土の文明と米
(土の文明史、コメの歴史、赤米のたどった道)
原始時代は、ナッツ(ドングリ、クリ、ギンナン)が主食だった。カリフォルニアのアメリカ先住民は、ドングリを水でさらして、常食にしていた。その後の文明は1000年から2000年で終了している。土壌生産性が維持されているかぎり、社会は発展し繁栄する。土壌が無くなったとき、全ては崩壊する。長く繫栄するには、土壌を保全するか、泥が補充される環境にあるか(古代エジプト)どちらかだ。農業生産力と人口はリンクしてきた。土壌を供給しない限り、農産物による消費と天然風雨水による流失で、土壌と栄養は無くなる。そして、農産物は出来なくなる。農業開始のメソポタミア、ギリシア、ローマ、マヤからイースター島の島民絶滅の歴史は、人間が土壌を使い尽くし、木や草や家畜を食べつくして、文明が消滅したことを示している。土壌を使い果たして、新しい土地(南北アメリカ大陸のような)に移動することを、将来の世代は選択できない。1950年代の高収量品種・化学肥料の緑の革命も限度がある。世界人口は80億人に達し、これから成長の限界に達し、食料不足に悩まされるだろう。アメリカ、ヨーロッパ、中国も厳しい。
世界の人口の3分の2はコメが主食である。コメはアジアイネ(長粒種、単粒種、水稲が50%)と西アフリカ赤米(日本の中世の大唐米など、陸稲・病気に強い)の2大品種がある。水田は山の水が栄養を運んでくるので、連作がきき、土壌保全がしやすい。小麦大麦、とうもろこし、じゃがいもなどの穀物イモ類による土壌流失と違い、水稲が食料の注目を浴びてくるだろう。