失われた世代引きこもり60万人、全ひきこもり100万人

失われた世代引きこもり60万人、全ひきこもり人100万人

(中日新聞 関西大学準教授 貴戸理恵)

 半年以上も家族以外と交流せず、自宅にひきこもる中高年(40-64歳)ひきこもりの人が全国61万人(男性3/4=76%、7年長が半分=46%)いると発表された、

ひきこもり状態になったきっかけは退職が最も多い。3人に1人が高齢の親に経済的に依存している。

若年層(15-39歳)のひきこもりは、55万人。両者合わせると100万人になる。就職氷河期の40-44歳の3人に1人は20-24歳でひきこもり状態になっている。

中高年ひきこもり世代は、「いい学校、いい会社、安定生活」というレールが半壊した中で、時代はレールにとらわれるなと、平成的価値観を称揚し、独創性を発揮して市場競争を勝ち抜くことを要請した。しかし、それが可能だったのは条件の恵まれた一握りだった。敗者とされた人は、自己責任論を内面化し、こころを病んだ。