お金の変遷

お金の変遷

(お金2.0 佐藤 航陽)

佐藤航陽はアプリ収益化事業.・ネット決済・タイムバンク等の㈱メタップスを設立し、2015年に東証マザーズに上場し、創業者として、145億円の資産を得た。彼のお金に関する知見は、コンパクトに絞っている。

1.人生の悩みの種類は3つ

①人間関係②健康③お金 お金によって、人生の道が狭められたり、日常がうまく回らない状態を、お金をツールとして使いこなして、脱却しよう。

2.世の中が動く方向 ①お金(経済)②感情(人間)③テクノロジーの3つのベクトルの合成和

3.Fintech(フィンテック)2.0 financeとtechnologyの合成語。ロボアドバイザー、ビットコイン、ブロックチェーンなど。

4.お金とは 価値の保存、尺度、交換の役割がある。世界最古のお金は紀元前1600年頃の貝殻。お金が社会の中心に位置付けられたのは、わずか300年前の1700年頃から。自由・平等概念が広まり、産業革命で、農業から工業へ生活の中心が移り、工場を作るお金、労働者の生活の手段としてのお金が重要になった。身分(神様、王様)からお金へパワーシフトして、資本主義の社会になった。資本主義社会では、お金がないと、何もできない。価値の交換手段としてのお金が、やがてそれ自体を増やすことが目的になった。そして、全員がお金を増やすことのみに焦点を絞るようになった。

5.中央銀行の普及はこの100年である。最初の中央銀行は、1694年大英帝国のイングランド銀行。イングランド銀行の銀行券もメガバンクが発行する証書のようなものだった。1833年法定通貨となる。1844年国営化され、国家が所有する中央銀行になる。それを見たアメリカと日本も中央銀行を作った。1900年頃の中央銀行設置国は18カ国。1960年で50カ国。現在は大半の国が設置。中央銀行が通貨を発行し、国が経済をコントロールするのが標準になった。

6.仮想通貨、ブロックチェーンの将来 ビットコインとは、中央に管理者がいなくても成り立つP2P(個人間)ネットワークのバーチャル上の通貨。2009年にナカモトサトシが作った。ビットコインはブロックチェーンという技術が活用され、第3者が容易に改ざん出来ないようになっている。このビットコインを原型にさまざまな仮想通貨が作られており、市場全体の時価総額は20兆円位である。仮想通貨の将来はどうなるか、わからない。普及するかもしれない。

7.経済とは 人間の欲望のネットワークであり、その上でお金が動いている。欲望は①本能的欲求②金銭欲求③承認欲求に大別される。この動的ネットワークの2大特徴は、①商品選びに、極端なかたより(格差)が、自然発生する。消費において、全体の0.3%が売上の50%を占める。所得においても、上位1%層が富の50%を所有する。②不安定・不確実な世界。

8.経済体の発展の7要素 ①インセンティブ報酬が明確②変化の激しい環境③運と実力の両方がある④ヒエラルキー序列の可視化⑤参加者が交流する場があり、共同体を認識できる⑥その経済システムの寿命を考慮しておく⑦参加者が同じ価値観を持つと寿命が延びる