米中冷戦勃発

米中冷戦勃発

(中国敗れたり 日高義樹 、中国壊滅 渡邉哲也 ほか)

ついに米中戦争が勃発した。トランプ政権は、安全保障上脅威を理由に、本年3月23日から鉄鋼25%、アルミ10%の輸入関税をかけた。また、7月6日より500億ドル(5兆円)相当の中国ハイテク製品に25%の関税をかけた。中国も同日から、農産品等に同額の関税をかけた。さらに米国は8月30日までに2000億ドル(22兆円)相当の中国製品に10%の追加関税をかける用意が整った。これに中国が対抗策をとると、中国製品全品に関税導入をしかねない。2017年の米国の貿易赤字は8000億ドル(88兆円)前年比8%で、うち対中赤字は3800億ドル(42兆円)前年比8%と約半分を占める。日本は700億ドル(8兆円)だった。米国は対中赤字の半分ないしは3分の2の減少を意図している。

米国は中国の軍事力強化、周辺諸国への無法な領土拡張・資源獲得行為に対して、ドル体制への悪影響を懸念し、戦うことを決定した。対ソ、対・戦前の日本と同じように、まず、経済戦争で冷戦を仕掛けたのだ。中国関係本は我家には多数あり、以下にポイントを記す。

1.中国敗れたり(日高義樹)2014年12月 オバマ大統領は中国融和策で、中国から太平洋を半々で管理しようと言われた。米国民は中国の無法行為に気づき、オバマ民主党から共和党に代わり、対決姿勢に変更した。

2. 中国壊滅(渡邉哲也)2015年8月 リーマンショック後、新興国から資金を吸い上げるポンプが壊れ、先進国の雇用を奪い始め、中国を排除し始めた。中国の対応の仕方は①日本のように国際ルールを守り、バブル崩壊長期デフレ不況②国際ルールを守らなければ、欧米を中心に中国を国際マーケットから排除されるのどちらかを選ばなければならない。

3.中国大減速の末路(長谷川慶太郎)2015年7月 ソ連末期に似た共産党政権の新常態は失敗し、個人独裁を目指す習近平は最後の皇帝となる。中国崩壊、各軍区の独立、連邦国家の成立へ。

4.2016年中国・ユーロ同時破綻(三橋貴明)2015年12月 不動産バブル、株式バブル、設備投資バブルの崩壊。デフレギャップは内需か輸出外需で埋めるしかないが、為替レート引下げでは無理。日米と中国の新冷戦時代の幕開け。

5.中国私論(橘玲)2015年3月 中国の強国主義は周辺国との領土問題が多く、周辺国は同盟を組んで軍事力を阻止。

6.超大恐慌で世界の終わりが始まる(藤井厳喜)2012年4月 中国の成長エンジンの輸出の失速で成長モデルが終焉。農民の不満が爆発し、年間18万件の暴動が発生。

7.中国はもう終わっている(石平、黄文雄)2013年9月 不良債権300兆円、中国経済の崩壊。日本は中国崩壊で経済の影響は、それほど多くは無い。中国は世界とそれほどリンクしていない。アメリカ国債売却ではギクシャクはする。

8.中国・韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる(宮崎正弘)2015年3月 米中は新冷戦時代に突入した。日本企業の日本回帰、円安旋風が吹き、日本経済はよみがえる。中国・韓国はデフレ不況で沈没する。

9.中国経済(国家資本主義)の真実(榊原英資)2015年10月 2050年に中国のGDPはアメリカを上回っているが、一人当たりのGDPは半分以下であろう。日本と中国とは、安全保障では対立、経済では連携が多い。長い付き合いが大事である。