20年後の日本
(誰が日本の労働力を支えるのか 野村総合研究所+IT情報)
20年後では、私は90歳になる。2037年頃。
1.今の日本の概算状況と20年後
人口が1億2700万人⇒20年後は1億1000万人。現在世界で11位。現在、人口が9000万人を超える国は15カ国⇒日本は13位か14位になる(1流国=中国、インド、アメリカ、ロシアの4カ国、2流国=インドネシア、ブラジル、メキシコの3カ国、3流国=パキスタン、ナイジェリア、バングラディッシュ、フィリピン、エチオピアの5カ国+ベトナム)、65歳以上が人口に占める割合、現在日本=25%(1位)、20%-24%=イタリア、ドイツ、キリシア、14%(ここから高齢社会と呼ぶ)-19%=フランス、イギリス、アメリカ。⇒20年後、日本高齢化比率33%・3人に1人。日本労働力人口6500万人⇒6000万人(1億総活躍社会を目指しても)、若年層(15-29歳)1100万人⇒950万人。現在の日本世帯数は5400万世帯(世帯当り2.4人、人口の42%)⇒5000万世帯。以上概算総括すると、2035年頃、日本の人口1億1000万人(世界15位)、老人(65歳以上)人口4000万人(3人に1人)、若年層(15-29歳)1000万人(10%、10人に1人)、世帯数5000万世帯になる。建設、運輸、対人サービス業などの力仕事業種で人手不足になる。
2.今の日本の世帯別・金融資産・保有状況と今後
①1億円以上金融資産保有世帯数120万世帯(2%)②1億円-5000万円保有世帯数300万世帯(6%)③5000-3000万円世帯数600万世帯(12%)④3000万円未満4000万世帯(80%)⇒20年後は比率が同じか資産保有が減少する。
3.20年後の住宅
現在、日本の総住宅数は6100万戸。人口が1億2000万人。国民2人に1戸の住宅がある。世帯持ち家比率は60%。空き家数は800万戸(貸家・売家500万戸、放置空き家300万戸)で空き家率は15%である。今後は住宅数6000万戸、世帯数5000万世帯で空家数は1000万戸を超える。現在、住宅の平均築年数は30年と長期化してているが、欧米の自動車保有期間と住宅築年数の長期化と同じようになる。新築戸数は半減し50万戸を切り、中古住宅の流通が増える。価格も低下する。
4.年金額減少問題
老後(65-70歳以降)の生活は、公的年金・私的年金(これが中心になる)と生涯現役労働に頼る事になる。その中で、高齢化比率の上昇に伴い、20年後は老人1人に現役2人で支えなくてはならなくなる。公的年金が伸びない、手取り年金額減少と見込まれている。毎月の生活費が不足すると困窮することになる。高齢者の労働参加と低費用生活の工夫が求められている。介護費用については、老人個人の貯蓄が期待されている。
5.全世代型社会保障
従来、日本は高度成長で、高齢世代に手厚い所得再配分を行なってきた。しかし、2000年に入り、40歳未満の世帯で年間所得が300万円未満の世帯比率が45%と増加した。一方、65歳以上世帯の平均所得が300万円であることから、若い低所得層の子育て資金の充実など若年世代の所得再配分が望まれている。
6.20年後の労働力不足への対応策
現在、人工知能ロボットの開発利用と外国人労働者の労働力による対応が考えれている。人工知能ロボットは開発されると見込まれる。外国人労働者については、日本は低賃金・重労働を期待しているので、外国人労働者は、日本の住む場所と生活には、8割が魅力を感じているが、働く場所としての日本は、アジア人で3-4割、欧米人で15%位しか魅力を感じていない。現在、日本の外国人労働者の不満を解決する施策が必要となっている。
例えば、家族を含めた外国人の生活環境整備も必要となっている。
日本の外国人労働者は2010年60万人、現在110万人と増えているが、総人口比率2%以下と多くない。
また、世界は労働力不足に向かっている。例えば、中国と日本の比較で、生産年齢人口(15-64歳)は中国2015年ピーク、2025年総人口減少、労働輸入国へ、日本は1995年ピーク、2010年総人口減少である。生産年齢人口の割合は、中国は2010年75%、2040年60%、日本は2010年60%、2040年50%である。65歳以上の人口の割合は、中国2020年10%、2040年25%、日本2020年25%、2040年33%である。アジア諸国も同じトレンドである。日本と中国は、減少してゆくASEAN諸国の労働力獲得へ競争していくことになる。