くずし字

くずし字

(くずし字の基礎 橘倫子)

現代では、楷書で文字を書くが、江戸時代は「くずし字・御家流文字」を、幕府が公式文書に記す公用書体としていた。そのため、武家、公家、庶民に広く使用された。「くずし字」は、尊円法親王(1298~1356年)の書風を青蓮院門跡が継承し、「御家流」「青蓮院流」と呼ばれた。楷書体の文字を①連続つづけ字②一部省略③早く書けるようにした草書体、行書体である。墨継ぎの回数を少なくして、文字が書ける字体である。くずし字を読むには省略のくせを覚えることである。また、文脈から文字を意訳して推定することである。

省略方法は①たらり省略②チョンチョン略字(口を' ’にする)③左へん省略④左へん、たらり⑤漢字変体ひらがな(江戸時代以前は色々な漢字をひらがなとして使った。野=の等)を理解するなどである。