人間には家+確定収入が必要だ

人間には家+確定収入が必要だ

恥ずかしい話、私は70歳にして初めて、「人間には、家+確定収入が必要だ」と分かった。

このことを理解せず、これまで生きて来れたのは、戦後の高度成長日本の、団塊世代で育ち、生まれたところが、食と土地に困ることのない、関東地方で育ったからだ。現在の若い世代は違うと思う。現在の若い世代は、60歳くらいになったら、自分の家と年金(公的+私的)10万円以上の確保が絶対必要だ。後は、国は面倒見てくれないので、家族(実家)が必要だ。実家はたいてい、家と離れ屋(または別荘)を持っていて、商売で無一文になった兄弟姉妹がいたら、離れ屋(別荘)に住んでもらい、米と味噌お新香くらいは提供した。人間は老人になって、うまく稼げなくなったら、家と布団と衣料と暖房とトイレと風呂と米・味噌は最低限、絶対必要だ。昔は、子供はもちろん、無収入の親族を、実家が扶養した。そういう仕組みだったのだ。若い世代では、家+離れ屋(別荘)+確定終身年収(公的、私的年金)を、60歳以降100歳まで確保する気がないと、生きるのが難しい時代になってきた。しかし、いったん、この環境が確保されると、現代の豊かなインフラを利用すれば、江戸時代の大名に匹敵する、楽しい老後が送れるのだ。