっている。日本の品種はふじが5割、王林、ジョナゴールド、つがるが各1割である。

 

世界7大作物

(サツマイモの世界 山川里)

世界7大作物とは、小麦、米、トウモロコシ(南米原産)、大豆、ジャガイモ(南米原産)、キャッサバイモ(ブラジル原産)、サツマイモ(南米原産)である。炭水化物、でんぷんが多く、カロリーが取れ、人間に必要な1日2000Kcalが取れる。過去の経験から、戦争や飢饉によって、人類は救荒作物が必要になるときがある。 3大穀物は、小麦、米、トウモロコシ、3大イモはジャガイモ、キャッサバイモ、サツマイモである。危機の時は、石油、灯油、機械燃料、肥料など手に入らない。すると、日本が危機に陥った時に、国内で食料を確保するには、小麦、米は作れないので、肥料、燃料が少ない畑作になり、沖縄から関東はサツマイモ、東北、北海道はジャガイモを作ってカロリーを取るしかない。あとは、米、ソバ、サトイモ、トウモロコシ、大豆を補助にする。サツマイモは収穫量が多いので、米の3倍の人口を養うことが出来る。10アール=1000m2=1反で一家4人が1年間、生きられる。サツマイモは肥料、農薬、農機具が不要。純完全栄養食品(タンパク質を大豆、小魚から取る必要はある)、連作障害なし。ジャガイモもサツマイモも江戸時代に日本に入ってきた。ジャガイモは1600年慶長年間、サツマイモは徳川吉宗が鹿児島薩摩から、青木昆陽に命じて関東に導入した。4ヵ月程度で作物が取れるので、江戸時代の飢饉に役に立った。サツマイモは、熱帯原産なので、貯蔵した種芋から、芽だしした苗を畑に植えなければならない手間はかかる。

 

3大老化現象

老化は病気ではない、自然現象である。だが、老化現象を緩和する手段はある。

1.便秘

 高齢者の4割は便秘。80歳以上になると、半数は便秘薬を飲まないとダメな状態になる。腹筋力も弱まる。

(対応策)基本的には草食で腸の長い日本人は、肉を食べ過ぎていると、大腸の働きが悪くなり、便秘を引き起こす。便秘とは、3日以上、排便がなく、1日の便が35g以下の状況。便のカサを増す食物繊維を取る。大腸の善玉菌を増やす。食事量と水分量を確保する。腸内細菌には、消化吸収補助、ビタミン合成、感染防御する善玉菌(ビフィズス菌=乳酸菌の一種・乳酸菌)と腸内腐敗、毒素産生をする悪玉菌(ウエルシュ菌など)がある。高齢になると、ビフィズス菌が減少し、ウエルシュ菌が増加する。ビフィズス菌は善玉菌の99.9%を占める。ビフィズス菌の比率は、赤ちゃんは95%、成人20%、老人1%になる。ビフィズス菌を増やすには、食物繊維(穀類、豆類、いも、野菜、きのこ、海藻、果物、こんにゃく)、オリゴ糖(大豆、ねぎ、たまねぎ、バナナ、りんご、きなこ、はちみつ)、発酵食品(納豆、漬物、ヨーグルト)を食べる。発酵食品がポイントになる。

2.血液酸化

人間は呼吸で酸素を取る。血液はいつも酸化状態。SOP酵素が酸化を抑制するが、老人になると働きが弱くなる。血管、血液の老化で、脳梗塞など起こしやすくなる。加齢とともに低下する抗酸化作用を維持するには、抗酸化栄養素を食べることが必要になる。

①ビタミンC(黄緑色野菜パプリカ・ブロッコリー、果物キューイ・みかん)②ビタミンE(植物油べに花、種ピーナッツ)③ポリフェノール(りんご、コーヒー、緑茶、紅茶)、④ミネラル(納豆、海藻、魚介)⑤カルチノイド(黄緑色野菜・にんじん・パプリカ・みかん)

3.筋肉衰弱

①運動 ウォーキング、町内ラジオ体操、市健康センター筋力アップ体操、モークリエイション作業

②タンパク質摂取 老人は理想摂取量の8割しか取ってない。肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品をバランスよく適量摂取する。

 

