古代文字の歴史

古代文字の歴史

(古代文字の世界 飯島紀)

人類の文字の歴史は、BC3500年メソポタミアのバビロン近辺のシュメール人(インダス文明のドラビダ人、南インドの色黒、短背に近い人種)が、絵文字から次第に表意文字を含み、表音文字になった楔形文字を発明した。絵文字は最初は縦書きであったが、柔らかい粘度板に書いたので、左から右へ横書きになった。シュメール人、アッカド人、バビロニア時代、アッシリア時代と伝わった。BC3000年古代エジプト人が絵文字の象形文字を使かった。BC1500年中国殷王朝が絵文字の甲骨文字を始めた。文字の最初はみんな絵文字だったのだ。それから、表意文字、表音文字に変化した。アルファベット・ラテン文字はシナイ絵文字、ヘブライ文字、フェニキア文字、BC700年古代ギリシア文字を経て出来た。アルファベットは古代ギリシア人がフェニキア文字を元にしてギリシア文字を作ったのがはじまりである。ギリシア文字の最初の2文字アルファ、ベータに由来する。

肥沃な三日月地帯(ペルシャ湾、チグリス・ユーフラテス川、シリア、パレスチナ、エジプトの半円形の地域)は、セム・ハム語族である。アラビア半島、東アフリカに分布する語族。子音が多く、母音はアイウである。セム語族はメソポタミア、シリア、フェニキア(22文字)、パレスチナ、アラビア語(イスラム教によりイラク~北アフリカに広まった)、エチオピア。ハム語族は古代エジプト、リビア。セム語族メソポタミアにおける神々は、エジプトのファラオと違い、王は神として崇拝されたことはない。王は臣下と神々との仲介者であった。

牛の家畜化はBC8000年、メソポタミアの農耕文化とともに始まり、絶対に必要な労働力であったので、最初に牡牛信仰が普及した。その後、太陽信仰が生まれ、天候神が主神となると、牛は使者、乗り物になった。BC1300年牧畜民アーリア人がインドに侵入した。インダス文明の農耕民ドラヴィダ人は南インドに押された。アーリア人は雷・暴風雨の天候神シヴァが主神であり、ヒンズー教の主神となった。アーリア人が牧畜民から農耕民に変質するに従って、農耕民ドラヴィダ人のヒンズー的なものに改宗される。ドラヴィダ人は農耕民で、特定の王を持たず、都市城壁を作らず、樹木や岩石を神の依り代とし、牛信仰を持ち、蛇・竜神を恐れ、先祖崇拝を重んじた。古モンゴロイドの末裔と考えられる。