IT250年全史
(IT全史 中野明)
IT(Imformation Technology)=情報通信技術の1800年からの歴史です。
1.手旗信号技術
1974年フランスでパリーリール間200Kmで、腕木通信(腕木の形で10Kmごとバケツリレー式に伝える)を公式運用した。
2、電信技術
1839年イギリスの鉄道会社に電信機が設置された。1844年アメリカのワシントンーボルチモア間で、モールス信号(オンオフの2進数デジタル方式)電信局が完成した。新聞社、通信社も電信を活用した。ファクシミリ(テレグラフ)は1860年フランスで一般向けサービス開始した。原理は、送信側針は横方向に動く針で、文字の上だけは電気が通る。受信側針は、同期しており、電気が通ると電解用紙が変色する。
3.電話(有線)
1876年アメリカのベルが特許をとる。電話はアナログ通信。音は空気中の分子の振動。それを銅線の中の電子の振動にコピーする。空気の振動を振動板で磁石の変動に変換する。実際には炭素の抵抗を変えて、電流の強弱に変える。1877年ベル電話会社設立(ATT前身)。1915年電話加入者1000万人大衆化する。
4.無線電話
1896年 アルコーニは世界初の無線電話の特許をイギリスでとる、1901年大西洋横断実用化。1907年アメリカでラジオ放送成功1920年世界初の商業ラジオ放送局が開局した。
5.テレビ放送
1939年ニューヨーク万博後、テレビ放送開始。本格普及は第2次大戦後。
6.コンピュータ誕生
①1946年2次大戦終了後、アメリカで30tの大型コンピュータ・エニアックが開発された。1854年プールは1(オン)または0(オフ)の2値で論理計算をした。演算はAND(直列)演算、OR(並列)演算、NOT(回路が閉じる)演算の3つですべての論理を2進数(bit・ビット)で表現した。1ビットを8個集めた情報量の単位をバイト(byte)という。1バイトだと256(2の8乗)個が区別できる。1B(バイト)=8b(ビット)である。
あらゆる情報をビットで表現する。文字は0と1の組合せ、音声は2次元グラフ(1秒間8000箇所)で表現できる。画像はグラフに升目を作り、色の3原色と明暗を特定して、升目を小さくすればよい。映像は画像を高速で連続表示すればよい。このようにアナログ情報をデジタル(ビット)情報にすることができる。
IBMは1964年360を売り出し、大ヒットする。1970年代シェアは70%に達した。一方、DECはミニコンピュータを作った。
②電気の入り切りの流れ 最初リレー方式(電磁石)、次は真空管方式(電圧がプラスかマイナス)、3番目は1959年半導体トランジスタ(電圧の向き)を利用して、1つの半導体上に電子回路をのせたIC(集積回路)を開発した。ICはLSI、VLSIへと発展していった。インテルはマイクロ・プロフェッサ(MPU)=中央演算装置(CPU)を1つの半導体で実現し作った。
③コンピュータの大衆化 1975年ビル・ゲイツとアレンはマイクロソフト社を設立した。コンピュータを働かせるには、操作方法を人間が書く=プログラム・1か0で書く必要がある=機械語。人間の言語でプログラムを書くプログラミング言語を開発して、大衆化した。プログラミング言語は機械語に翻訳されてコンピュータで実行される。BASICは代表的なプログラミング言語である。アイコンキット「アルテナ」用のBASICを開発した、MS-DOS1976年スティーブ・ジョブスとウィズニアックはアップルコンピュータを作った。モトローラ製のMPUを使って、手作りコンピュータを作った。そして、マッキントッシュを発表した。1981年IBMもパーソナル・コンピュータ市場に参入した。OS(基本操作ソフト)をマイクロソフト社、CPU(制御+演算装置)をインテル社に決めて急成長した。インテル社のムーアは、「ムーア法則」を公表した。ICの上に詰め込めるトランジスタは1年ごとに2倍になるとした。集積回路は集中度を高め、処理能力が劇的に高まった。
1975~1985年に初期パソコンが発展した。1990年代ハードウエアの性能が向上され、データの大きな音楽や動画を扱えるようになった。マルチメディア・パソコンができた。
パソコンはハードとソフトで動く。ハードはCPU=インテル社(制御、演算装置)と記憶装置(メモリ、ハードディスク)と入力(キーボード、マウス)、出力(ディスプレイ、プリンター)装置からなる。ソフトはOS(基本操作ソフト)=マイクロソフト社、Mac,Linux等とアプリケーションソフト(作業ソフト=ワープロ、表計算、電子メール、インターネット等)からなる。