日本社会の停滞と激変

(中日新聞 神戸女学院 内田樹)

日本は1992年以降、30年間デフレに落ち込んでいる。今年の物価上昇率では、アメリカ6%、独、カナダ5%、英、伊4%、仏3%、日本0%と現在もデフレ状態にいる。賃金と物価が上がらない。そうこうしている内に、重大な変化が日本に起きてきいるが、対応策が分からないで、思考停止の状態にいる。

1.定年サラリーマンは、年金と退職金のみでは、生活が不可能になってきた。75歳くらいまで働かないと生活費が足らない。解決策が無く、茫然としている。

2.全国新聞紙の、購読料と広告収入のビジネスモデルが厳しくなった。不動産収入等がないと、遠からず姿を消す状態になってきた。メデイアに解決策がなく、思考停止の状態にある。

3.日本の2100年での人口が、5000万人に減る予測になっている。後80年間で、7000万人減少する。政府は成長戦略と少子化対策を、言うだけの状態にいる。

 

2022年経済予測

(PRESIDENT年末号 竹中平蔵、渡瀬裕哉、Youtube 藤原直哉)

1.IMF世界経済見通し2022年(2021年10月予想) 2021年の8掛けの成長レベルで停滞感あり。

世界4.9%(2021年5.9%)、米国5.2%(6.0%)、中国5.6%(8.0%)、日本3.2%(2.4%)

2.日本GDP予測 前半はバラマキで年間前年比は成長

2022年令和4年7月の参議院選挙までの前半は、新型コロナは重症化が少なく、経済活動が行われるようになり、GO TOが再開すれば、経済効果は大。前半は日本経済急回復。(竹中平蔵)

日本の政党は与野党ともにタックスイーター(税金食い議員)で、補助金、給付金の政府バラマキ支出を参議院選挙まで実施。参院選後は、消費税増税の3党合意で、与野党一致で増税実現。バラマキ&増税が続く。(渡瀬裕哉)

3.世界GDP予測 米国は共和党の反対で、バラマキ&増税が出来ない。中国の状況は深刻。過剰債務、台湾、人権問題で危機。

IMFは、2022年世界経済見通しを前年の2割減少としている。中国は、GDP5.6%成長率で3割減少の見通し。

米国は共和党の反対で、バイデン大統領のバラマキ&増税が阻止されている。中国は恒大集団のリスクで過剰債務が顕在化。中国は、経済、軍事、台湾、人権問題、共産党内権力闘争と課題が山積。米中の対立が深刻化する。(竹中平蔵)

バイデン政権は、共和党の増税阻止・減税推進、議会予算局が財政分析・経済分析提出で、バラマキ&増税路線が、歯止めにあっている。(渡瀬裕哉)

4.Youtube 藤原直哉

①新自由主義(1971年金兌換停止のニクソンショック以降50年間)の崩壊。バラまかれたドルで物を買い、資源の限界が来て物価高になる。銀行、中国もそうだ。日本は岸田首相の村の政治で、合意を取る安定政治。経済不景気と物価高で、令和の恐慌が来て、舟がひっくり返る。

②中国バブルが崩壊→アメリカは貸しはがし(米軍とドル。あちこち金が詰まってきた。関係を断つ。決算・精算・決着する。)2022年は、ドルが抜ける時。日銀によると、3メガバンクがドルがなくて、困っているとの事。国際金融は、利上げとデカップリング=エネルギー・資源と経済成長を切り離して、2国間の経済と市場を切り離す。保護主義になる。

③これからは、土地土地で生きてゆく。ゆるやかに生きてゆく。

 

 

日本人は物見遊山が大好き

(観音さまだいすき 信濃毎日新聞社)

江戸時代に日本を訪れた外国人は、日本で伊勢参詣(さんけい)などの旅が盛んであることに驚いた。日本人は男女ともに、毎年巡礼をする。アジアで一番の、大の旅行好きである。日本の国民性だと述べている。神仏の参詣にかこつけた物見遊山は、江戸時代後期の、生活水準の上昇と安全な旅行インフラの普及に伴い、経済的な影響も大きく、領主も、医療のための温泉や信仰のための参詣には寛容であった。農民・商人に余裕生じれば、娯楽や遊びを求めるのは自然の成り行きであった。

