和して同ぜず。共生文明の日本

和して同ぜず。共生文明の日本

(世界をあっと言わせた日本人 黄文雄)

サムエル・ハンチントンは、「文明の衝突」で、世界8大文明を言っています。西欧、東欧正教、ラテンアメリカ、ヒンズー民族階級、アフリカ、イスラム、中華、日本です。中華は華夷の別があり、夷は華の同化の対象になる。孫文も清帝国の遺産を継承するため、五族共和=満、蒙、漢、回(ウイグル)、蔵(チベット)の大中華主義に転向した。しかし、これは、少数民族の中華への同化政策に他ならなかった。

日本は聖徳太子の「和を以て貴しとなす」をはじめ、民族の呼称も「大和」です。その思想は共生です。和の思想は山紫水明の日本の風土から生まれたものです。それは、絶対的イデオロギーへの同化より、多面的な価値を許す共存共栄を願う精神です。1個人の思いやりが和の社会を作り、さらに外来の思想や文化をも受け入れる、神仏習合に象徴される共生の文明を作り出したのです。