老楽(おいらく)国家
(老楽国家論・反アベノミクス生き方 浜矩子)
日本の今後の生き方として、同志社大学の浜矩子は、安倍晋三首相の目指す方向に疑問を呈している。「現実を知れ」と言っている。自分を知る為、鏡を覗き込む。鏡には、「のぞみ鏡」と「ほんと鏡」がある。安倍首相が覗いているのは、「のぞみ鏡」であり、「日本の過去を取り戻す」と言う。アメリカも「過去の強さを取り戻す」、中国も「中国夢・中華民族の偉大なる復興」で、過去の栄光を取り戻すと言っている。みんな「のぞみ鏡で取り戻したい病」にかかっている。指導者として目標が必要なのだ。しかし、日本の場合、「ほんと鏡」をよく見なければいけない。
日本の現実はこうだ。現在のグローバル時代は、人物金が国境無き時代だ。国境を越えて動く時代だ。国のあり方は複雑になったのだ。例えば、トヨタ自動車は、世界で作り稼いでいる。日本の中小企業は中国の安い人物金に負けている。コンピュータ・インターネット時代で過去の産業が没落している。現在の日本は世界一の安全・インフラが揃った高ストック(蓄え)・低フロー(稼ぎ)の国になっている。豊かさの中の貧困、格差社会になってきている。自殺者(遺書あり)2万人+変死者15万人=17万人。27年後、2045年の日本の人口は1億600万人(2000万人減)、65歳以上の割合は3割超える(約3人に1人が65歳以上)。アベノミクスの間違いは、第3の矢=大国化、強国化・アメリカ型市場原理主義経済社会システム・規制緩和と公共サービスの民営化による格差社会化と戦争の出来る国への復活である。アメリカも中国もアジアも、日本が戦前型の戦争の出来る国の復帰は望んではいない。
日本は老楽国家を目指せ。日本はその世界一の安全・インフラが揃った高ストック(蓄え)・低フロー(稼ぎ)の国になっている事を利用して、豊かな楽しい国家・世界の国々と楽しくお付き合いできる国を目指せばよい。豊かさの中の貧困、格差社会を解消して、国民みんなが安心して暮らせる国を目指せばよい。