銀行業界の低収益化とリストラ
世の中を動かすのは、人とその人が稼ぐ金である。その金を管理する銀行業界は売上規模も大きいし、重要な産業地位にいる。
日本の銀行はバブルが崩壊してから、資金需要が小さくなり、貸付先が減り、低収益化に直面している。これは、江戸時代に元禄バブルが崩壊してから、両替商が多く倒産したのに似ている。
銀行の3大業務は①預金②融資(貸付)③為替(国内、海外口座間の資金移動)である。収益のメインは貸付による利息である。貸付先に優良な分野、顧客が減っている事が問題である。
1990年にバブルが崩壊してから、日本の銀行業界はリストラが続いている。業界売上は22兆円。業界1位は三菱UFJ5兆円、2位は三井住友5兆円、3位はみずほ3兆円、4位は三井住友トラスト2兆円、5位はりそな1兆円である。
銀行は都市銀行(大都市と全国拠点)4行、第1地銀(地方密着)64行、第2地銀(相互、昔の無尽)41行がある。都市銀行はバブル崩壊後、10年で3大メガバンク+1に合併縮小した。三菱UFJは、三菱銀行、東京銀行(海外為替)、UFJ(東海<名古屋地場>、三和<鴻池など大阪地場>)の合併、三井住友は、三井銀行、住友銀行の合併、みずほは、第1勧銀(渋沢の第1銀行、勧業銀行<農工改良>)、富士銀行<旧安田、芙蓉G=丸紅など>、日本興行銀行<重化学工業の改良>)の合併である。
地銀のリストラはこれからである。①企業は自社債権、株式発行、有望企業減少⇒貸出先なし②金利なし③日銀に預け金利1%もらう。しかし2400兆円で上限④上限超えるとマイナス金利⑤高い手数料で投信・保険の販売自粛化⑥コンビニATM普及⑦住宅、車ローン減少で、地銀は2022年、半分以上赤字になる予想である。日銀の預け金利もあと5年後でやめるという話もあり、赤字地銀は合併による合理化リストラしかなくなっている。2022年には、第1地銀64行、第2地銀41行、計100行あまりの地銀は、半分の50行にリストラされると考えられる。(評論家 渡辺哲也のYOUTUBEから)
江戸時代の徳川吉宗の享保の改革のように、「入るを計って、出るを制す」の時代になったのかも知れません。しかし、いつの時代でも、少数の拡大策成功者は出ています。