お金が回らないのが不景気
(ヤンキーの虎 藤野英人)
お金が使われなく回らないのが不景気である。90年代のバブル崩壊以降、日本は30年間低成長である。原因はバブル崩壊やリーマンショックの超打撃に懲りて、みんなお金を使わなくなったからである。投資をしなくなったからである。「大企業のサラリーマン経営者300兆円貯蓄」「銀行など大手機関投資家貸さない」「800兆円を抱え込む個人」の3者である。貯金してイザというとき、その貯金で生きながらえようと考えているからだ。実際、この30年間、へたな投資をするより、貯金した方が安全であった。しかし、現状維持であった。
2013年4月、日銀の黒田バズーカは、日銀がどんどんお金を刷り、金融機関から国債を買い上げることで、市中に資金を流した。するとお金の価値が下がる。2014年10月2度目のバズーカを打った。お金があふれて、株価が上がった。2016年1月3度目のバズーカが実施された。マイナス金利だ。金融機関は貸付先の拡大が必要になった。「融資拡大」「投資拡大」「消費拡大ー販売業、サービス業」の3経路でお金を回そうとした。「動く人」と「動かない人」に分かれた。日本人の8割は動かない人である。
2020年、2021年とコロナ伝染病が世界規模で発生した。日本もコロナ対人4業種(宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業)は政府の資金繰り支援策で支えられた。中小企業の6割を占めるこれら業種は、コロナ終了後、返済が必要になり、企業体力が消耗する。
また、そこで働く人の2020年年間給与調査(最多層)によると、サービス業(200~300万円、162万人)卸小売業(100~200万円、161万人)宿泊・飲食サービス業(100~200万円、57万人)と月収15万円レベルの極限状況にいる。
自民党ポスター「新しい時代を皆さんとともに」の岸田首相の新時代は、厳しい時代を突破しなければならない状況である。