平安末期の梁塵秘抄に、後白河法皇の大好きな今様、遊びせんとや生まれけん。戯(たわむ)れせんとや生まれけん。にあるように、文化や医療や信仰にかこつけて、遊ぶのが日本人の国民性なのだ。

法華経に、人を救うために色々な姿で現れる、観音三十三身という言葉があるように、33か所に巡礼する33ヶ所観音巡礼がある。西国(三井寺など)、坂東(浅草観音など)、秩父、信濃33ヶ所など、平安時代1000年前から巡礼道がある。信仰物見遊山として定着した。

 観世音菩薩  山尾三省

観世音菩薩 というのは

世界を流れている 深い慈愛心のことである

一人の人が ぼくに喜びを与えてくれるならば

その人は 観世音菩薩なのである

一本の木が ぼくに慰めを与えてくれるならば

その樹は まごうことなく観世音菩薩なのである

あなたが清らかな水を飲んで おいしいと思うならば

その水は 観世音菩薩なのである

観世音菩薩の像に接して やすらかな気持ちになれば

その像も むろん観世音菩薩なのである

 

日本の音楽史

(おもしろ日本音楽 釣谷真弓)

1.古代の楽器と音楽

三内丸山遺跡の環状列石や能登真脇遺跡の環状木柱列のような場所で祭祀のために使われたと思われるのが、音を出す道具である。ヤマトことばで楽器をあらわす語に、コト(弦楽器)、フエ(管楽器)、ツヅミ(打楽器)、スズ(鈴)、ヌリデ(銅鐸)がある。弥生文化の静岡県登呂遺跡ではコトが発掘されている。その子孫である和琴は、現在でも神楽で用いられている。

2.飛鳥奈良時代の大陸音楽

聖徳太子は供養のためには、蕃楽を用いよと奨励した。伎楽は仮面劇である。続日本紀に東大寺大仏開眼供養法会のときには、大仏殿の前で、数百人の楽人舞人によって、大陸・半島などのアジア中の音楽・舞踊が披露された。701年の大宝令で雅楽寮(和名うたつかさ)が設置され、音楽を仕事とする専門家が存在した。正倉院には、渡来の18種類、75個の楽器が残されている。

3.平安時代に雅楽が完成

平安時代は、中国の模倣を離れて国風文化をはぐくんだ。平安京人口は10万人台だった。宮廷・寺社がたずさわった礼楽思想に基づいた儀式音楽が、雅楽として確立した。雅楽は舞をともなう舞楽と器楽(弦楽器、管楽器、打楽器)合奏の管弦がある。儀式で歌舞音曲を担当するのは専門家である。楽人として父子相伝で楽家を確立した。現在でも国家公務員として宮中晩さん会などの音楽を担当している。

4.鎌倉時代は白拍子・今様・平家琵琶・仏教声明(しょうみょう)

宋文化の影響を受け、貴族・武士と庶民文化の二面性を持った芸能が生まれてきた。白拍子は男装の麗人が男舞を舞った。平安時代末期の今様をうたい、足拍子をふみながら舞う舞踊であった。南北朝の時代になって、琵琶法師が諸国をまわり、平家物語を語った芸能があった。平安時代の天台宗、真言宗に加え、新宗教が出てきた。それぞれが、独自の法会の声明音楽を展開するようになった。一般庶民が担い手となって行う芸能が登場した。

5.室町時代は能楽・日本文化のできあがり

室町時代に和風が定着した。畳、日本庭園、床の間、掛け軸、焼き物、豆腐、みそ汁、醤油、砂糖、日本茶など。芸能史上、特筆されるのは、現存する世界最古の舞台芸術として、最初に世界無形遺産に登録された能楽が確立された。能楽の起源は大陸から渡来した散楽という雑技である。これが演技が中心の猿楽になり、歌舞を重視する猿楽の能、笑いのセリフ劇の猿楽の狂言が生まれた。猿楽は座(劇団)を結成して盛んになった。その中で、観阿弥が幽玄という新しい芸能を完成させた。その息子の世阿弥の観世座は、3代将軍足利義満の後援を得て、勢力を伸ばした。8代将軍義政の時代は、公家文化と武家文化、禅宗がもたらした宋の文化、振興の庶民文化がシェイクされ、東山文化・和風文化が発達した。

