10月米国対中2政策発令
米国及びトランプ大統領は10月に対中貿易冷戦策として、次の2政策を発令・けん制する。
1.中国、韓国などのWTO発展途上国優遇措置見直し
本年7月26日、トランプ大統領は、中国が発展途上国と申告して優遇措置を受けるのは不公正だとして、ルール見直しをWTOに働きかけるよう米通商代表部に指示した。90日以内(10月下旬)に進展がなければ、不適切とみなす国の途上国扱いを取りやめる。WTOの制度上、途上国と自己申告した国は、先進国からの関税免除などの優遇を受けられるほか、貿易自由化の義務も免除される。全会一致を原則とするWTOで、中国が反対して議論が進んでいない。
2.米議会、香港人権・民主主義法案を全会一致で可決、一国二制度を毎年検証
米上下両院の外交委員会は、9月25日香港人権・民主主義法案を全会一致で可決した。香港の高度な自治を認める一国二制度が機能しているかどうか、毎年検証するよう米政府に義務づける。近く本会議でも可決、トランプ大統領の署名により成立する。一国二制度が機能していないと判断されれば、関税などの優遇措置が見直される。香港経由で外国から投資を呼び込む中国にとって大きなダメージとなる。外交委員長は「香港の自治を壊している中国共産党に責任を負わせる時がきた」と声明を発表した。
2019年10月は、10月1日に中華人民共和国建国70周年祝賀大会開催、その後に上記の米国政策が発令される重要な月となる。