7.地球を覆うインターネット(神経網)
コンピュータのネットワークを作ることにより、ネットワーク上のデータのやりとりは、中間コンピュータ(IMP=インターフェイス・メッセージ・プロセッサー)を通して行われる。現在のコンピュータはIMPと接続するのみ。ルーター(電信局)である。ネットワークの通信手順(プロトコル)はパケット(細切れのデータ)交換方式にした。あて先のIPアドレスを持つコンピュータに届けられる。1980年アメリカの大学コンピュータ同士をネットで結び付けられた。
8.1993年、WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)の普及が進んだ。WWWで表示する文字のことを、ホームページ(ウェブページ)と呼ぶ。閲覧用の専用ソフト(ウェブ・ブラウザ)さえあれば、世界中のウェブページ(ホームページ)を表示できる。アメリカのネットスコープ・コミュニケーションズが高性能(スーパーコンピュータ使用)で無料公開のナビゲーターを開発した。
WWWの特徴
①マルチメディア情報(音楽・映像など)を扱える。
②自分の情報を広く発信できる。ウェブページはHTMLで記述するこのウェブページにデータの所在を示すURLをつけてウェブサーバーに乗せると、ウェブブラウザを持つ世界中のコンピュータに情報を提供できる。WWWの誕生により、大衆に広く用法を伝達することが可能になった。
ITの3要素
ソフトウエア(コンテンツ<テレビ、ラジオ>プログラムなど)
ハードウエア(テレビ、ラジオ受信機、パソコン、携帯、スマホ、タブレット端末など)
ネットワーク(インターネット)
ネットワークの性能向上(情報スーパーハイウェイー日本の例)
①INS64のサービス(64キロビット/秒)
②2000年ケーブルテレビインターネット、ADSL,ブロードバンドインターネット(1メガビット/秒)
③2001年光回線サービス 2015年には1ギガビット/秒)になった。
ハードウエアの性能向上(ムーアの法則)
①インテル8080 トランジスタ数 4500個
②1980年代半ば 27万個
③1993年 ペンティアム 310万個
④2000年 ペンティアムⅣ 4200万個
⑤現在 ジーオン(Xeon) 30億個
クラウド・コンピューティングの進展 インターネット上からアプリケーションソフトやデーダをダウンロードして利用する。
検索エンジン データを閲覧(ウブ・ブラウザ)するアプリケーション。インターネットのWWWでホームページを見るためのソフトウエア。インターネットにアクセスする入口(ポータルサイト)。Yahoo!やGoogleなどがある。
携帯電話進展
①第1世代 1979年 アナログ電話
②第2世代 デジタル携帯 10キロビット/秒
③第3世代 3G(3Generation ガラケー)
④第4世代 LTE(ロングタームエヴォリューション スマホ) 100メガビット/秒
⑤第5世代 5G(4K,8K)2020年オリンピック時 10ギガビット/秒
携帯端末
2007年 アップル iPhone ガラケーからスマートフォン(パソコンと同性能)へ。グーグルが開発したアンドロイド(スマホ用OS<入力情報をアプリに伝える>)端末が拍車をかけた。
WWWの大衆への開放=プロシューマー(生産者兼消費者)、ブログ、SNS、スマートフォン
ソーシャル(=友人と共有された)・メディア
①ブログ、ツイッター
②SNS(ソーシャル<友人の>・ネットワーク・サービス)ミクシイ、フェイスブック、ライン
リッチ・コンテンツ
ユーチューブ、フールー、ネットフリック、アマゾン、スマートフォンやタブレット端末にアプリをダウンロードすれば視聴できる。HDMIで大画面テレビでも映せる。
IT技術向上で一本化か
今後はメディア区分(電波マスメディア、紙マスメディア、ブログ等)は無意味になるか。区分があるとすれば、アプリ(作業ソフト)による区分かも知れない。
8.これから
ビッグデータとAI(人工知能で分析)の組み合せにより、未使用情報からメッセージを取り出し活用する。未使用情報の活用は21世紀のフロンティアになる。これを制した企業が勝ち組になる。
ビッグデータ= IOT<インターネット・オブ・シングス=モノのインターネット>を含め、使用可能な未使用情報・いまだ生のままの状態にある情報
未使用情報の活用
①人の内部の未使用情報 生体情報、自分の体調の情報の未使用情報
②人の周囲の未使用情報 ドローン(遠隔で操作する無人の小型航空機)の活用、グーグルマップの活用による宅配など