6.安土桃山時代は能楽とキリシタン音楽の教会音楽も入ってきた。能楽は武将をテーマにした演目が多く、秀吉や家康が後援した。キリスト教の伝来とともに、オルガン・ヴィオラなどの楽器がもたらされた。

7.江戸時代初期は町人文化が芽生え、三味線(沖縄の三線から誕生)、歌舞伎、近代筝曲が誕生した。慶長8年、出雲の阿国がかぶき(異様な、型破りな風体)踊りを始め、人々は熱狂した。近世筝曲の祖とよばれる八橋検校が、平調子という音の合わせ方を考えだし、雅楽の音階を、三味線の都節音階(ミ・ファ・ラ・シ・ド)に変更した。初心者も学校の授業も<さくらさくら>はこれで弾く。

8.江戸時代中期は文化の伝播で地方文化が興隆、人形浄瑠璃・義太夫の成立、歌舞伎・劇場芸術が成立した。歌舞伎音楽としては、常磐津、富本、清元という浄瑠璃(三味線を伴奏に使う語り物音楽)が登場した。

9.江戸時代後期は都都逸(節回しもなく気楽に歌えた)が流行った。幕末には三味線は定着し、庶民の楽器となった。尺八(管の長さが1尺8寸)は、虚無僧が法器として読経の代わりに吹いた。

10.明治時代は押し寄せた西洋文明に邦楽界が混乱した。学校の音楽教育は小学唱歌と中学に奏楽が設けられた。

11. 大正・昭和初期は大正デモクラシーで音楽家の山田幸作、歌謡曲の誕生、新劇劇団が生まれた。1920年代、邦楽に宮城道夫が出て、邦楽に洋楽を取り入れ、ラジオ放送などを通じて邦楽を広めた。

12. 戦後は西洋音楽を日本歌謡曲に導入する動きになった。クラシック、ポピュラー、ジャズ、ハワイアン、ラテン、シャンソンなどを導入した。歌謡曲、ポップスが流行の主流になった。

 

 

教養としての宗教

(教養としての日本宗教事件史 島田裕也)

宗教はスキャンダラスなものである。だからこそ、宗教にまつわる出来事は、週刊誌の格好のネタになってきた。宗教がスキャンダラスな存在であるのは、その教えを確かめることが、本質的に困難だからである。その人間が信奉する神は実在するのか。いかなる手段を用いても、それを証明することはできない。外部の人間からすれば、信者たちは宗教家にだまされているだけだと見えてしまう。宗教、宗教家、教団には、胡散臭さがつきまとっているのである。

もう一つ、宗教への入信動機として、貧病争ということが言われる。金、家族関係のごたごたは、相当にスキャンダラスな事柄である。そこから生まれる悩みや苦しみからの救済を説く宗教は、本来スキャンダラスなものにほかならないのである。宗教は生産手段を持たない以上、その存続にはどうしても金が必要である。権力との関係の維持は不可欠である。そこには激しい抗争や対立が生まれる。スキャンダラスな方向に傾斜していかざるを得ないのである。

宗教運動はその目的を設定することが難しい。宗教が掲げる目標は具体性を欠いたものになりやすい。とりあえず、大建築物や支部末社、信者数を飛躍的に増やすことが目標に設定されるが、それが実現されると、その先がなくなってしまう。

宗教というものは、相当に危険なものである。宗教の核心は信仰であるが、ときに盲信、狂信という方向に傾いてしまう。周囲と軋轢が起こり、様々な対立や事件が起こり、トラブルの原因になる。確かに、信仰をもつことが、未来に対する希望を生む面がある。信者たちは、同じ信仰をもつ者に対して優しい。どん底の人間には、かけがえのない救いになる。宗教は、危険と魅力を併せ持っているのである。

 

 

日本宗教史

(教養としての日本宗教事件史 島田裕也)

1.貧病争のこころの克服

①人間が人生を生きてゆくということは、貧病争を克服して生きてゆくということである。

②暑さ寒さを克服する衣服、住居と毎日の食事がないと人間は1日も生きられない。

③貧病争の克服とは、その人間個人が生産手段を得て、働く以外にない。

④自分以外の援助先は、物質的には、両親、兄弟姉妹しか援助先はない。その点で、遺産相続は重要である。普通、日本では、生産手段相続は、一人相続で分割しない。金銭土地相続は、生活に困っている子供に相続させる、である。

