邱永漢(きゅうえいかん)も糖尿病だった
(お金としあわせの組み合わせ 邱永漢)
邱永漢(88歳没)も糖尿病が最大の持病だった。45歳の時、血糖値が240(私は現在120、HbA1cは6.4)で医者の指導を受けたが、断糖のアドバイスは彼が美食家だったので無視した。薬は飲んだみたいだ。25年たった70歳の時、2回脳梗塞で救急車で入院した。血管がボロボロになったのだ。そして、1800calの糖尿病食を受け入れざるを得なくなった。彼の好きな外国旅行と美食が自由に出来なくなった。何を食べてもいいが低カロリーを要求されるようになった。こうなると、お金は必要以上に不要になる。事業拡大意欲は後退する。しかし、お金に対する関心が薄れても、生きることへの執着があるかぎり、好奇心と情熱があるかぎり、人生に終わりはないのである。余生という小さな安全地帯を、残り18年を、彼はそうやって生きた。