経営者とは

経営者とは

他人の利益を図らずして、自分が栄えることはできない。  アンドリュー・カーネギー

この言葉に集約されるかも知れない。利益は分け合うことで、増えていく。

1.稲盛和夫 (経営者とは 日経トップリーダー)

①哲学的思考

少年時代も社会に出てからも、逆境だった。「こういう生き方をすべきだ」と説けるのは、自分なりの人生観や価値観を必死に構築してきたからである。人間は、苦難を真正面から受け止めて、常に必死に努力すべきである。

②意志の欠落

会社を経営してゆくには、素晴らしい哲学を持っていないといけない。私は、運よく電気工業が発展するときに、セラミックの新技術を開発して、その技術の発展が会社創業時の経営目的だった。3年たって、従業員が将来の不安を訴えてきて、「全従業員の物心両面の幸福を追求する」ことが経営目的と分かり、企業理念を変えた。JALの再建の時も、この理念を掲げました。全従業員のやる気が重要だ。人生は、ないのが当たり前で、必死にやる強い意志がないと会社は、成り立たない。

③大義

動機が行動を起こす。動機は我欲です。強い我欲が必要だ。しかし、我欲を追求しすぎるとつまずく。世のため人のためという大義が動機になることが、会社発展させることには必要である。

④エゴと戦う(良心とエゴの同居する人間)

会社を創業して、20年、30年と成功し続けることは難しい。良心という自分と、エゴという自分が同居しているので、エゴ=物欲・名誉慾・色欲に負けず、ストイックになって、会社を守らねばならない。

⑤人を育てる

組織を細分化して、経営のトレーニングをすると、従業員の意識は経営者に近づく。売上、経費、利益が分かる。これがアメーバ経営だ。一番いい方法は、やはり一緒に酒を飲み、訴え、意識改革を進める。全従業員が奮い立って経営に協力してもらうことが大事である。簡単で基本的な哲学が経営である。

2.大山健太郎(アイリスオーヤマ社長・ホームセンター商売  変化はチャンス カンブリア宮殿)

①リーダーが変化を捉え、儲かるサービス・商品を見つけて、需要を生み出す。

リーダーシップとは、組織をまとめることでも、部下を鼓舞することでもない。組織として何をなすべきかを正確に把握することだ。リーダーの役割はそれに尽きる。安く売ることは、根性経営でできる。我慢すればいい。けれども続かない。お客様の視点でサービスや商品を、常に提供することで勝つ。お客様の変わり目が速いので、続ける事がむずかしいのだけれども。社長の一番の役割は、一番、魚のいる所に、船をもっていくことだ。ニッチな部門でも、オンリーワンになれば確実に利益がとれる。ターゲットを決めて、そこに早く持っていくことが大事である。

②必ず利益を10%確保する引き算の経営

大事なことは、まず「お客様の値ごろ価格」を設定して、(当社の場合は)「10%の利益は、我々の努力で頂く物」だと確信して、残った費用で、知恵を出してよいものを作る。これを「ひき算の経営」と名づけて、当社はずっとやっている。オイルショック、不動産バブル、ITバブル、金融不況は大体10年単位で起きている。新陳代謝だと思う。過去に囚われると被害者になる。新しい明日を見た場合は、チャンスにつながってゆく。

③商品開発の責任

社長が新商品開発の最終責任者となって、成功失敗の責任を負う。だいたい6割成功、4割失敗でやってきた。