団塊ロストワールド

団塊ロストワールド

(団塊ロストワールド 永浜利広、鈴木将之)

団塊の世代は戦後のベビーブーム1947-1949年生まれの700万人をいう。退職金などで金融資産170兆円持っている。団塊は年金逃げ切り世代とか言われた時があった。しかし、圧倒的多数のいる団塊世代の年金の手取り額を減らす方向しか策がない。現在、高齢無職世帯の手取り収入は、18万円、支出が24万円で、毎月6万円、年70万円の赤字である。95歳まで生きる時代では、70万円×30年で2100万円の衣食住生活費の赤字である。年金は現役世代の仕送り方式であり、人口に合わせた経済スライド支給方式なので、少子高齢化の進む日本では、20年後の2040年には、年金積立金120兆円を考慮しても、現在の2割減少の月14万円支給になり、物価上昇を加味しなくても、月10万円、年120万円の赤字である。しかも、消費税が10%よりアップする可能性が高い。人口数は確度が高く、2015年の日本人口1億2600万人、65歳以上3400万人25%、2025年の日本人口1億2000万人、65歳以上3700万人30%である。

対応策は2つしかない。70歳時点の貯金額を生活費+その他の3500万円にするか、竹中平蔵が言う「90歳まで働く」しかない。しかし、貯金はいまさら増やせない。働く雇用も簡単には無いという状況である。現在、女性の就業者の割合は、60-64歳で50%半分、65-70歳で33%3分の1、70-74歳で20%5分の1である。

世界3位といわれる日本経済も、政府の財政収支(税収ー経費)15兆円赤字、貿易収支が赤字の状況であり、債務リスクが高まる恐れがある。団塊世代は、働くことで日本を支える必要がありそうだ。(参考)2018年現在の日本名目GDP世界3位500兆円、1位米国2000兆円、2位中国1300兆円、4位独400兆円。日本経常収支(貿易収支赤字だが海外直接投資黒字)世界2位18兆円の黒字、1位独30兆円、3位ロシア11兆円の黒字。