共産中国経済の崩壊の未来
(中国と戦うときがきた日本 渡邊哲也)
共産主義中国は、グローバリズム資本主義市場経済に参入して、急成長した。西側諸国は、民主主義、人権尊重、資本主義など価値観やルールを共有するすることを期待してきたが、中国は独裁、中華思想、共産主義を前面に押し出してきた。アメリカを中心に西側諸国は、中国への制裁措置を発動し始めた。日本もその制裁の輪に加わることになった。日米の経済安保体制の発動により、共産中国の経済は、どのように崩壊するのか、経済学の問題になる。
1.中国経済の大破壊が来る
①中国は1億人の共産党員家族、2億人のOECDレベル(年収400万円)所得者と1億人の都市戸籍人、11億人の農民戸籍(内半分の6億人は年収20万円)の14億人の人口である。国民1人当たりのGDP1万ドル(年収120万円)で中所得国のワナという成長の限界に来ている。
②不動産バブル
2019年不動産価格の年収倍率は、深圳35倍、上海25倍、北京24倍、広州16倍、(東京13倍)とバブルが異常。大手デベロッパーの資金問題がでている。14億人の人口に32億人分の完成物件がある。
③銀行破綻
地方政府は融資平台という投資会社を設立、不動産理財商品を組成、銀行で販売、資金調達してきた。理財商品の債券は、地方政府の保証があると期待されてきたが、実際はない。債券が暴落すると、銀行資金調達に波及し、銀行システムが危機になる。アメリカのリーマンショックの金融恐慌以上になる。評価損の発生による資産売却と資産価格の下落の連鎖による銀行破綻の危機である。中国6大国有銀行の1つ中国工商銀行が銀行子会社であるノンバンク(不良債権受け皿機関)への飛ばしが問題になっている。「チャイナプレミアム」により、海外からの資金調達が難しくなる可能性もある。
④ドル基軸体制(世界債権の6割が米ドル)に対抗したBRICS銀行、AIIB銀行が行きずまり、自己資金投資のみの開発投資になった。
⑤中国は為替の自由化や資本移動の自由化を認めないので、デジタル人民元や人民元の国際銀行決済システム(CIPS)は成り立たない。
⑥アメリカの金利上昇、ドル高、世界の商品価格の上昇、各国の金融緩和によるインフレ懸念、スタクフレーションの懸念がある。
⑦中国不動産バブル→金融危機で中国共産党は存亡の危機になる。
⑧アメリカのバブル崩壊が中国へ伝播
実体経済が改善されず、株価だけが上昇。海外の経済状況が悪化すれば、海外資金が引き上げられ、中国の資産バブルが崩壊する可能性がある。
⑨中国企業は売り上げ、資本状況など粉飾だらけ。バブルの終焉で実態が暴露、世界は大混乱に陥る。
⑩深刻な人口減少、社会保障(年金、医療)不整備、農村部の人口減少と自給率8割、水不足の深刻化、アメリカをGDPで追い越せない。豊かになる前に老いる中国。飢饉などの天災により民衆蜂起の可能性もある。
⑪ワクチンで立ち直る世界と高まる中国責任論
⑫西側諸国の経済安保体制で、輸出入貿易で追いつめられる中国共産党