副業で闘う!
(年収120万円時代を生き抜く知恵 森永卓郎 2007年3月)
将来的に、日本社会は1%のA層(年収3億円)、5割のB層(年収300万円)、4割のC層(年収120万円)に3極化する。こうした弱肉強食主義はイギリス、アメリカ、日本と広まった新自由主義によるものだ。この難局の乗り切り方は2つに1つである。
1.C層の人は、副業で年収180万円(月収15万円)~年収300万円(月収25万円)まで収入を上げる闘いの道。
2.世捨て人の隠遁生活(全ての欲望をあきらめ、C層の収入の範囲内で生活する=家+月10万円)の道。
普通の人が自分の幸せをつかむには、生涯にわたり、年収300万円を確保することが、今後いかに必要かということです。
パートタイマーやアルバイトで稼げる収入は、せいぜい120万円程度。それでは生活できないということで、複数の勤務先を兼務しても。年収300万円に届かない。それがワーキング・プアの実態です。日本の労働者5000万人の3分の1、1700万人が年収300万円以下です。生活者で、年収200万円(月13万円)以下の人が、2500万人いる。非正規労働者は4割、2000万人いる。月収10万円以下が4割、月収10万円~20万円の人が4割、計8割いる。60歳以降の老後は仕事がない。家+年金+副業で衣食住・月間収入を確保する。
1.副業の道
①副業の前に、配偶者もなんとか収入を得て、ダブル・インカムを保持することです。パートなら、年収103万円までなら、所得税、住民税なし、夫の扶養者扱いで、健康保険料、年金保険料もなし、夫の配偶者手当も支給されます。
②インターネットで開業。 収入は月1万円未満が45%、1~3万円が52%、3万円以上が3%である。「アフエイト広告」「グーグルアドセンス」「インターネットオークション」。お勧めしないが、仮想通貨取引、FXなどもあり、お小遣いの範囲で楽しむこともできる。輸入販売など転売(せどり)は難しい。経費を引いて年20万円以下なら、確定申告不要。ただし、「自分で納付」の住民税の申告は1円以上で必要。
③資産運用 お金のない人はリスクをとってはいけません。ネットトレード、外貨預金は才能が必要。
③-1 元本保証で流動性の高い銀行預金、郵便貯金を選ぶことです。定期預金、定額預金が一番安全。素人は無理しない。生活費の3年分1000万円は預貯金で持ち、それを超えた資金でリスクを取ることです。
③-2 株式投資 1流企業をいろいろな業種から選んで分散投資する。リスクは小さくなってゆく。安いときに買い、高くなったら売る。銘柄選びは、配当利回り2%以上、PER株価収益率30%以上は買わない、PBR株価純資産倍率3倍まで。3年上がり下がりのスロー投資がいい。
③-3 不動産投資 金持ちの欲しがる土地は上がる。庶民が住む土地は上がらない。貸家も余っている。
2.隠遁生活の道 老後は、家+年金+副業で暮らす。生活レベルを収入に見合ったレベルまで切り下げる。衣料は中古で。食料は特売品を。住居は老後に必要、郊外の安い物件を。情報・娯楽はyoutube(音楽など)、テレビの映画録画で。老後は、酒、食事など少量になり、健康に風呂、散歩など必要になる。