中国海洋進出と日本東シナ海国防
(中日新聞記事)
1.2021年(令和3年)1月20日、米国民主党バイデン大統領が就任した。新政権の中国海洋進出への対応策が、明らかになりつつある。日本政府は軍拡・海洋進出を進める中国に対して、日米同盟で対抗するのが、外交・安全保障の基本としている。昨年11月のバイデン・菅首相の電話協議で、沖縄県・尖閣諸島が日米安全保障上、米国の防衛義務対象であることを確認している。
2.1月22日、中国全人代・常務委員会は、中国が一方的に領有権を主張する東シナ海、南シナ海で、同国海上警備局公船は武器使用および外国船舶の強制検査が可能との海上警備法を成立させた。中国海上警備局の1000t以上の船は130艘で、日本の海上保安庁の66艘の2倍保有している。実効支配の動きを強化している。
3.米上院は22日、黒人初のオースティン国防長官を承認した。「アジアが焦点。中国はわれわれの最も重要な挑戦だ。資源を集中し、中国や他の侵略者を抑止し続ける」と強調している。
4.バイデン米政権は23日、中国の軍事圧力に対し、台湾との関係を強化し深めることを明言した。米国務省は、中国が台湾に軍事、外交、経済で圧力を続けていると非難した。インド太平洋地域の平和と安全のため、台湾の自衛能力維持を支援すると強調した。
5.24日、岸信夫防衛相はロイド・オースティン国防長官と電話会談した。「沖縄県・尖閣諸島は米国による防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象だ」と確認した。「力を背景とした一方的な現状変更の試みに反対する。法の支配に基ずく自由で開かれた海洋秩序が重要である」も確認した。
6.陸上自衛隊と米海兵隊が、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、陸自の離島防衛部隊「水陸機動団=現状2400人態勢・23年度3連隊のうちの1つ」を常駐させることで、2015年に合意していたことが日米関係者の証言で分かった。日米両政府は1996年、沖縄県宜野湾ぎのわん市の米軍普天間飛行場を日本に返還するとで合意している。