映画をテレビで楽しむ

映画をテレビで楽しむ

(経済と人類の21世紀世界を考える ダニエル・コーエン、他、インターネット情報)

ハリウッド映画をテレビで楽しんでいる。バッファローのテレビ録画用の3テラバイト(地上デジタルで370時間=2時間映画なら180本、BSデジタルで260時間=130本録画可能)外付けハードディスクをテレビに接続して、テレビ映画番組から録画して見ている。

1991年ソ連崩壊後、世界はワンワールド・グローバリズム1992の時代に入った。ヒト、モノ、カネを自由に行き交わせて、事実上、国境を取り払うことで成長を図った。アメリカは、「ニューエコノミー=非物質的商品生産」で、世界をリードした。アメリカの覇権は、①シリコンバレー発のITテクノロジー②ウオール街発の金融商品③ハリウッド発の映画など非物質的なモノの生産で明らかになった。文化産業(映画、テレビ、音楽、出版など)は「スター・システム」という原則に基づいて機能している。この世界では、ほんの一握りの作品や興行がひとり勝ちする。人々は同じものが見たいのだ。スター・システムは、勝者がすべてを獲得するモデルだ。ブランドの世界に暮らす企業経営者も、スター・モデルと同じ報酬を正当と考えている。経営者の報酬は従業員のの賃金の120倍にも相当する。格差が拡大した。ハリウッド映画のテーマは「ユニバーサルなテーマ=マネー、セックス、暴力」である。

ジェイソン・ステイサム(トランスポーター)、ニコラス・ケイジ(魔法使いの弟子)、トム・クルーズ(ミッション・インポッシブル)、ブルース・ウイルス(ダイ・ハード)、ハリソン・フォード(インディ・ジョーンズ)、ショーン・コネリー(007シリーズ)、ジョーニー・デップ(パイレーツ・オブ・カリビアン)、ジャッキー・チェン(レジェンド)、アンジェリーナ・ジョリー(トウームレイダー)など限られたスターが人気を博する。最高年収70億円くらいである。

ところで、国家として、グローバリズム1992の恩恵を最も受けたのは、中国である。富の生産には、資源、労働、資本が必要だ。資源はアフリカと中東、労働はアジア・分けても中国、資本はアメリカが分担した。中国の輸出額とアメリカの経常赤字の関係は、完全にリンクしている。年間5000億ドルくらいが行き来した。アメリカの証券化商品の7割は欧州が買った。米国債は中国、日本が買った。中国は人民元安政策で輸出を増やし続けた。2007年、アメリカの不動産バブルがはじけてから、中国は輸出先を欧州に変えたが、ユーロも機能不全に陥り、09年の輸出は16%減少した。アメリカは経常赤字と失業率悪化・格差拡大に耐えられず、モノを自国で作る方針になった。世界貿易の需要縮小期が始まった。自由貿易を制限する保護主義と世界通貨安戦争が始まった。2017年、米国トランプ大統領は「米国第1」、「米国製品を買い、米国人を雇用する」政策になった。中国習近平主席は「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」と「シルクロード経済圏一帯一路構想」を提唱している。デフレの時代で、日本は忍耐と工夫で生き残るしかない。幸い日本は、輸出依存度が10%で、ローカル国家である。鎖国でも頑張れる。映画「ゴッドファーザーⅠ、Ⅱ、Ⅲ」を見た。テーマは「家族の助け合い」である。古いが、これからの日本には必要になる思想だと思った。