音楽史を変えた5つの発明
(音楽史を変えた5つの発明 ハワード・グッドール)
ヨーロッパの音楽について、英国人作曲家のグッドールさんが、同名のテレビ番組として作ったものである。
1.記譜法の発明
1000年頃、イタリア人グイードは、史上初めて、人類が音楽を詠むことが可能になった「五線譜」を発明した。教会の聖歌隊の教育者として、絶大な効果を挙げた。また、1770年、ローマ教会の門外不出の名曲ミゼレーレが、14歳のモーツアルトが1回耳にしただけで全曲(13分)を暗礁し、譜面に書き写してしまったため、一般演奏が可能になったことでその効果が分かる。
2.オペラの発明
オペラは歌劇である。1600年頃、イタリアのルネッサンスでギリシア演劇の復興に伴って出来た。あらゆる楽曲形式の中で、人間の感情に最も強く働きかけるのがオペラである。そして、オペラの名曲はクラシック音楽のヒット商品である。現代ではミュージカルともなっている。
3.平均律の発明
西洋世界で音階が作られたのは、600年頃、三平方の定理を作ったピタゴラスである。彼はハーモニー(和音)が元になる音の二分の一、三分の二など整数比の関係があることを解明した。ドの倍の周波数は1オクターブ上のドです。ところが、3倍は1オクターブ半上のソになるのです。曲をハ長調からへ長調に移調できません。そこで、1オクターブを12の半音で均等に割ったのです。バイオリンなどの弦楽器は、どのような音も出せます。しかし、ピアノなどの鍵盤楽器、クラリネットなどの笛楽器などは、決められた位置、穴を事前に作っておかねばなりません。ドミソなどハーモニー(和声)は、豊かな響きを与える。複数の楽器を使って、合奏したいとなると、人工的な音楽言語を作らねばならなかったのです。1722年バッハは楽器を1回平均律調律するだけで、オーケストラが演奏できる作曲を初めて作った。
4.ピアノの発明
すべての楽器は4タイプになる。①たたく(太鼓類)②吹く(木管、金管楽器)③爪弾く(ギター類)④弓でこする(バイオリン類)である。ピアノは弦をハンマーで叩いて音を出す鍵盤楽器である。打楽器と弦楽器の特徴を持つ打弦楽器に分類される。現代は88鍵を備えクラシックオーケストラの全音域を上回る。1700年頃、鍵盤楽器は弦をはじくチェンバロであった。1700年、イタリアのメディチ家でチェンバロの基本構造とハンマーアクションを組み合わせた全く新しい楽器を作り出した。1730年ドイツで改良されて、産業革命で沸くイギリスで大流行した。ピアノの持つ豊かで繊細な表現力を発見したのは、モーツアルトである。声楽との相性のよさを究めたのはシューベルトである。コンサートでたくましい楽器にしたのは、ベートーベンである。19世紀では、リストやショパンの名ピアニストも出た。ピアノはアメリカ社会でも奥深く普及した。黒人のジャズもできた。
5.録音技術の発明
トーマス・エジソンは1877年、フォノグラフ録音装置を発明した。音楽に応用され、一般大衆が誰でも音楽が楽しめるようになった。レコード盤が発明され、クラシック音楽、ポヒュラー音楽が発展した。現代では、YouTubeであらゆる音楽が無料で楽しめるようになった。