ラーニング革命

ラーニング革命

(Leaning Society ジョゼフ・E・スティグリッツ)

1.ローマ時代から1800年までの間、人間の生活水準はほとんど変化はなかった。1800年以降、19世紀後期までの間に、欧米の生活水準が劇的に向上変化した。このような社会的変容の源泉は何だろうか。ソローは、技術進歩2/3、資本蓄積1/3と数値化した。しかし、アローはラーニング能力の向上もあげた。

2.現代の経済における成功が、イノベーションとラーニングによるものであると主張したい。新しい技術を導入するには、新しい機械(投資)が必要になる。技術の進歩をよりうまく行うためのラーニングが、生産性向上の重要な役割を担ってきた。経済政策に関して、ラーニングとラーニングのスピルオーバーを向上させる経済構造を作り出すことを、政策目的にすべきである。ラーニング・ソサイアティを構築することが、生活水準を上げる可能性が高い。1人当りの所得の発展途上国と先進国での違いの多くは、知識の違いによるものである。ラーニング能力の向上につながったのは、1回かぎりのブレイクスルーではなく、連続した組織的なラーニング・イノベーションだった。コンピューター化、電子化は大きな変化だった。しかし、全体的な影響は、小さな改善とラーニングによって、もたらされたのである。