日本は生産性の向上で雇用減少、賃金低下する
(日本の国難2020年からの 中原圭介)
コロナの影響は、五輪前の状況で、感染者80万人(国民の0.6%、100万人あたり6000人)、死者1万5千人、テレワーク100%情報通信、金融業中心15%、テレワーク50%以上15%である。国際間の人的交流は縮小している。金融緩和・低金利の傾向は続く、株価は割高水準、ガソリン、電気、食料など生活必需品は物価上昇、一方、自動車、衣料品、電化製品は価格低下している。日本やアメリカの3分の1は貧困層で格差が拡大している。欧米と中国による冷戦が始まっている。
中国がWTOに加盟して2000年にグローバル経済が始まり、アメリカの家計債務、中国の民間債務増加による借金バブルにより、世界は好景気を謳歌した。バブルの限界は、借り手の収益が悪化し、融資の減少や株価が下落してくると、経済は悪化し、不良債権化が表面化した時である。やがて、金利が上昇し、景気後退がくる。アメリカと中国の膨大な借金を処理しなければならない。
日本経済の停滞は、少子化が大問題になる。人口が少ない地域では、生活が極めて不便になる。少子化の要因として、若い世代の東京圏への一極集中がある。東京圏は就職したい企業が多いため、若者が集中しているが、生活コストが高い、労働時間が長いため、結婚率の低下(男性の4人に1人が生涯未婚)が起きている。東京圏の大企業に勤める20-30代の女性の結婚率は50%と低い。できるだけ緩和しないと老後が苦しくなる。
2020年以後の日本の雇用は、イノベーションと生産性向上が失業者を増やす。アマゾンショックやITやAI(Artificial Intelligence人工知能)、ロボットにより、工場での人員減少、銀行・生保・損保の人員削減、物流や税理士等士業の人員削減が進む。これまでの産業集積や雇用を破壊するIT企業は、利益が多いのに雇用は少ないという特性を持つ。
日本の賃金は、社会保険税の増税、円安インフレ、原油価格の高止まりなどにより、実質的な可処分所得は10-20%減少する。
これから新たに起こる技術革新は、AIとITが融合した第4次産業革命と呼ばれるものである。最大の問題は生産性は上がるが、雇用は減っていくことである。行き着く先は、AI、ロボットへの課税なのかもしれない。