⑤助けを求めるこころの叫びの問題としては、親族・友人やこころのクリニック(薬、カウンセリング)や宗教しか助けられるものはない。

⑥宗教は人間の貧病争のこころの苦しみをいやす仕組みである。物質面の援助はない。密教の願望成就の祈祷、病死の来世天国転生生まれ変わり、すべての者が救われる法華経の思想など、心を安らかにしてくれる。

2.日本宗教史

①仏教伝来

550年仏教が伝えられる前の日本には、神道の信仰が存在した。仏教の伝来は、奈良や京都の日本の文化の基盤を作った。神道と仏教は性格が異なる。神道は、神は形で表現されない。仏教は仏像を作りあがめる。性格が違うからこそ、神仏習合の信仰が成立した。

②大仏開眼

750年奈良の大仏殿が完成した。聖武天皇は、廬舎那仏の慈悲の力によって、安定した国家運営の実現を願った。

③鑑真来日と最澄天台宗

大仏開眼前に、鑑真が来日し、僧侶を認定する戒壇を設けた。天台宗を開いた最澄は、死後比叡山に大乗戒壇の建立の勅許が下された。天台宗は日本仏教界の中心となった。第3代座主、円仁は入唐し、法華経、念仏、文殊菩薩信仰、密教を学び、比叡山に導入した。第5代座主円珍は、三井寺(園城寺)を道場として賜った。密教だけでなく、法華信仰や浄土教信仰や新羅明神(危険な入唐船で新羅明神に会った)など取り入れ、日本仏教の総合的な道場となった。

④空海真言宗密教

空海は高野山を開いて、祈祷の密教が日本仏教界を席巻した。

⑤浄土教信仰

源信は往生要集で南無阿弥陀仏の念仏業で極楽往生を果たすことを説いた。平等院鳳凰堂、中尊寺金色堂など、密教のあとに流行した。浄土教信仰は空也、鎌倉時代の法然により、さらに広がった。

⑥日蓮

日蓮は比叡山で天台宗を学び、法華経と、密教の大日経では、法華経が優れると確信した。天台宗(法華経)以外の他宗派をすべて批判した。南無妙法蓮華経の題目に、すべての教えが含まれていると考えた。国家のあり方を問題にした。密教の個人救済中心を激しく批判した。

⑦浄土真宗

親鸞は浄土真宗の本願寺を開いた。僧侶の身でありながら、妻帯し子どもをもうけた。在家主義の立場をとった。1450年、本願寺8世の蓮如は教団改革を進め、僧侶と庶民が対等に宗教活動を実践した。蓮如のかな書きの御文は庶民に理解された。

⑧禅宗

1200年、入宋して、禅を学んだ栄西は臨済宗を開き、道元は曹洞宗を開いた。浄土教に続いて流行の仏教であった。江戸時代には黄檗宗が中国から伝えられる。開山は明の隠元である。

⑨日本宗教を一挙に近代化した織田、徳川

織田信長は比叡山や本願寺の一向一揆を打ち破った。中世を打破し、近世への扉を開いた。徳川家康は宗教権力を押え、活用した。キリシタンを取り締まるために、寺請制度を導入した。地域の寺の檀家になる戸籍制度だった。葬式仏教ができた。江戸時代は、世俗権力に支配された非宗教的時代だった。

⑩明治天皇、昭和天皇

 1868年明治維新がなり、明治天皇が立憲君主国家を打ち立てるために、祭政一致・政治的復活と現人神となった。天皇信仰は戦争を後押しした。1946年正月、日本が大平洋戦争に敗れ、昭和天皇は、天皇の人間宣言の詔書を発して、天皇は現人神でないことを明言した。

⑪なぜ宗教法人は非課税なのか

現在、宗教法人が非課税なのは、収益を上げる活動を行わない神社や寺院が存続する基盤を提供するためである。もし、法人格を与えられなければ、広大な境内や建物には相続税が課せられる。また施設を維持する費用を自前で出さねばならないので、金がかかり、存続が難しくなるのである。