非正規(有期雇用)労働者階級の出現
(新・日本の階級社会 橋本健二)
日本に、より貧困な新しい階級が出現した。非正規(有期雇用)労働者階級である。人口が1000万人おり、年収180万円、貧困率40%、男性未婚率70%である。有期雇用契約のため、1.給与少ない2.雇用不安定3.キャリア形成仕組み無しであり、その結果、貧乏人の子はより貧乏になり、階級は固定化する。この階級は貸家に住み、独身で家族がいないので、老人になり働けなくなると生活保護を受けざるをえない。
日本は4つの階級に分化した。①資本家階級250万人(構成比4%、年収900万円、未婚率13%、貧困率4%)②管理職・専門職階級1300万人(20%、年収500万円、未婚率18%、貧困率3%)③正規労働者階級2200万人(+パート主婦800万人)(35%+13%、年収370万円、未婚率31%、貧困率7%)④非正規労働者階級1000万人=パート、アルバイト、派遣社員(15%、年収180万円、未婚率66%、貧困率40%)である。
階級ごとの健康、ストレス、人間関係の状態。①健康状態悪い(資本家:13%、管理職等:11%、正規労働者:15%、非正規労働者:23%)②うつ病などこころの病気の診断を受けた(資本家:8%、管理職等:8%、正規労働者:7%、非正規労働者:20%)③親しく頼りにしている家族・親族数(資本家:9人、管理職等:7人、正規労働者:8人、非正規労働者:5人)④将来に不安感じる(資本家:14%、管理職等:20%、正規労働者:30%、非正規労働者50%)と厳しい階級差が出ている。
2016年の日本人のエンゲル係数は26%と苦しかった。G7ではトップのイタリアに肉薄している。中でも高齢者のエンゲル係数が苦しい。30-59歳は25%、60代は29%、70代以上は31%であった。日本国民は総じて貧しくなった。