国際社会の一員が日本の道
(これまでの百年これからの百年 長谷川慶太郎)
これまでの百年は、江戸末期、明治の近代文明を吸収し「国際社会の一員」を目指した日露戦争までと、アジアに植民地拡大を求め孤立化した軍国国粋主義の第2次世界大戦敗戦までと、敗戦後高度成長1990年バブル頂点までと、ソ連崩壊後グローバル時代での低成長時代までの4区間に分かれる。百年間の現在の日本の遺産は、敗戦による「差別のない平等社会志向」と核兵器をアメリカに依存した「軽武装国家」(軍事力はアメリカ、ロシア、中国、インドに次いで5位)になり、民間技術研究開発投資をし、輸出大国になり、「貯蓄大国・資金供給大国」になったことである。これからの百年・21世紀は核の均衡の下で、「平和と安定とデフレの時代」になる。これからの百年で日本が志向する方向は、孤立化路線を避け「国際社会の一員」の地位を占め、核を背景とした日米安保条約のもと、ドル基軸通貨体制の下に、日米経済を中心に(2020年GDP米25%、日6%、中国16%、独5%、インド、英、仏3%、伊2%)、「経済成長が出来るか」どうかを第1判断基準に生きるしかない。「共産党の一党独裁体制」と「第2次大戦後の領土拡張政策」は「平和と安定とデフレの時代」には存在しえない。今後、隣国の混乱状態に対しては、中国のような大国には、世界戦争を覚悟せねばならないので、自衛力だけは保持して、「ただ黙って関与せず、事態を静観する姿勢」を守ることが基本方針になる。ただし、「国際社会の一員としての共同行動」は当然必要になる。