宇宙、太陽、地球の仕組みと天災
(天変地異の科学 西川有司)
私たち人類の生きる地球は、宇宙の仕組み・システムの中で動いている。あまりにも小さい人類は、宇宙・太陽・地球の小さな変化・調整=天災にも、生死を分ける影響を受ける。危ない所・事から逃げるくらいしか対応方法がないのだ。しかも天災は周期・定期的に起こるのだ。
1.宇宙
地球から理論上、観測可能な宇宙は、直径900億光年の球状をしている。私たち人類が属している天の川銀河の直径は10万光年(現在見る姿は10万年前の姿、光速は30万km/秒)であり、天の川銀河に最も近いアンドロメダ銀河は、250億光年離れている。宇宙は、約1,000億個の銀河が存在している。宇宙の年齢は、ハップル望遠鏡が宇宙の膨張を発見すると、逆算した。NASAなどの計算によると、約140億年前=ビッグバンである。時間をさかのぼれば、すべての天体は1点にあったと、ビックバン理論は考えている。
2.天の川銀河
天の川銀河は、直径10億光年の平べったい渦巻き状(断面は直線状、平面は円状)の恒星、星団群で出来ている。太陽などのように自ら光を発する恒星が約4,000億個ある。銀河の中心部にブラックホールがあることが、宇宙望遠鏡の観測結果によって裏づけられた。
3.太陽系惑星
太陽系惑星は、天の川銀河・半径5万光年の約半分の位置にある。恒星で太陽の周りを惑星(太陽から近い順に、水星、金星、地球、火星、木星、土星=ここまで約10億光年、天王星・約30億光年、海王星・約50億光年、冥王星・約60億光年)が回っている。太陽系が銀河系内の軌道を一周するのに、2.5億年かかる。
4.地球
1500年頃、コペルニクスが地動説(太陽を中心に地球が動いている)を唱えた。ケプラーは1600年頃、地球は楕円運動であることを発見した。1700年頃、ニュートンは万有引力の法則で、地球が回り続ける理由を明らかにした。地球は丸い球体で、鉄・岩石・水などから成る。地球の重さは、太陽の30分の1、月の80倍である。赤道全周は4万km。海が7割、陸地が3割。大気は8割が窒素、2割が酸素。地球の年齢は46億年。太陽が発した光は、8分で地球に届く。月からの光は1分である。
大気圏は地球を取り囲む気体である。100km以下が大気圏、それ以上が宇宙である。
地球は23度傾いて自転(毎日回転)し、太陽の周りを公転(1年で1周)して動き続けている。半径は約6,500km。大気圏は大気が対流、風、気候変化している。海洋も太陽の熱、風から海流、底層流が動いている。地圏では、内部はマントル対流し、大陸が動いている。地球内部は地殻、マントル、コア(核)の三層から成る。地殻は1%、マントルは7割、コアが3割。コアは液体金属で365万気圧、5,500℃(太陽の熱と同じ)である。マントルは熱マグマで対流している。地球の熱は、5割が地表で、2割が大気で、3割が宇宙に放出される。地球システムは内部の熱エネルギーである。
5.地球システムからの天災・天変地異・自然災害
マントル循環・プレートの沈み込み・陸地の引きずり込みと反発により、火山と巨大地震(M7~9)と津波が起きる。日本列島は、ユーラシア・プレートと北アメリカ・プレートの上に乗り、太平洋プレート(東北沖)とフィリッピン海プレート(南海トラフ)の沈み込みを受けている。2011年3月太平洋プレートの沈下反発により、東日本大震災(M9)が起き犠牲者1.8万人、建物全半壊40万戸の被害を受けた。連動して、次はフィリッピン海プレート(南海トラフ)の沈下反発により、首都圏直下地震と南海トラフ地震および太平洋プレートの北部分・北海道東部沖地震の発生確率が高いと言われている。現在、地震・津波・火山予知の基本は、周期説と変動期・静寂期の繰り返し説である。今世紀21世紀は、日本列島は変動期になったといわれている。さらに、800年代後半の歴史書「日本(天皇)三代実録」によると、869年東北大地震、878年関東大地震、富士山噴火、887年西日本大地震と10年おきに3連発した。東日本大震災に続き、首都圏直下地震(と富士山噴火)、南海トラフ地震(東海・東南海・南海3連動、21世紀半ばまでの発生確率70%、津波高さ30m、犠牲者30万人)の可能性がある。そして、混乱から時代の転換を促す契機を作る可能性もある。