日本の白物家電が世界に乗り遅れた原因

日本の白物家電が世界に乗り遅れた原因

(預金封鎖、財産税、10倍のインフレ 浅井隆、小黒一正)

浅井 日本は白物家電など民間の経済自体が活性化していない

小黒(法政大学経済学部教授) 「スマイルカーブ」という言葉があります。川上の製品開発と川下の流通・サービス・メンテナンスの付加価値・収益性が高く、中間の組立・製造の収益性が低い。企業が収益性を高めるには、川上と川下に資源を集中し、中間の製造段階は海外に外注する(中国が代表例)のが賢い戦略になる。アメリカのi-Phoneはこの戦略・構造を採用している。こういう世界的潮流は、日本にとってはとても不利である。系列を重視する大企業がその製造部分を捨てなくてはならない。これは終身雇用とも馴染まないので、日本が製造業で乗り遅れた原因になっている。