林住期
五木寛之の林住期を読んだ。五木は戦中派で、子供時代、朝鮮で暮らしていた。敗戦になり、人間の勝手な醜さを知り、自分ではどうにもならない状況、運命を知り、「風に吹かれて」「他力」という哲学を持った。仏陀の「この世界は苦である」という言葉は、「この世界は思うようにならない」ということだという。
古代インドに人生の四住期という考え方がある。学生期、家住期、林住期、遊行期の4期間である。現在人生は90年。4分割すると、1期23年。学生期23歳まで、家住期=家庭のために稼ぐ期間は46歳まで、林住期=自由な現役期間は69歳まで、遊行期=金銭が許せば、現役から離れ人生を遊ぶ期間92歳までということになる。この本は、五木が74歳の時に書いた本で、彼はまだ現役で、私は林住期にいると言っていた。現在、彼は89歳だが、今年7月に「孤独のすすめ」という本を出し、まだ現役、林住期である。彼は林住期は、人生の黄金期であるといっている。人生の四住期は順番を言っているのであり、林住期は長いほうがよい。