人生100年時代に突入

人生100年時代に突入

(百歳人生を生きるヒント、白秋期 五木寛之)

人間の寿命は科学と医学の進歩によって、100歳時代に突入した。国連の推計によると、日本で2007年に生まれた赤ちゃんの半分は107歳以上生きると予測された。私の孫たちはすべてこの対象になる。2018年日本人の100歳人口は7万人である。実際わたしの団地で、102歳のおばあさんが五体満足で毎日散歩している。2025年には日本人の3分の1が、65歳以上になる。人類は、以前は人生50年以下であった。人生100年になったということは、人類史の革命的な大転換が起きたということだ。従来の政治、経済、哲学、文学、芸術すべての前提が変わったということだ。

人生を4期に分けることは、従来から自然な区切りである。人生100年時代の区切りはこうなろう。0歳から30歳までの30年間が学生期(青春)、30歳から60歳までの30年間が家住期(朱夏)、60歳から85歳までの25年間が林住期(白秋)、85歳から110歳までの25年間が遊行期(玄冬)である。白秋期、玄冬期を10年区切りにすると、60代は再起動期、70代、80代は老人ではない黄金期、90代、100代は老人期のスタート、内的静的楽しみに浸る。

人生の目的は生きることである。生きているだけで価値がある。

白秋期、玄冬期の養生の基本

①呼吸法

本川達雄「ゾウの時間、ネズミの時間」によると、ほ乳類すべては、5億回の呼吸、20億回の心拍数、息を吸って吐く1呼吸の間に心臓は4回打つ。長生きのゾウも短命のネズミも人間も同じである。すなわち、長生きするには、ゆっくり呼吸し心拍数も少なくすることである。ヨガ、座禅、絵描きなど、どれもみなゆっくり呼吸をする。

②食事量法

青春期は腹十分、家住期は腹八分、白秋期は腹六分(1日軽食1回、通常食1回)、玄冬期は腹4分。

③こころ3K(経済、健康、孤独)の克服。

経済はお金のコントロール。年金を準備して自立する。生涯現役。お金を使わない日常生活。たまには、浪費で人間であることを実感する。

健康は先の呼吸法、食事量法。寝室寝具寝方の充実。十分に快適に寝る。特に冬は暖かく寝る。睡眠時無呼吸症の人は横向きに寝る。喉が圧迫されない。誤嚥やぎっくり腰対策は、今からやるぞと意識してする。下痢と風邪は体の大掃除。年に2回くらいは体のバランスを取り戻すには有効である。足の手もみや歯磨きの励行。トイレと風呂を大切に。

孤独の克服。群れと孤独の関係は、本当の仙人は市に住む。歌を聞き、本を読み、テレビ番組を楽しむ。