日本の弱点はリビングコストが高いこと
(グッチー流世界経済、大前研一日本のカラクリより)
日本の年収250万(月収20万円)とアメリカの年収3万ドルは同じレベル。しかし、アメリカの方が衣食住コストが安い。日本では、最下層サラリーマンと言われるが、アメリカでは3万ドルは中流家庭の年収で、家を買って、子供を学校にやって、悠々と暮らせる年収である。グッチーが見るところ、役所の余計な規制が多すぎ、例えば、住宅資材は、建築基準法で、独占・寡占状態である為などと、税金が高い為だと言う。
大前研一は、「戦後、日本政府が一貫して住宅を景気刺激策として利用してきたのが間違い」という。1990年バブル崩壊前までは、メリットもあった。1990年半ば以降、日本は失われた20年・大デフレ時代に突入、給料・不動産価格上がらず、リストラや企業倒産で収入が減少した。結果、定年後もローンを払い続ける悲惨な老後の人も多い。今の40歳から下の若い世代ともなると、「家を買って、借金を抱えることは大きなリスク、負けから入りたくない。」という。極端な話、結婚して、家庭を持つことだって負けの部類だ。「今、家を買わなければ高くなるということは100%間違い」である。2019年以降、少子高齢化で世帯数が減少する。日本は世界一空き家が多い国で、2015年15%、33年には33%(3軒に1軒)が空き家である。2022年には、生産緑地宅地転用になる。東京23区内で25万個の1戸立て供給可能になる。都心の容積率緩和も効いて来る。現在、賃貸し住宅を選択するのは、きわめて現実的で賢明だ。日本人の戦後の住宅観は根本から変わってしまったのだ。