肉と人間
(人類はなぜ肉食をやめられないのか マルタ・サラスカ)
現生人類は雑食(穀物、根菜、肉食)であるがために、生き抜いた。
1.人類の歴史
①15億年以前 単一細胞・古細菌(真性細菌と古細菌)のみ存在 太陽と無機化合物からエネルギーを合成。
②15億年から 他の細菌を飲み込む細胞が出現 飲み込まれた細胞がミトコンドリアや葉緑体などの小器官となり細胞内で共生した。こうして真核という核膜を持った真核生物が誕生した。真核生物の食い合いがはじまった。古細菌以外の生物は、すべて真核生物。
③6億年前 カンブリア紀 酸素が、15%から藻の大発生で急増した(現在は20%)。活動力が増した真核生物は食い合いで、大きくて堅い殻を持つ生物へ進化の競争がはじまり、生物種は激増した。
④6500万年前 祖先のような虫中心の食事をやめて、豊富になった花や果物を食べる完全菜食になった。木登り上手の霊長類である。そして、猿やゴリラなどへ生き延びた。
⑤600万年前 二足歩行の菜食霊長類出現。種子と木の実食べる菜食者。小腸の発達と盲腸の縮小。
⑥250万年前 雨量が減少し、サバンナが出現。木が減少し、草食獣を食べる肉食になる。
⑦200万年前 石器とヤリで狩りし、火の工夫する。数十万年で脳が70%容量拡大し、腸が短くなった。人間の脳は全エネルギーの25%も消耗する、肉の高エネルギーと多栄養素を活用した。狩りの走りのため、体毛が薄くなり、汗かきになり、肌が黒くなった。
⑧180万年前 人類は出アフリカを果たす。肉食は動物さえいれば食料に困らなかった。ネアンデルタール人は肉食中心主義で、動物が少なくなると滅んだが、現生人類は雑食で、鳥、魚、貝、植物も食べたので生き残った。
⑨20万年前 現生人類と同じミトコンドリアDNAを持つヒトが東アフリカに出現した。
⑩2万年前 人類は川沿いで農業を発明し、安定した穀物食で人口が増えた。さらに、畜産業も開発した。
⑪以上の歴史から、人類はその時代の最善のものを食事にした。気候の変動に非常に高い順応性をもっていた。何回か食事の内容をがらりと変えた。昆虫から果実へ。果実から木の葉・草へ。木の葉・草から肉・根菜へと。穀物農業と畜産業へと。
2.肉食について
肉はタンパク質・脂肪など高い栄養価を持つ食物である。少量で効果が高い。しかし、肉食主義者と菜食主義者の健康度合いはさほど変わらない。タンパク質は野菜にもある。例:ピーナッツバター・サンド。かつ、肉食をしすぎると、健康に害を与える可能性がある。便秘、肝臓病、糖尿病、心筋梗塞、血管病、大腸がん。素材がすべてタンパク質ではないので、体重50kgの女性なら肉120gくらいである。
3.1日のタンパク質を取る目安 以下を朝昼晩に分けて食べる
①肉 60-100g(鶏もも1枚の1/3)
②魚 60-100g(あじ1匹)
③豆腐 1/3丁(納豆 1パック)
④牛乳またはヨーグルト 200ml(コップ1杯)
⑤卵 1個